学生向きのコテコテのワンパターン学園ミュージカルドラマ。音楽と踊りは見られるレベルでも、肝心なストーリーがボロボロな作品。35点(100点満点)
ピッチ・パーフェクト2のあらすじ
ベッカ(アナ・ケンドリック)が所属する大学ガールズアカペラ部のバーデン・ベラーズは、全米大会で女性チームとして初の優勝を果たした。
ところがスキャンダルが原因で、大会への出場ができなくなってしまう。そんな中、一度きりのチャンスが訪れるものの、メンバーは卒業した後の進路などに悩んでいた。さらにドイツの強豪チームが彼女たちの前に立ちふさがり……。
シネマトゥディより
ピッチ・パーフェクト2の感想
エリザベス・バンクス監督による典型的なハリウッド映画の展開と演出が延々と続く、キャッピキャッピの学生が見てなんとか楽しめる一本。
レベルの高いドイツのアカペラ部を敵に仕立て上げ、それに立ち向かうアメリカといった縮図が、ヒーロー映画や戦争映画と全く同じ法則に当てはまるのがアホです。
その一方で、もしかしたら一部の視聴者はそもそもストーリーに質や芸術性なんて求めていないかもしれないなあ、というのを改めて考えさせられました。いわゆるワンパターンが逆に心地いいという人たちもきっといるんだろうなあ、と。
期待通りに物語が進んでいくことに快感を覚え、映画館を出て行くときにそれなりにすっきりしていればOKという人たちをターゲットに、製作者たちはあえてこの手の映画を作っているんでしょうね。
吉本新喜劇もそうですよね。知ってる芸人が知ってるギャグを飛ばし、観客が笑う、という約束事の中に成り立っていて、あのリズムや法則はあと何年経っても変わらないような気配すらあります。
この映画にしても、シリーズを10作ぐらい続けていっても、一定の数の人は見るんじゃないでしょうか。そう考えると、視聴者がバカなのか、あるいは製作者たちがある種の洗脳をかけようとしているのか、分からなくなってきます。
冷静に振り返ると、この映画の内容は米ドラマの「グリー」の丸パクリです。オタク、外国人、デブなどを笑いのネタにしている部分も同じですね。
それでも心が純粋な学生だったら、百歩譲ってストーリーさえ目をつぶれば、おバカなシーンで笑い、音楽やダンスシーンでそれなりに興奮することも可能かもしれません。
その最大の理由が、キャピキャピだろうと、アイドルみたいな爽やかさを売りにしてようと、音楽とダンスだけはアメリカはそれなりのレベルに仕上げてくるからです。
これが日本だったら、聞くに堪えない歌を歌う女子が出てきて、見るに耐えない踊りを踊る男子が登場しているところでしょう。
すでにかなり流れているので、聞いたこともある人も多いるかと思いますが、ジェシー・Jの「Flashlight フラッシュライト」はこの映画の核となる曲で、この映画のための曲、あるいはこの曲のための映画とも言える重要な役割を果たしています。いい曲がひとつあれば、それだけでそれを基に映画が一本作れちゃう、といういい例ですね。
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