ラデュ・ミヘイレアニュ監督による、笑いあり、涙ありの秀作。アクションなし、色気なし、暴力なしの平和な映画で政治色の少し入ったディズニー映画といったところ。80点(100点満点)
オーケストラ!のあらすじ
劇場清掃員として働く元・天才指揮者アンドレイは、昔の仲間とオーケストラを結成。 ボリショイ交響楽団の代表と偽って、パリの一流劇場に乗り込んだ! 果たしてコンサートの行方は? 彼の本当の目的とは? チャイコフスキー、モーツァルト、パガニーニ、シューベルト、シューマン… クラシック名曲の数々にのせて贈る、笑って、元気をくれる奇跡の感動作。
(フランス映画祭オフィシャルサイトより)
オーケストラ!の感想
どことなく「アンコール!!」を彷彿させるけど、比べ物にならないほどこちらのほうがいいです。
オーケストラのおっさん、おばさんたちが愛嬌があり、個性豊かなのが良く、ストーリーは単純で、先も読めてしまうのに興奮を冷めさせない面白さがあります。特にラストの演奏シーンは鳥肌が立ったうえ、しびれました。
普段は欠点ばかり探して映画鑑賞してしまうんですが、なぜかピュアな気持ちで最後まで見てしまって、ああやられた、という感じがしましたね。時代や政治体制に自由を奪われていった人たちの長年の鬱憤を晴らす復讐劇を目撃したようで爽快感が残りました。
この映画ではソ連人をあまりにも文明のない野蛮人のように描いていて、捉えようによってはソ連人をちょっとバカにしているような気配もありました。しかし本当の狙いは、一見間抜けそうな人たちがひとたび楽器を手にすると、美しい音色を奏でるなんていうギャップを作りたかったんじゃないかとも考えられます。
楽器が上手く弾けるというのは、ときにはどんな肩書きよりやステータスよりも人々を唸らせる力がありますね。
これを見ると、思わず楽器が弾きたくなるでしょう。貧乏でうだつがあがらなくても、一生懸命楽器を練習しておけば、そこそこかっこいいおっさん、おばさんにはなれるんじゃないかなんて思ったりもしました。オーケストラのみんな渋かったなぁ。
コメント
ストーリーは予告動画である程度見えましたが、演奏部分の素晴らしさに涙がでました。六本木ヒルズで開催されたフランス国際映画祭で鑑賞しましたが、メラニーロランの美しさにやられました。会食の時のとろりとした白のブラウス姿、ラストの演奏で見せた自然な涙、しばらくは席を立てないほどでした。私事ではありますが東京でモロッコ料理屋を営んでいますので、途中出て来た 長年夢見たレストランがモロッコ料理屋に、なってたくがりがおおいにウケました。
ISHIMAMIさん
コメントありがとうございます。演奏のシーンは感動的でしたね。モロッコ映画で何かいい映画がありましたら、ぜひ推薦&リクエストしてください。
本来、あり得ないことを「よっしゃ、一丁やったるか〜!」って気にさせてくれるかどうか、ここが名作駄作の分かれ道。
本作は社会的背景を上手に盛り込んで、あるかも?って気にさせてくれましたね。少なくとも違和感なく、ストーリーへ入っていくことができました。うまい!
それにしても、出演者じいちゃばあちゃんばかりで、例のアンコールに似てるけど隔絶の感あり。
実はだいぶ前に観たのですが、ロシアの映画だと思ってました。お恥ずかしい・・
確かにこれアンコール!!に似てるなあって思っちゃいました。作る人が違うとここまで違うものかと。
こちらのブログで出会った、またまた良い作品でした。
オーケストラの鑑賞に行きたくなりました!音楽、演技、演出とても良かったです。
先が読めるのに、これ程感動してしまうのは、やはり音楽の力でしょうね。
他にも似たような映画ありますけど、これは抜群にいいですね。