「ラブ・アゲイン」のグレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督のコンビによるダメダメ詐欺ドラマ。設定やストーリーが適当すぎます。33点(100点満点)
映画フォーカスのあらすじ
30人の熟練詐欺師集団をまとめるニッキー(ウィル・スミス)は、半人前な女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)に可能性を見いだし、一流の犯罪者にすべくノウハウを伝授する。やがて二人は恋に落ちるが、恋愛は自分の仕事の邪魔になると判断しジェスのもとを去る。数年後、ニッキーが一世一代の詐欺を仕掛けるブエノスアイレスのモーターレース会場で、一段と美貌に磨きをかけたジェスと再会し……。
シネマトゥディより
映画フォーカスの感想
ウィル・スミス主演の詐欺組織をテーマにした幼稚な恋愛ドラマ。詐欺師集団という犯罪組織の話なのに格好良くポップに描きすぎていて、アホな子供たちがいかにも憧れを抱いて真似してしまいそうな馬鹿映画。
一見、バリバリの詐欺の話かと思いきや、なんだかんだいって結局は物語が進むにつれラブストーリーに成り下がります。物語の五分の一はウィル・スミス扮するニッキーが金髪美女といちゃいちゃしているだけです。ところどころでニッキーが「俺は詐欺師だから、この愛だって嘘だぜぃ」と言わんばかりの行動に出ますが、それもタダのフリにすぎません。
組織的な詐欺の手口を見せていく序盤はなかなか楽しめました。クレジットカードを盗んでその場で使い持ち主に分からないようにすぐ返したり、カメラのレンズだけを盗んだりなどなかなか巧妙な手口もあります。また、ATMの機械の上に偽の機械をかぶせてカード情報を根こそぎ盗むなんていうのは実際に僕の住んでいるブラジルでもあったことです。
あの調子で行けばもっと面白い映画になったのに舞台をブエノス・アイレスに移してからクオリティーが一転します。そもそもブエノス・アイレスを物語に組み込む必要があったのかどうかも謎で、アルゼンチン人のレースチームのオーナー役にブラジル人俳優ロドリゴ・サントロを起用する辺りもかなり適当ですね。
おそらくブラジル人がアルゼンチン人役をやるのは日本人が中国人役をやるような、あるいはその逆のような違和感が本人たちにはあるはずです。でもB級ハリウッド映画はそんなことはお構いなしで、なんとなくそれっぽかったらいいのです。
しかし物語が後半に突入すると、なんとなくそれっぽい要素すらもなくなってしまい、プロの詐欺師であるニッキーを始めとする登場人物たちがただただおそまつな行動に走ります。
アルゼンチン人レースチームのボスがニッキーをせっかく捕まえて拉致したのに、なぜか最後はその場に彼を残して帰り、親切にもお金まで拾わずに立ち去る意味が分かりませんでした。
ダメな映画のボスってやたらと表に表に出てきますが、そもそもボスがわざわざ自ら拉致現場に足を運ぶ必要ないじゃん、って思いましたね。30人の熟練詐欺師集団をまとめるニッキーにしろ、レースチームを持っているほどのアルゼンチン人にしろ、もっと裏でひっそりと指示している感じが出たらいいんですけどね。ただの出たがりな男たちの話でしたね。
コメント
この2人をどうこうしたところで売りさばかれたデータはもうどうにもできないこと
金を持っていくことにより足が着くのを恐れたこと
何より気が動転していたなど理由はいくらでも思いつきませんか?