ストーリーに辻褄が合う箇所がひとつも見当たらず、登場人物の行動が宇宙人並に理解できない一本。5点(100点満点)
映画悪い男のあらすじ
街で見かけた女子大生ソナ(ソ・ウォン)に一目惚れした孤独なヤクザ、ハンギ(チョ・ジェヒョン)。だが、ソナに侮蔑的にあしらわれたハンギは、自分が仕切る売春宿にソナが売り飛ばされるよう画策し始める。
シネマトゥディより
読者のインコさんのリクエストです。ありがとうございます。
映画悪い男の感想
「アリラン」、「悲夢」、「メビウス」、「嘆きのピエタ」などで知られるキム・ギドク監督による、数あるひどい作品の中でもワースト1といってもいい映画。
最初の10分で「もう付いていけないわ」と思わせてしまうぶっ飛んだ展開がいけません。
女子大生ソナがベンチで座っていると、眼つきギラギラのいかにも怪しいヤクザが隣に腰掛けてきます。やがてソナのところに待ち合わせをしていた彼氏が登場。そこであろうことかヤクザが突然ソナに強引にキス。周囲は騒然となり、無理やりキスされたソナがひとこと言い放ちます。
「謝ってよ」
謝ったら許してあげるつもりだったのかよ。普通警察呼ぶでしょ。さらに取り押さえられたヤクザの顔にソナが唾をかけます。その下りも慈悲深いのか、残酷なのかブレブレで、ソナのキャラが全然確立されていないことが分かります。
自分に屈辱を与えたソナにヤクザは復讐をしかけます。その復讐が「本屋に財布を置いてくる」>「女が財布をネコババする」>「女を捕まえて恐喝する」>「ヤクザの管轄の風俗で働かせる」という、なんのひねりもないトントン拍子の展開でコントみたいでした。
物語の終盤になるとなぜかこのソナが自分を風俗に売り飛ばした張本人の男とドロドロの恋仲になっていくのですが、その過程でソナが男に惚れる、あるいは男を頼りにするのに納得するだけの出来事を監督が何一つ用意していないのがダメでした。
この手の映画を映画館で見たときには地獄ですね。最初の10分でやばいと気づき、その先の時間を想像すると恐ろしくなります。間違った相手と結婚の約束をしてしまったときのようなもう後戻りできない「まずった」感が募ります。もしキム・ギドク監督の映画でこの映画を最初に見ていたら、それ以降二度と僕は彼の作品を見なかったことでしょう。
コメント
映画男さん、リクエストや質問にお答えくださりありがとうございます!
5点か―――・・・(笑)その昔、数学苦手だった私でもこの点は取った事なかったです。
「魚と寝る女」は私も見ましたが、ここでの女性もとんでも女でしょう。
まさに宇宙人並に。いろいろと描写も痛すぎて・・・
「魚と寝る女」は男性側目線で撮られていると感じ、「悪い男」は女性側が揺るがされる映画かなんて感じます。
どちらも不器用なところに魅力があるような・・・??(笑)
映画男さんも仰ってましたが、確かにこのところギドク監督はスランプだと私も感じます。
お母様はきっとご自分が卵が大好きだったんだと思います♪
インコさん
コメントありがとうございます。「魚と寝る女」は昔に見た印象がすごかったので、今見たら分かりません。あと、「うつせみ」も結構好きですね。
キムギドク監督の最新作「メビウス」はもう見ましたか?
阿部定の様なキチガイ女の話ですが、見たら感想をお聞かせ願います。
リクエストありがとうございます。鑑賞したら、アップいたします。
激しく同意しすぎて、今首がもげました。
GyaOの無料配信で観たのですが、色んな意味でもう駄目でした。
理由①大学に行くには、本人の受験勉強に加え、親が身を粉にして稼いだ金を投資しているわけで、それを赤の他人が罠にはめて中退させるなど許しがたい。
理由②いきなり路チューするなど直情型の行動を起こす割には、彼女を罠にはめていく主人公の心理が非常に粘着質。吐き気を催しました。
理由③激しいリビドーを持っているのに、なぜかひたすら彼女を監視するだけ。勃起不全の4文字が頭をよぎりました。
いやぁ、見終わった後、意味もなく風呂に入って歯を磨きました。自分まで汚くなった気がして。
roxyさん
コメントありがとうございます。僕もこれからひどい映画を見たら風呂に入って歯磨きをしようと思います。そのアイデアいただきました。
”「本屋に財布を置いてくる」>「女が財布をネコババする」>「女を捕まえて恐喝する」”
ここで、、、わたしは、、大笑い~!見てみたい映画です。
ふつう、、、忘れ物の財布をネコババしないって、、、!
そこで、、、そうだ、、、、もっと簡単で、早い、自然な出会いの方法があったということに気が付いて、勝手にパロディを考えました。よかったらご覧ください。