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映画ベティ・ブルーはフランスを代表する悲劇!ネタバレと感想

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ジャン=ジャック・ベネックス監督によるフランスを代表する悲劇の恋愛ドラマ。上映時間が長いのがクセモノだけれど、ストーリーや脚本がしっかりしていて、今見ても普通に見られる映画。68点(100点満点)

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ベティ・ブルー/愛と激情の日々のあらすじ

 海沿いの村で暮らすゾルグ(ジャン=ユーグ・アングラード)は、小説家を夢見ながらペンキ職人などをして日々生活していた。

ある日、そんな彼の前に若く奔放な美女ベティ(ベアトリス・ダル)が現われ、2人はたちまち恋に落ちる。彼らは一緒に暮らし始めたが、次第にベティのエキセントリックな行動が目立つようになり……。

シネマトゥディより

読者のインコさんのリクエストです。ありがとうございます。

ベティ・ブルー/愛と激情の日々の感想

いわゆる頭のおかしいぶっ飛んだ女とそんな女を全て包み込む優しい男の物語です。おそらく女性のほうが男性よりもこの映画の根強いファンがいるでしょう。

なぜならゾルグにホロッと来る女性視聴者のほうがベティに恋する男性視聴者よりも断然に多いはずだからです。

ベティはいきなり発狂して、物に当たったり、凶暴になってフォークで女性を刺してしまったり、寝間着のまま外を走り出してしまうようなコントロールの効かない女です。

その一方でゾルグはそんな彼女の欠点の全てを受け入れます。あれでゾルグもヒステリックで、暴力的だったら、二人は毎日殴り合いになっているところでしょう。

気難しい女と気の優しい上手くバランスの取れたフランス人カップルの自然な光景がそこにあって、ただのロマンチックな映画としても十分に見どころはあります。

ベティもベティで精神状態がいいときは、急に彼のためにごちそうを作って、ワインを用意したり、ドライブ中に「愛してるぅううう」とか叫んだり、無邪気そのもので可愛らしい部分もたくさんありますが、あの美貌もセクシーな体も、自己破滅的な気質によって全て帳消しになってしまうのが男としては残念でした。

ラテン系の男たちを見ていると、ベティほどじゃないにしても、感情的でヒステリックな女たちを相手によくもまあ身を削って関係を続けているなあ、と感心することが多々あります。

結局のところただどうしてもやりたいから全部、女の言うことなすこと許してやってるような気配もあるんですが、それでもすごいですね。

雄と雌のむき出しの関係みたいなね。おそらく日本人男性からしたらベティなんて怖いだけじゃないかな。

ベティとゾルグの関係をスクリーン越しに見ているだけでも、楽しいときは楽しそうだけど、安定感がなく、ギャーギャーうるさくて疲れるんです。ああいう二人に憧れるなんていう人は自己破滅型の可能性がありそうです。

この映画もまた他のフランス映画に似て一筋縄にはいかないエンディングが待っています。フランス人はハッピーエンドが嫌いなのかラストは悲劇にしたり、なにも解決しないままあやふやに終わらせたりというのが多いですね。

終盤からラストにかけて一気に転落していくあの展開にはちょっとついていけませんでした。2時間強かけてあれだけダラダラ幸せなシーンを流してきたのは全部フリだったのか、と思うと笑えてきました。

今度はぜひ日本映画でもベティより頭のおかしい女を見てみたいですね。頭のおかしい女は日本にだってたくさんいるはずなのに、その狂気を上手く描ける監督がいないため、日本映画だとただ人をむやみやたらに殺す女とかしか出てきません。そういうんじゃないんだよなあ。そう考えるとベティは見事なキャラクターだったと言えますね。

コメント

  1. インコ より:

    この映画のレビューが読めて嬉しいです♪
    ありがとうございます。

    そうです、私もこの映画の大ファンです。
    ソルグみたいな優しく包容力のある男性がなかなかいない。
    日本人の男性としか付き合ったことないですが
    あんな男性に愛されてみたいです。

    日本男性は女性に母を求めるから無理ですね。

    (ブラジルの男性はどうですか?)

    ラストはハネケの「愛・アムール」と被りますね。
    自分の妻を自分の手で・・・のところとか
    猫とかハトとか・・・・・。

    • 映画男 より:

      インコさん
      リクエスト&コメントありがとうございます。なかなかソルグは現実社会にはいなさそうですね。ブラジル人の男はマザコンで、家では女の尻に敷かれているようなタイプが多いですよ。