韓国のアカデミー賞“大鐘賞”で最多12部門ノミネートを果たしたらしい超駄作。笑えもしないし、感動もない、お粗末な内容で「整形手術」を題材にして結局なにが言いたいのかよく分からない軸ブレブレ作品。18点(100点満点)
カンナさん大成功ですのあらすじ
身長169センチ、体重95キロのカンナ(キム・アジュン)は、美声を生かして音楽業界に入ったものの、舞台裏でスター歌手の声を当てる日々。
ある日、思いを寄せるプロデューサー、サンジュン(チュ・ジンモ)が「カンナには才能はあっても美ぼうがない」と言っているのを耳にしたカンナは、美ぼうを手に入れるために大手術を決意する。
シネマトゥディより
読者のテヨンらぶさんのリクエストです。ありがとうございました。
カンナさん大成功ですの感想
キム・ヨンファ監督による笑えないコメディドラマ。
まず、整形大国韓国で、それも芸能界の中で、整形に対する偏見があそこまで根強いのかな、と疑問に思いました。
主人公のカンナは外見にコンプレックスを持って、自分から整形したくせに、いざ美人になると、ちゃんと私の中身を見てくれてない、私なんかただの商品なんだわ、とか訳のわけらないことを言い出します。
だったら芸能界なんか入るなよ、って話なんですが、歌手になりたいのか、ただプロデューサーの男を振り向かせたいのかはっきりせず、話がごっちゃごっちゃでしたね。
全体的にみると、カンナが太っていたときの前半のほうが比較的まだましで、手術後の後半から訳の分からなさ加減が急増します。
なにより笑いを取りにいっているシーンが逆に悲しくなっているし、感動させるためのシーンで笑えてしまうのが皮肉で、ラストなんてライブ中に歌手が観客に向かってなにカミングアウトしちゃってんの、という感じでした。これで12部門ノミネートって聞くと、韓国のアカデミー賞も日本アカデミー賞と同レベルだと思えてきますね。
日本ではまだまだ整形手術に対して相当な偏見があるようで、芸能人の整形前の写真なんかをネットや雑誌に出して、大騒ぎしていますね。そして整形した人をどこかモラルに反した人のような白い眼で見るというあの習性が僕にはよく理解できません。
おそらくそういう整形反対派の人たちは、整形した人に対して、「けっ、努力もせずに、手術で簡単に綺麗になりやがって」とか思ってるのだと思います。
けれども実際整形手術なんてものすごい痛みも伴うし、お金もかかるし、大手術と長い間包帯ぐるぐる巻きの期間を乗り越えてやっとのこと手に入られる「美」であって、それはそれで十分努力の結果に違いないんですけどね。
やっぱりどこか、「お前ブスに生まれてきたのに、手術して美人になるってずるいわぁ」などの嫉妬があるんじゃないかという気がします。
もちろんかといって整形も度が過ぎるといけませんね。特に胸のシリコンとかはやりすぎると、カチカチのロボコップの体を触ってるみたいな白けた気分に男をさせるので、ぜひとも注意してもらいたいです。
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