ドMの人しか決して見てはいけない、じらしてじらして落っことす映画。初老の鑑定士ヴァージル・オールドマンと若くて美人の依頼人クレアのツンデレに長々と付き合わせる面倒くさい作品で、2時間以上オチを引っ張る、まるでTBSの演出のような一本。38点(100点満点)
鑑定士と顔のない依頼人のあらすじ
天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺(のこ)した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。
屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
シネマトゥディより
読者のMakiさんのリクエストです。ありがとうございます。
鑑定士と顔のない依頼人の感想
「ニュー・シネマ・パラダイス」で知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督によるミステリー劇。
これにのめり込んだ、という人は自分が相当Mだと思ったほういいです。女性だったら冷たくされないと燃えないとかいうタイプで、男性だったらブラジャーだけは絶対に外さない女が好き、とかその手のタイプです。
Mじゃない人から見ればクレアなんてどうでもいいです。約束の場所に来なかった時点でアウトです。その後、電話してきて、「ごめんなさい。また会おうよぉ」じゃねえっつーの。
いいですか。あれだけ金持ちの独身貴族アートコレクターが女に対してあんなに免疫がないはずがないんです。それこそ現在アーティストたちのパトロンになったりして、片っ端から手を出してないと。
もし生涯アートにばかり興味を向けて女性には興味が向かなかったというのなら、ずっと独身を通せばいいわけで、なに急に元気になっちゃてるの。なによりあの年齢で童貞という設定になってたのが笑えますね。
さてさすがにあれだけ引っ張っただけにオチはそれなりのサプライズを用意していました。ちょこちょこ伏線を張っていたけれど、オチに行きつくまでが長く、オチを見せた後もまた結構続くというあのしつこさがいけません。
思うにヴァージル・オールドマンはあのクレアの声にやられちゃったんでしょうね。声がかわいいと、会う前から色々と妄想が膨らんでしまいます。ただ、現実社会では声がかわいい、なかなか会いたがらない、なんて女が美人である可能性なんて限りなく低いです。その時点で相当警戒をすべきでした。
以前にも一度話しましたが、僕は昔、テレクラでものすごい可愛い声の女性と知り合い、会う約束をしたら、待ち合わせ場所に40代ぐらいのおっさんが現れて心臓が止まりそうになったことがあります。
そのときはあまりにもショックで体が固まってしまい、言われるがままにお好み焼きを一緒に食べに行ってしまいました。あれ以来、女の子と待ち合わせすると、おっさんが来るんじゃないかって心配になるときがあります。だから声には絶対に気を付けろ、なんです。
コメント
当時20歳で見たとき、ヴァージルの痛い恋は鳥肌ものでした。
ラストのレストランの演出は、感の悪い私にはなんのこっちゃで消化不良。
長いな‥と終始感じる映画
何というか、一言で表現すると老人相手の「オレオレ詐欺」。