日本でやたらと評価の高い、おっさんが自分探しの旅に出る映画。仕事をやめて外国に行きたくても行けない人が見て、うらやましがる物語です。40点(100点満点)
映画LIFE! のあらすじ
雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。
ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランド、アイ スランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。
シネマトゥディより
映画LIFE!の感想
ベン・スティラーが監督&主演したコメディードラマ。コメディーをベースに恋愛やロードムービーの要素をちりばめた愉快なストーリーはいいものの、登場人物の行動に説得力がなく、物語を見るというより、主人公のドタバタ劇に付き合わされているような気分になる一本。
雑誌社に送られてきたはずの消えた写真のネガを探し求めて、主人公ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)が会社を飛び出し、写真を撮ったカメラマンの居場所を追いかけて、世界中を駆け巡る、というのがあらすじです。
笑いも感動も旅の興奮度もすべてが低いのが特徴で、最後まで低空飛行でエンディングに到着してしまいます。
アイデアとして面白かったのは、主人公ウォルター・ミティの妄想癖でしょうか。好きな女性に対して、想像を膨らませていった結果、その女性とキスしているところや、ロマンチックな会話をしている状況を思い描いてぼーっとしてしまう。
もしかしたら普段からさまざまなストーリーに接しているベン・スティラー自身がそういう傾向にあるのかもしれません。
ただ、あの程度じゃあ普通の妄想止まりで映画のエピソードとしては物足りないですね。僕も映画の見すぎなのかかなりの妄想癖があるので、誰か女性と知り合ったら、その人と離婚するときの映像なんかが瞬時に頭をよぎります。ネガティブだけにね。
個人的にはウォルター・ミティのネガティブ妄想のほうも見てみたかったです。普段から暗い部屋に閉じこもって仕事をしている彼の心の闇の部分がどれほどのものなのかというのを。
ウォルター・ミティは普段他人が撮影した写真を管理する仕事をしているだけに世界中の風景をすでに頭の中に描いた可能性もありますね。
そこで満足してしまう人もいる中で、実際に自分の足で歩いてみようと決断したようです。しかしそこに至るまで、なぜあの決断を下したのかのかがちょっと分からなかったです。
無理やり旅に出た感が強くて、それ以降はずっと無理やりな展開が続き、自転車やスケボーで移動するシーンなんかは、どうしてもこのシーンが撮りたかったんだろうなあ、と冷ややかに見てしまいました。
ベン・スティラー自体は演技も上手いし、好きな俳優です。ただ早くコメディーから完全に脱却して、もっとシリアスな方面に行ってもらいたいというのが本音ですね。
彼ならむしろ刑事映画や感動映画のほうがいい仕事ができるはずです。早くそこに気づいてもらいたいです。
コメント
あーベン・スティラーの刑事映画いいですね。見たいです。
berueさん
コメントありがとうございます。「ブラック&ホワイト」ではベン・スティラーは脇役ですが刑事役をやっていますよ。よかったら見てみてください。
スタスキー&ハッチ‥‥‥。
映画男さんのなかではコメディよりもシリアスな映画(刑事映画や感動映画)の方が上なのですね。
ベン・スティラー好きを公言なさるなら、彼は常に(それこそ常に)シリアスな男を演じてきた俳優なところに気付いて欲しかったですねぇ。
愚直なまでに真面目な男が周囲との摩擦で生じるギャップで笑いを取るのが彼の芸風かと。
彼は常に本気(シリアス)ですよ、映画男さん。
ベン・スティラーは間抜けな役のイメージしかないなぁ。