「ヒミズ」、「恋の罪」、「冷たい熱帯魚」、「新宿スワン」、「TOKYO TRIBE」、「希望の国」などでお馴染みの園子温監督のハチャメチャアクション劇。とにかくつまんないです。12点(100点満点)
地獄でなぜ悪いのあらすじ
とある事情から、激しく対立する武藤(國村隼)と池上(堤真一)。そんな中、武藤は娘であるミツコ(二階堂ふみ)の映画デビューを実現させるべく、自らプロデューサーとなってミツコ主演作の製作に乗り出すことに。
あるきっかけで映画監督に間違えられた公次(星野源)のもとで撮影が始まるが、困り果てた彼は映画マニアの平田(長谷川博己)に演出の代理を頼み込む。そこへライバルである武藤の娘だと知りつつもミツコのことが気になっている池上が絡んできたことで、思いも寄らぬ事件が起きてしまう。
シネマトゥディより
地獄でなぜ悪いの感想
「キルビル」と「アウトレイジ」をミックスさせたようなパクリ映画。わざとB級風に作ろうとしているのがミエミエでタランティーノの真似しているとしか思えないオリジナリティーに欠ける退屈な一本。
学芸会レベルのわざとらしい舞台演技、とにかく血を流せばいいといった感じのハチャメチャなアクション、センスのない笑いの数々が見てられず、大いにがっかりさせられました。
信じられないことに園子温監督は最近「芸人になりたい」とか言って、水道橋博士なんかと舞台に上がっているそうですね。急にこの映画のようにコメディータッチにスタイルチェンジしたのもその辺の事情と笑いに対する好奇心があったようにも思えます。
その昔、園子温監督は「お笑い芸人が監督をするのが許せない」などといった強気の発言をしていましたが、自分はその逆をやっているという矛盾。オラオラ系の奴に限ってコロコロ信念を曲げるから嫌です。
別になにをしても面白い映画を作ってくれればそれでいいのですが、最近どんどん園子温監督の映画の質が落ちていることが気になります。その理由の一つは作りすぎが原因だと僕は思っています。
あるインタビューで園子温監督は2014年には映画を5本撮るといっていていて、この「地獄でなぜが悪い」を製作中も別の本を1冊書き上げていたそうです。そんな片手間で作った映画が面白いはずもなく、今後もどんどんその質は落ちていくに違いないです。
これとまったく同じ道を通ったのが三池崇史監督です。彼らはアンダーグランドでは素晴らしい作品を作っていたのにメジャーデビューした途端、昔のファンを裏切るように大衆に媚びを売ったポップな作品を作り出し、質を落とす映画界のケツメイシです。
こういう監督はそのうち脚本も自分で書かなくなり、アイデアも他人任せのものになり、スポンサーの以降でキャスティングを固め、自分はちょっと指示を出すだけというスピルバーグ化が始まるでしょう。
もしかしたらもうすでにそうなっている可能性もありますが。もちろん映画監督も食っていかなくちゃいけないのでそれも悪いことではないです。ただファンからすればやっつけ仕事の作品を見せられるのはたまったもんじゃないでしょう。
唯一の救いは二階堂ふみの存在感ぐらいでしょうか。 どんどん色気も出てきますね。
園子温監督は「脱げないなら女優なんてやめてしまえ」などとも言っていましたが、二階堂ふみを脱がしてみろよって思いますね。ただ、今の園子温監督には二階堂ふみが脱ぐのに納得するぐらいの脚本なんて到底書けないだろうけど。
コメント
三池を映画界のケツメイシにたとえている人初めて見ましたw