スポンサーリンク

映画オール・イズ・ロストは面白い!ネタバレと感想

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

all-is-lost-robert-redford

海で遭難した男の命をかけた壮絶な戦いを淡々と描く大人のサバイバル映画。セリフ、BGMがほとんどなく出演するのは主役の男を演じるロバート・レッドフォードただ一人。そんな少ない材料で十分に見られる内容に仕上げたアイデア溢れる力作です。77点(100点満点)

スポンサーリンク

オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~のあらすじ

自家製ヨットでインド洋を航海中の男(ロバート・レッドフォード)。突然、海上の浮遊物がヨットに衝突したことから、気まま旅が一転する。浸水や無線のトラブル、さらには天候悪化に見舞われ、自然の脅威、飢えや乾き、孤独との闘いを強いられる。そして、男は自分自身の気持ちと向き合い、大切な人に向けて手紙を書く。

シネマトゥディより

オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~の感想

アメリカン・ドリーマー 理想の代償」のJ・C・チャンダー監督によるサバイバルドラマ。

ストーリーはないに等しいです。インド洋のどこかを航海中、自分のヨットがコンテナと衝突し、船が破壊され、沈没していく中をいかにして生き延びるかを描いた物語で、セリフもほとんどなく、単純すぎる内容から脚本はわずか31ページだけだったそうです。

つまり映像、編集、一人芝居、アイデアだけで勝負している斬新かつ勇敢な作品です。ほかの映画がハイテクCGやら、ド派手なアクションやら、有名俳優陣やらを寄せ集めて映画市場で勝負している中でこの映画を撮ったJ・C・チャンダー監督は、ロバート・レッドフォードの演技と自分のセンスに賭けたのです。

この映画を作るにあたってJ・C・チャンダー監督はたくさんの本を読んだのか、それとも船やサバイバル術の知識が豊富なのか主人公の男の描写がとても細かく、無我夢中に生存のために彼が選ぶ行動に目を奪われました。

実際男がどれだけの日数を生き延びたのかについては触れられていませんが、序盤にいきなりコンテナと激突した8日前に戻って回想する場面があるので、おそらく1週間ちょっとの生存劇を描いたのだと思われます。

その中で男は次から次へとトラブルに見舞われるにもかかわらず、特にパニックになることもなく、平然とやるべきことをこなしていきます。

ヨットの中が水浸しになろうと、飲み水がなくなろうと、大波に飲まれて海に投げ出されようと、常に冷静に行動するのです。

そんなところからも男がかなりの冒険家であることが分かり、また人生の経験値も相当なものだというのが感じられます。その点、若い俳優ではなく、高齢のロバート・レッドフォードを起用したことが大当たりでしたね。

途中、男の目の前を貨物船が通ったりするものの、気づかれずに通り過ぎてしまう。そのときの絶望も特に大げさに表現しません。

そんなところで泣いたり、叫んだりしている暇はないからです。常に孤独な戦いを強いられる主人公の男の横にもしもう一人の乗組員がいたらどうなっていただろうか、と想像もしてみたくもなりました。

あれはやはり一人だったからこそ、あそこまで頑張れたんだろうな、と思います。あれが男じゃなくて、女だったらどうでしょうか。そういえばあまり女性の生存をテーマにした映画というのも聞きませんね。そもそも女性はそこまで無茶しないのかな。

そういえば 先日、メキシコ沖でエル・サルバドール国籍の男性が約13か月間海に漂流して、生還した出来事がありましたね。映画よりも常に現実のほうが一歩先を行っていて、はるかに衝撃的だというのが面白いですね。

人間の想像力は無限だなどとよくいいますが、こんな出来事があると実際は大したことないんじゃないかと思ってしまいます。ちょっと前に「キャスト・アウェイ」という映画が話題になったけれど、あれも海にずっと漂流していたわけじゃないからね。島で長い間、生き延びるというとまだ想像はつくけど、さすがに海に1年以上は想像できませんね。

salvador

この男性、 ホセ・サルバドール・アルバレンガさんは魚や鳥を手づかみで獲ったり、亀の血を飲んで生き延びていたそうです。想像力がない人たちにはやはりそんなことは信じられないようで、心身共にボロボロになって生還した彼に疑いの目を向けて質問してくる記者たちが後を絶たないそうです。まあ、ウソだったらウソで十分面白いんですけどね。

さて、話を映画に戻すと、この映画の最大の見どころはラストシーンです。前方に船が通るのに気付いた主人公の男は発煙筒がなくなったのを見ると、発泡スチロールの箱にノートの紙をちぎって入れ、マッチで火をつけます。

火を起こし、煙を立てることで誰かに気づいてもらおうとするのです。しかし炎は思った以上に燃え上がり、ついにはゴムボートまで燃やしてしまい男は絶体絶命の危機に立たされます。

それからの映像と展開があまりにも美しく、神秘的で奇跡を感じさせずにはいられませんでした。そして最後を長引かせることなくスーッとエンディングロールに移る演出も最高でした。今後もJ・C・チャンダー監督に注目していきたいです。

コメント

  1. みー より:

    『スパイ・ゲーム』おなしゃす!(笑)

    • 映画男 より:

      みーさん
      昔に見た映画ですが、もう一度見てみます。少しお待ちくださいね。