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映画17歳のネタバレと感想

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この記事は 約4 分で読めます。

ピチピチした若い女の子が好きというおっさんたちに贈る大人のフランス映画。色っぽいです。80点(100点満点)

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映画17歳のあらすじ

パリの名門高校に通うイザベル(マリーヌ・ヴァクト)は、バカンス先で出会ったドイツ人青年との初体験を終え、数日後に17歳の誕生日を迎える。パリに戻ったイザベルは、SNSを通じてさまざまな男性との密会を重ねるようになっていた。そんなある日、ホテルのベッドの上で初老の男ジョルジュ(ヨハン・レイゼン)が発作を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう。イザベルはその場から逃げ……。

シネマトゥディより

映画17歳の感想

危険なプロット」「彼は秘密の女ともだち」「17歳」「婚約者の友人」「2重螺旋の恋人」「グレース・オブ・ゴッド告発の時」などの作品で知られるフランソワ・オゾン監督の官能ドラマ。

いやあ、色っぽいです。男なら監督についつい「あざーす」と言いたくなる映画です。おそらくオゾン監督は最近街を歩くたびに言われてるんじゃないかと思います。

監督本人は「わかったからわかったから、もうそんなのいいからいいから」という気持ちでいるのかもしれないですけどね。作った本人からしたらただの色物映画として扱われるのは不本意だろうから。

そう、この映画のすごいところは色っぽいだけで終わっていないところです。なぜ17歳の普通の女の子が急に自ら売春をするようになったのか、彼女は一体どんな気持ちだったのか、という点を考えさせられるからです。

主人公の考えや心境を全て説明してしまう幼稚なハリウッド映画と違って細かいシーンやセリフから視聴者が登場人物の感情を読み取っていく努力をしないといけないのです。いってみれば中級者から上級者向けの映画なのです。

主人公のイザベルは初体験を終えたときから、男に対して、あるいは物事全般に対して一種の冷めた感覚を持ち続けていました。バカンス先で知り合ったドイツ人青年と別れるときも泣きもせず、車の中からは振り向きもしません。学校生活の中でもクラスの男子には目もくれず、全く相手にしません。

そんな中、自分の意志で売春を始め、ホテルで男たちと次々と密会していきます。自らエスコートサービスのホームページに宣伝をして、1回300ユーロから500ユーロものお金を稼いでいきます。

客と会っているときも終始無表情で決してそれを楽しんでいるといった雰囲気もなく、淡々と仕事をこなしていく姿には、崖っぷちに立たされ、何かの目標に突き進んでいくかのような悲壮感すら感じさせます。

そのうちイザベルのことを気に入った初老の男ジョルジュがリピーターになり、度々イザベルをホテルに呼び出すのですが、初めてイザベルが相手に、男になんらかの感情を見せたのがこの初老でした。もしかしたらイザベルは少し彼のことが好きになっていたのではないかとも思いました。

イザベルは実の父親が離婚して側におらず、家には母親の旦那で自分の継父に当たる男性がいるため、父性愛に飢えていたとも考えられます。

売春していたことが家族にばれて後に精神カウンセラーを受けさせられたとき、ジュルジュについて「彼だけは自分のことをちゃんと見てくれた」といって涙を流していたのがひっかかりました。やはりどこかに自分は世間から無視されている、愛されていない、といったわだかまりがあったのかもしれません。

話の流れとしてはおおまかに初体験>売春>ジョルジュの死>精神分析>回復への過程を描いていました。ただの不幸な話、あるいは幸せな話で終わらせないところが見事で何度も意表をついてくるのが嬉しいです。「色っぽいだけで終わっていない」と言いましたが、80点中の70点はベッドシーンに捧げた点数です。

数あるベッドシーンの全てに違うシチュエーションを作り、バリエーションを加えたアイデアはAV監督も見習うべきです。特に色っぽいなぁ、と思ったのは髭を生やした客とロビーであってちょっと話をしてから、エレベーターに乗って、部屋まで行くシーンです。

これから見知らぬ相手となにが始まるか分からないあの緊張感といったらないです。自宅でこっそり一人で見るのをオススメします。

コメント

  1. tobo より:

    私はそんなにエロいとは思わなかったけど(笑)。売春がばれてお母さんとカウンセラーと会う事になって、「行為中はまったく面白くないんだけど、また次はどんな人でどんなことするのかと思うとドキドキする」ような事を言ってたと思うんですが、ああこれがエロの真髄なんだろうなと、妄想しちゃいました。

  2. hasebitch より:

    女性目線で見ていると、あるある場面が散りばめられていたので主人公に共感が持てました。さらに、いろいろ考えさせられるし、終わり方もとても好きです。たしかにエロいですが、アイズワイドシャットほどではなかったですね。あれは焦らされまくりで、ホテルに駆け込みたくなる率1000%です。

  3. ちー より:

    これ、すごく良かったです!
    ヒロインがあれだけ美しいと直接的なベッドシーンももはや芸術ですね。
    仰るように見てる側の想像通りに行かず、何度も小さな裏切りを見せてくれるのもよかったです。
    そして、ラストのシャーロットランプリングの登場には痺れましたw
    若いことが全ての勝者ではない事をヒロインに知らしめたカッコ良すぎるラストでしたー。