田舎を舞台にした嘘っぽい夫婦ドラマ。演技もストーリーもひどいです。17点(100点満点)
きいろいゾウのあらすじ
周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ天真爛漫(らんまん)な妻の“ツマ”こと妻利愛子(宮崎あおい)と、背中に入れ墨のある売れない小説家・“ムコ”こと無辜歩(向井理)は、出会ってからたちまち結婚。
二人とも互いに言えない秘密を抱えていたが、至って平穏な日常を送っていた。そんなある日、ムコに差出人不明の手紙が届いたことから、二人の関係にさざ波が立ち始め……
シネマトゥディより
きいろいゾウの感想
「100回泣くこと」、「娚の一生」、「彼女の人生は間違いじゃない」、「さよなら歌舞伎町」の廣木隆一監督によるリアリティーゼロの人間ドラマ。
生き物と話ができる不思議ちゃんの妻と、実態のない生活を送る夫のエセ田舎生活をつづったメルヘンな女性向けの恋愛ドラマ。夫婦の会話が寒く、異次元のセリフの連発で見ていてつらくなる一本。
日本のひどい恋愛映画のお手本のような代物です。ひどい日本の恋愛映画には必ず共通点があります。
1、金持ちでもないのに主人公は大きな家に住んでいる。
2、なんの仕事をして生計を立てているのかはっきりしない。
3、泣かなくてもいいところで突然男女が泣き出す。
4、男はとにかく寛容で優しくて、女はとにかく感性豊かな不思議ちゃん。
まずこの映画の主人公の二人は役作りができていません。田舎の山奥で畑を耕しているようにはまったくみえず、どこかポップでオシャレなのです。
他の登場人物ももっと素朴で、方言をちゃんと使える俳優を使えばいいのに、有名人俳優を使わないと勝負ができないという監督、プロデューサーのびびり加減がキャスティングに表れていました。
日本の脚本家や映画監督は、欧米の映画でロマンチックなセリフが当たり前に使われているから、それをそのまま日本映画にも取り入れてもOKだと思っているふしがあります。
欧米の場合は普段からロマンチックな言葉やお世辞を言う土壌があるから、それを映画の中で使ってもよっぽど臭くないセリフでない限りまだ許されるけれど、日本映画でそれをそのままやったらただの「そんなこと誰も言わねえよ」映画になってしまうのです。この映画に出てくる背筋の凍るセリフの数々はなんなんでしょうか。
1、「妻は泣くんです。丸一日、涙が枯れるまで」
2、「うち満月が怖いねん」
「月は欠けていってるから大丈夫ですよ。結婚してください」
3、「背中の鳥が羽を広げようとしたんです」
こんなセリフはイタリア人か、もしくはイタリア国籍を取得した日本人しか言ってはいけません。もし普段からこんなことを口にしているような人は今すぐイタリア大使館に走って行ってください。
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