英国王が頑張って文章を読み上げるだけのストーリーに民衆がキャーキャーいう話。41点(100点満点)
英国王のスピーチのあらすじ
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケ ル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。
ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家 ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。
(シネマトゥデイより)
英国王のスピーチの感想
「レ・ミゼラブル」、「リリーのすべて」でお馴染みのトム・フーパー監督によるアカデミー賞作品。
どもり王様のがんばってる姿を描いているだけのなんてことのない平凡な一本。最後まで見れるけど、込み上げてくるものがなかったです。
つまらなくはないけど、さほど特別でもないって感じでこれで王様のベッドシーンでも入れてくれればエキサイティングになるんでしょうが、監督はそこまでの勇気がなかったようです。
映画の中で先生と生徒、師匠と弟子、カウンセラーと患者などの設定がある場合、必ず両者は映画中盤で喧嘩別れをします。
そして終盤にまた仲直りをして再び二人三脚で歩き出し、その勢いに乗って映画自体も盛り上がるというパターンがあり、今回もその枠にすっぽりはまっていました。わざわざケンカさせないとストーリーにアクセントを付けられないショボ監督が用いる手法で、こういう部分に幼稚さが感じられますね。
王様のどもり具合も実際はどのぐらいだったのかが分からないからコリン・ファースの演技が上手いかどうかも分かりません。
映画の中ではうまくできていたラストのスピーチも実際はラジオの音質の悪さも手伝って何を言ってるのか国民はまったく理解できなかった、なんてこともあったかもしれません。「なんだかよくわからなかったけど、昨日王様いいこと言ってたよね。まじ感動したんだけど」とか若者たちが話題に上げたりしてね。
スペインに住んでいたときに、日本人でどもりのひどい友人がいました。その人はとにかく口を開くたびに言葉につまるような人で、どもり具合で言ったらこの映画の王様なんかの比じゃないぐらいでした。
そんな男がなにを勘違いしたか、ある日スペインで日本語教師の職に就きました。それでしばらくしてから彼の生徒たちと一緒に遊んだときに日本語で話しかけてみたら生徒たちもやはりどもり口調になっていましたよ。どもりがあると王様にはなれても語学の教師になるのは厳しいんでしょうか。
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