カーク・ジョーンズ監督による冷たい家族ドラマ。後半急激にリアリティーを失う作品です。51点(100点満点)
みんな元気のあらすじ
妻に先立たれた老人のフランクは、毎年自分の家にやってくる子供たちを楽しみに待っていたが、今年は全員が来るのをやめてしまう。シ
ョックを受けるフランクだったが、直接子供たちと話をするために、自分が彼女らの元に向かおうと決心する。だが、この行動によって、それまで秘密にされてきた子供たちの真の現状が明らかになる。
wikipediaより
読者のカイさんのリクエストです。ありがとうございます。
みんな元気の感想
ロバート・デニーロ主演の家族ドラマ。序盤から終盤までアメリカの冷え切った家族関係を絶妙に描き、ラストで一気に質を落とす、あともう一歩の映画です。
物語は、ロバート・デニーロ扮するフランクが自分に会いに来てくれない子供たちをみかねて、自ら電車やバスを乗り継いでアメリカ各地に住む彼らに会いにいくところからスタートします。
しかしいざ娘や息子と再会してもそっけなく歓迎もされない。昔から子供たちは生前の母親にならなんでも話していたが、自分には何も大事なことは打ち明けてくれないことに気づきます。
フランクは3人の子供とは会えたが、結局芸術家のデイヴィッドとだけは会えず、彼の様子が心配になります。そんな中、実は他の3人はディヴィッドのある秘密を父に隠していたのだった、というのが物語りの展開です。
まず他のハリウッドファミリードラマとこの映画が違うのは家族がやたらと冷たいところです。家でみんなで集まろうといってもドタキャンしてくるし、いざ電車に乗って会いにいっても長く滞在されると困るみたいな顔をされます。あの辺のドライな関係はアメリカの家族の雰囲気をとてもよく表していましたね。
ただ、愛している、愛している、と言うだけの関係じゃないのがむしろ自然です。家族なのにどこか他人行儀で、母のほうは好きだけど、父は苦手なんていうのはよくあることで、そういう家族間の愛憎の描写は多くのアメリカ人監督が失敗している部分です。この映画はイタリア映画のリメイクなので、それもあって上手くできたのかもしれません。
妻を亡くした老人のフランクが一人旅のように子供たちに会いに行く過程はとても切なく、家族よりもむしろ旅の途中で出会う見知らぬ人たちのほうが自分に親切にしてくれる、という皮肉もよかったです。
3人の子供と会ってもなんだか煮え切らないままフランクは家に帰ろうとしますが、帰りの飛行機の中で発作を起こし、病院に運ばれます。目覚めると、そこには3人の子供たち。ここから映画の質が一気に急落です。
まず、今までそっけなかった子供たちが態度を急変させ、目を丸くさせ、愛らしい表情で父親と接し始め、あろうことかもう一人のフランクの子供デイヴィッドは「死んでしまったんだ」などと告白を始めます。
父親が気難しくて、話しづらいのは分かるけど、家族が死んでるのにすぐに報告しない意味が分かりません。葬式はどうなったんだ?と言いたくなります。
そこからはもう感動、感動、感動の演出の嵐で、フランクが死んだ妻の墓の前で天国にいる妻に話しかけたりと恥ずかしくなる一方です。だから妻の墓より、最近死んだ息子をまず墓に埋葬してあげなきゃでしょ、と思っては集中できませんでした。
トドメはフランクが亡くなった息子デイヴィッドの描いた絵をギャラリーに見に行くシーンです。もう全部売れてしまいましたと言われ、引き返そうとすると、まだ残っていましたと店員が外までフランクを引止めに来ます。
作品があるんだったら最初から言えよっという感じですが、そこはいいとしましょう。いざ、ギャラリーの店員が見せた絵画がひどいのなんのって。あのシーンこそがこの映画のオチに違いありません。
コメント
小津安二郎の東京物語を少し思い出しました。
あれは夫婦で子供を訪ねる物語だったはず。最近リメイクした「東京家族」のほうはどうなんでしょうかね。
mamarinさん
コメントありがとうございます。小津ファンの外国人監督は多いのでインスピレーションを受けた可能性はありますね。
感想書いた人馬鹿?
子供達がキャンセルしたのは、兄弟が亡くなってその事で大変だったからでしょ。
お父さんに言えなくて子供達がよそよそしかった。
冷たい訳じゃない!
長女が偶然装って紹介した男友達は、彼女の恋人。お父さんに会わせたかった。
画廊の女性、名前だけでわからなかったごめんなさいと言ってたでしょ。
あの絵、お父さんが電線の仕事をしていたから、それを描いた。
あなた、映画見る資格無いね。
あー残念
この批評読みたくなかった
よく映画を見て整理するためにもあらすじサイトを見ますが、あー残念
十人十色、それぞれ感想はありますが、嫌な批評を見てしまったなあ、と会う感じ。
映画なんだから、そんなさめためで見ないでも良いじゃん