ジョシュア・マイケル・スターン監督によるアップルの創業者スティーブ・ジョブズの伝記もの。これを見ても彼のことがほとんど分からないです。41点(100点満点)
映画スティーブ・ジョブズのあらすじ
誰からも天才と認められるも、周囲との衝突が絶えないスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)。
既存の組織に所属するのに向いていないと悟った彼は、自分のような友人らと自宅ガレージをオフィスにしてアップルコンピュータ社を設立する。
革新的な商品を次々と放ってはヒットさせ、たった4年で株式の上場に成功、IT界の寵児(ちょうじ)となるジョブズ。
しかし、意見の相違がある社員は問答無用で解雇、創立時メンバーを冷遇するなど、独善的な言動を繰り返すように。その果てに、彼は自身の会社から追放されてしまう。
シネマトゥディより
映画スティーブ・ジョブズの感想
ガレージから起業、起業から成功、成功から転落、そして復活までを描いたサクセスストーリーで、面白くもつまらなくもない普通の一本。
もうひとつダニーボイル監督による同名の「スティーブ・ジョブズ」という映画があるからややこしいったらないです。
描き方がかなり荒かったですね。スティーブ・ジョブズを追っているかと思いきや、実はアップル社の経営にフォーカスしちゃっています。
プライベートのことはほとんど触れず、スティーブ・ジョブスがどんなご飯を食べて、どんなところで遊び、どんな人たちと付き合っていたのかも見れませんでした。できれば株価が上がって家でニヤニヤしているスティーブ・ジョブズの姿とかが見たかったんですけどね。
物語の9割は社内で進行します。仕事に情熱を捧げてきた人間の一生なんだからそれは普通といえば普通でしょう。
ただ、スティーブ・ジョブズが商品開発や経営について他の社員と衝突しているシーンばかりを視聴者が見たいかというと疑問に思います。もっと面白エピソードなんかを織り交ぜればよかったんですけど、見終わった後は、「スティーブ、なんか知らないけど、怒鳴ってたねえ」ぐらいの印象しか残りません。
スティーブ・ジョブズが残した功績については今更なにも言う必要はないでしょう。ただ、人間としてはどうだったのか、というのが知りたいですね。
劇中でプライベートについて触れたのは、スティーブ・ジョブズが学生時代の恋人を妊娠させておいて、彼女に妊娠を告げられると、そんなの俺の子供じゃねえよ的なことを言って、彼女を追っ払ってしまうシーンぐらいでしょうか。
娘が誕生した後もスティーブ・ジョブズは長年認知せずに無視し続けたという最低なことをやってのけています。ちなみにスティーブ・ジョブズは大金持ちになったのに対し、その娘と娘のお母さんである元彼女は生活保護を受けて生きていたそうです。
娘の名前がリサで、スティーブ・ジョブズが立ち上げた次世代パーソナルコンピュータのプロジェクト名もLISAっていうのはあまりにも皮肉でしたね。
そんなやり逃げ男なら、若気のいたりでもっと滅茶苦茶したことがあるはずです。ただ、誰もそこには触れず、結局時間が経てば経つほど彼の人生は美化されていくでしょう。
そういえばこの映画は結婚にも触れておらず、リサ以外の子供もほとんど出てきません。おそらく監督は商品開発に対するスティーブ・ジョブズの情熱とアップル愛だけで映画としては十分だと判断したんでしょう。
そんな映画はそれこそスティーブ・ジョブズを尊敬してやまない、アップル製品を愛してやまないという人だけが見ればいいと思います。ウィンドウズよりマッキントッシュを使うほうがオシャレだと思っている人、履歴書の趣味の欄に「アート」と書いたりする人が見ればいいと思います。
コメント
2015年版のスティーブジョブスの映画がやるみたいですね。
監督が「スラムドッグ・ミリオネア」のダニー・ボイルで、
主演は「SHAME -シェイム-」のマイケル・ファスベンダーとありました。
もしブラジルで公開されたら、感想をお願いします。
ビル・ゲイツ派さん
コメントありがとうございます。見る機会があったらここで紹介しますね。