リベラーチェの元恋人スコット・ソーソンが書いた伝記を基にした同性愛エンターテイメントムービー。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの男同士の絡みのシーンが強烈です。53点(100点満点)
恋するリベラーチェのあらすじ
素 晴らしいピアノ演奏と派手なパフォーマンスで人気を誇るエンターテイナー、リベラーチェ(マイケル・ダグラス)は、1977年の夏、スコット(マット・デ イモン)と出会い、互いに恋に落ちる。リベラーチェは整形とダイエット食品でスコットを理想的な姿に変貌させ、幸福で満ち足りた日々を送っていた。しか し、そんな二人の関係に亀裂が生じ始め……。
シネマトゥディより
恋するリベラーチェの感想
「マジック・マイク」、「サイド・エフェクト」、「ローガン・ラッキー」、「エージェント・マロリー」、「ガールフレンド・エクスペリエンス」 など最近なにかと話題作を提供しているスティーブン・ソダーバーグ監督による同性愛ドラマです。
ストーリーはリベラーチェとスコットとの出会いと別れまでをリアルにそして淡々と追っていくだけです。
一見、リベラーチェの生涯を描いているようで、実は主役はリベラーチェの愛人スコットのほうですね。
若者のスコットが60歳手前のリベラーチェと出会い、華やかな生活に飛び込んでいく過程がアメリカンドリームそのもので、また年月が経ってリベラーチェに飽きられ捨てられるところなんかも予想通りの展開ですが、いかにもありそうな栄光と転落の物語に仕上がっています。
なんとなく雰囲気に「ブギーナイツ」を彷彿させるものがありました。リベラーチェの勧めで、若者のスコットがどんどん怪しいダイエットや整形手術に手を出していき、顔が変化していく下りが見ものです。
手術のシーンもリアルだし、痛そうな感じが出ていましたねえ。このスコット・ソーソンはアメリカの色々なTV番組でインタビューに応じていて、整形やリベラーチェとの関係について赤裸々に語っています。
この映画がリリースされるときにもやはりTV番組に出演し、感想などを述べていました。
有名人と付き合うことで、自分のステータスを上げ、またその人との関係について喋ったり、本にしたりして生きていく、という生き様というのもたくましいですね。
映画の中では触れられていませんが、スコット・ソーソンはマイケル・ジャクソンとも関係を持ったことがあるうえ、整形外科医をマイケルに紹介したのも自分だとインタビューで話しています。どんだけ有名人好きなんだよ、って感じですね。
同性愛者のピアニスト、リベラーチェはマイケル・ダグラスが演じていました。作りこんだ喋り方やメイクで顔を変えていたからかマイケル・ダグラスだということに気づくまで結構な時間がかかったほど怪演でした。
リベラーチェ本人が出演しているピアノショーの映像も出回っていて、それを見てみると、話し方や仕草もかなり似ています。
なにより仕事とはいえマイケル・ダグラスとマット・デイモンがブチュブチュにキスをしたり、裸で愛撫し合ったりするシーンには普通の男の感覚だと、気持ち悪いだけに「よくやるなぁ、プロだなあ」と思えます。
スコット・ソーソンがリベラーチェの下で働きだしたのは17歳のときだったというから、冷静に考えると金持ちのスケベじじいが若い男の子に長年いたずらをしていた話です。
今やったら事件になりそうなもんだけど、当時はそんなことも問題にならなかったのかもしれませんね。有名人と大恋愛をして、長年一緒に生活してたのに別れるとすぐ訴訟を起こす、という流れがいかにもアメリカです。
リベラーチェほどの大金持ちの遊び人がなぜスコット・ソーソンにあれだけ入れ込み、養子にまで迎えようとしたのかが理解できませんでした。
なにかあったときに財産を持っていかれるようなことをわざわざするなんてアホですねえ。どれだけ経験を積んでも、恋愛だけはやっぱり学習できないんですかね。
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