なんとなく正義の味方っぽい主人公が友人のために復讐を果たし、俺いいことしただろとドヤ顔をする映画。はっきり言ってくだらないです。11点
ビーキーパーのあらすじ
退職した教師のエロイーズ・パーカーは田舎で孤独な生活を送っていた。彼女の家の納屋にはミツバチの飼育に没頭するアダム・クレイが住んでいた。二人はお互い助け合って生きていた。アダム・クレイにとってエロイーズは恩人であり、唯一の友人だった。
そんなある日、エロイーズが電話を通じてフィッシング詐欺に遭い、彼女が運営する慈善団体から200万ドル以上を含む貯金を全て失ってしまう。絶望したエロイーズは自殺を図る。
たまたまその日に彼女の家を訪れたアダムがエロイーズの遺体を発見、そこに居合わせたエロイーズの娘でありFBI捜査官のヴェロナ・パーカーに犯人と間違えられて逮捕されてしまう。釈放された後、アダムは「ミツバチ飼育者’(ビーキーキーパー)」と呼ばれる謎の組織に連絡し、加害者を見つけ出し、エロイーズの復讐を決意する。詐欺グループの後を追っていくうちにしかしアダムはその背後に巨大な権力が隠れていることに気づくのだった。
ビーキーパーのキャスト
- ジェイソン・ステイサム
- エミー・レイヴァー=ランプマン
- ジェレミー・アイアンズ
- ジョシュ・ハッチャーソンボビー・
- ナデリ
ビーキーパーの感想と評価
「スーサイド・スクワッド」、「フューリー」などで知られるデヴィッド・エアー監督によるおバカアクション。「そんなバカな」な展開で溢れるお子様向けのドンパチ映画。ヒットしたことが信じられない低クオリティーの作品です。
キャスト、ストーリー、演出、アクションのいずれにおいてもB級っぽさが漂っていて、あまりのリアリティーのなさに漫画が原作なのかなとも感じるほどです。マジの犯罪ドラマというより、エンタメだけに力を入れた、細かいところは目をつぶりましょう的な話になっていて主人公がたった一人で犯罪組織に立ち向かっていくという点においてはランボーとかに近いですね。
ジェレミー・アイアンズとかミニー・ドライヴァーとかちらほら有名俳優が出演しているものの、B級俳優たちと一緒に仕事をしているせいか彼らまで下手に見えてしまうほどの相乗効果が出ていて、なんだかせつなくなりました。こんな作品に出演して大事なキャリアに傷がつかないのかなあ。
設定がまた馬鹿らしく、なんでもアメリカにはビーキーパーと呼ばれる凄腕集団の秘密組織があって、その組織の元メンバーの男が実生活でもビーキーパー(養蜂家)をしているんだってさ。そして大事な友人女性がフィッシング詐欺に遭って命を絶ってしまったから詐欺組織に復讐を誓うんだけど、ただ詐欺組織に復讐するだけじゃつまらないから、そこに実は犯罪の組織を操っていたのは大統領のバカ息子で、バックには元CIA長官がついてるんだって。
そんなあまりにも安っぽいファンタジーなスパイスがこれでもかというぐらい映画の質を落としているのが笑えました。汚職を描くにしても設定がガバガバすぎるだろ。そんなスキャンダルを抱えた大統領が呑気にホワイトハウスにいれるはずないだろって。
また、主人公のアダムがたった一人で特殊部隊のメンバー全員を素手で倒したりするのがギャグで、彼には決して銃は持たないというポリシーがあるのか、武装する概念がないみたいで、ガソリンを持って犯罪者のアジトに突入し火をつけたり、昭和のやくざみたいなメンタルなのがさすがでした。秘密組織にいたくせに人に顔を見られることも全然気にしないのまじ受けるんだけど。自分の邪魔をする奴なら警察だろうとFBI捜査官だろうと殺しまくりだしもはや正義の味方ですらないじゃん。
それに対し、現役のビーキーパーの女が紫色の髪の毛にテカテカのジャケットを着てハイヒールでジープにマシンガンを積んで現れたのには爆笑しました。秘密組織のメンバーがどいつもこいつも目立ちたがりって教育が行き届いてないじゃん。
おそらくマジでこんな映画を見る人はいないでしょう。ジェイソン・ステイサムが暴れているところが見たくて仕方がない人が半笑いで見る映画ですね。ただ、それにしても質が低いわ。登場人物はアホばっかりだし、ストーリーと蜂、なんの関係もないじゃん?
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