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大統領の料理人はフランスのフードポルノ!感想とネタバレ

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男たちがおばちゃん料理人をよいしょばかりしている太鼓持ち映画。料理が美味しそうという以外、ほとんど見どころがなく、とりあえず小さな興行成績を確保することが目的の味気のないフランスドラマ。44点(100点満点)

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大統領の料理人のあらすじ

ある日、フランスの田舎でこじんまりとしたレストランを経営するオルタンス(カトリーヌ・フロ)のもとにフランス政府の公用車がやって来る。

彼女はパリ中心部にあるエリゼ宮殿と呼ばれる大統領官邸へと招かれ、フランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフに任命されたのだ。だが、これまで女性料理人が いなかった男社会の厨房ではオルタンスはよそ者でしかなく……。

シネマトゥディより

大統領の料理人の感想

クリスチャン・ヴァンサン監督によるフランスのフードポルノ映画。

日本のTV番組もそうですけど、なんでもかんでも料理のコーナーにすれば無難に視聴率が確保できるだろうというあの魂胆が嫌いです。

大ヒットはしないけれど、そこそこは売れる、これで入ってきたお金で家族の住めるマンションの頭金にしよう、という堅実派のプロデューサーが作っているに違いない作品です。大きな勝負には出ていない、スケールの小さい映画ともいえます。

ある日、突然、推薦で大統領のシェフになった肝っ玉おばさんルタンスの話ですが、なぜ推薦されるまでに至ったのかがまったく描かれていなく、むしろ大統領のシェフを辞めてからの時期にスポットを当てていたりします。

恋愛映画でいうところの、出会いから恋に落ちるところまでを描いたのではなく、離婚後のことに焦点を当ててるのと同じで、南極の基地で周囲から厚い信頼を受けていたところを見せたところで、白々しい印象しか与えられません。

大統領の料理人にまでなったようなすごい人が、南極の小さな基地で働いてたなんて謙虚だろう、すごいだろう、と言いたいのでしょうか。

基地の男たちのルタンスに対するごまのすり方が気持ち悪かったですね。あのおばちゃんの性格からしたら本人はあんなこと望んでいないでしょ。

そもそも本来、キッチンの中、つまり裏方にいるはずの料理人をもてはやし、表舞台に引っ張り出してきて、タレント化してしまうことに抵抗を感じます。

本当の職人ならひたすら自分の作品作りに没頭していればいいのに、カリスマ料理人とか名乗ってTVに出てくる奴の料理なんて食べたいと思いませんけどね。

ルタンスのモデルとなったダニエル・デルプシュは南極、ニュージーランドの他にアメリカにも住んでいたそうです。フランス料理や食材の普及を信念に世界を転々としていたのでしょうか。それとも放浪癖があるのか。

一人身なのか男はいたのか。劇中では料理ばっかり映して彼女のプライベートなことや人生哲学についてはほとんど触れていません。そのため観賞後は、大統領府の無茶振りに耐える女、という絵しか頭に残りませんでした。

コメント

  1. mamarin より:

    基本的に食べ物の映画って好きですね。本でも池波正太郎のエッセイは美味しそうに書かれている。
    料理を作る過程や難しい事を除いても好き。
    粋な感じがするからかしら?
    私は若い頃に料理に縁がある仕事をしていました。
    自分が栄養士とかではないのですが食品メーカーの宣伝をしていた会社に所属していました。色々な有名な料理の先生を見ましたね。
    それに若い頃お世話になったアメリカの日本人の方の伴侶の男性がフランス人のかなり優秀なシェフでアメリカのレストランに招かれて料理を作ってる人でした。そのおうちは奥さんが親切にしてくださり色々ご馳走してくれました。フォンドボーの出汁で醤油味のうどんなど作って食べたり多彩でしたね。そのおうちのは美味しかったですよ。その時の私の仕事はベビーシッターでした。(w)
    おまけに貨物で旅行したので日本に帰る時は船の料理長がいるのですがフランス人で女性でしたね。英語があまり喋れない私は質問などできませんでしたが料理の味は毎晩ステーキばかりで(アメリカ人好み)へきへきでしたし、たまに出たシーフードシチューは味はよいのですがパンを敷いた皿の上にバターライスを乗せてこれでもかと言うぐらいホタテと海老がシチューに入っていて見栄えが悪く残飯を連想していたので味どころでは無かったです。(パンの上に米を乗せないで欲しい(TT)でもちゃんと毎晩今夜のワインや夕飯の説明をしに来てくれたりテーブルに顔を出してくれました。

    だから懐かしいからこの映画は見たい気がしますね。

    • 映画男 より:

      mamarinさん
      コメントありがとうございます。やはり料理ものは女性受けがいいですよね。料理をするときのモチベーションにもなるからでしょうか。
      旅の思い出がよみがえってくる映画というのはいいですね。この映画を見たら、感想も聞かせてください。

  2. berliner1989 より:

    こんにちは、はじめまして。たまたまこのブログ発見しまして、お邪魔しています。

    ずっとこの映画見たくて、ようやく見た次第です。 自分は料理好きで、非常にクリエイティブな作業だと思っています。 この映画の予告を見て、ずっと見たかったわけですが。 わりと評価高めなコメント多いなか、貴方のご意見、ご指摘がめずらしかったもので、つい感想を書きたくなりました。

    料理のシーンはよかったです、料理のシーンだけはね。  プロとして当然の努力もかいまみえましたし。
    そして、過去を振り返るという手法はわかりました。 なぜ彼女が抜擢されたのか、そのあたりがスルーされていても、目をつぶります。 ただそうなると、彼女の人生や料理に対する哲学を無視しては、ストーリー全体が納得いくものにならないんですよ。 自身を料理のプロと呼ぶのなら、ではどこへ向かうのか?とか。

    辞めたのもよくわからなかった。 コストの件でたたかれたと。 でもね、いまやどの組織もコストカットですよ。 しかもこの方新参者でしょう、そもそも。 もといたシェフたちが受け入れないのも悪いかもしれませんが、自分も歩み寄ればいいじゃないですか。 持ちつ持たれつの関係になって、味方つくって、のしあがると。 大統領の体調の観点から、栄養士がつくのも不思議ではない。 そこらへんすべて無視して、やりたいことやる、ってんなら、やはり長期的に、あの人に言われちゃしゃーないわ、という関係性、信頼性を、スーシェフ以外とも構築すればいい。 この程度で逆境て、甘いの一言ですし、いやいや本当に辛かったんですって!というのなら、もっとそれを丁寧に描くべきな気がしました。

    以上、私の単なる意見でございます。 失礼致しました。
    今後も率直な分析、楽しみにしております。 では!

    • 映画男 より:

      berliner1989さん

      コメントありがとうございます。本当に哲学とかがざっくり抜けていましたね。残念な映画でした。