地面師たちは面白いけど現実味なし！ネタバレ感想

そこそこ楽しめるけど、もったいない箇所が多々ある日本のドラマシリーズ。まあ見て損はないです。59点

地面師たちのあらすじ

辻本拓海はかつて地面師に騙され、父が経営していた会社が甚大な負債を負ったことで、父親が家に火をつけて一家心中するまでに追い込まれ、母と妻子を失った。そんな辻本は自暴自棄になっていたとき、地面師グループのリーダー・ハリソン山中にスカウトされて、今度は自分が地面師になって人々を地獄に陥れる側に回る。

辻本は、司法書士やなりすましの地主を引き連れて土地売買の交渉役として席に着き、億単位の大型契約を交わしていった。やがてハリソン山中が目を付けたのは、港区にある時価総額100億は軽く超える光庵寺の土地だった。その土地売買の話を大手不動産企業「石洋ハウス」に間接的に持ち掛け、彼らは一世一代の勝負に打って出るのだった。

地面師たちのキャスト

• 豊川悦司
• 綾野剛
• ピエール瀧
• 小池栄子
• 北村一輝
• アントニー
• 染谷将太
• リリー・フランキー

地面師たちの感想と評価

「モテキ」、「恋の渦」、「バクマン。」、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」などで知られる大根仁監督によると犯罪ドラマシリーズ。「積水ハウス地面師詐欺事件」をモチーフにしたエンタメ重視のNETFLIX作品です。

プロの詐欺師たちを中心にインテリ詐欺犯罪をエキサイティングに見せることに成功していて、日本のドラマの中では数少ない、最後まで見れるレベルに達しているシリーズといえそうです。お金もかかっているし、キャストのチョイスも良く、それぞれのキャラクターも個性的で、豪華な漫画の実写化ドラマを見ているような感じでした。特に契約までにこじつける交渉シーンは見事でハラハラドキドキの緊張感があって楽しめました。

その一方でリアリティーに欠けるのが問題ですね。リアリティー重視の視聴者にとっては突っ込まずにはいられないシーンが多々あったんじゃないでしょうか。せっかく「積水ハウス地面師詐欺事件」という実際の事件をモデルにするなら、もうちょっとそっち寄りのゴリゴリのインテリ詐欺物語にすればよかったんですよ。

変に殺人とかを絡めすぎて詐欺集団どころか秘密結社とか諜報機関レベルのことが次々と行われるのが笑えます。なんであんなに人が死んでるのに誰も捕まらないんだよって。インテリ犯罪者たちなのにいざとなったら銃やナイフを使ったりして頭じゃなくて結局はフィジカル頼りになるのもバカですね。頭脳犯じゃなくて実は筋肉脳っていうね。

辻本拓海の家族を失ったというバックストーリーもあんまり効いてなかったです。ハリソン山中との師弟関係から裏切り、復讐といった展開があまりにもチープで、なんであんな不必要な設定を加えたのか謎でした。根っからの犯罪者たちの集団でいいのに、辻本拓海だけ被害者、あるいは善人ぶるのが寒いし、警察まで彼に同情しているのが意味不明でした。

ラストも石洋ハウスが罠にかかったことに気づいて終わりでよかったんですよ。なんであの後、メンバーが殺害されたり、辻本とハリソン山中がやり合ったりするんですか？　全く必要ないじゃん。　詐欺が成功してめでたしめでたしでいいのに挙句の果てには銃をぶっ放して手榴弾まで投げ出してたからね。それもあんなに何人も殺した極悪人を捕まえるのに女性刑事がたった一人で突入するとかありえないだろ。警視庁、どれだけ人材不足なんだよ。

また、バイオレンスに比べると、お色気シーンに本気度が足りておらず、最近流行りのインティマシー・コーディネーターがでしゃばりすぎたせいなのか、女性陣が全員洋服着用のまま抱かれていたのが馬鹿馬鹿しかったです。複数プレイまでするぐらいの女なのに頑なに服は脱がないっていう羞恥心の物差しが一体どうなってるのか疑問でした。それならいっそのこと絡みのシーンはカットすればいいじゃん。大人向けにしたいのか、子供にも見せたいのかどっちなのよ。

もうちょっとその辺の細かい点を詰めていって現実味を出していけば世界でも十分に通用したドラマシリーズになっていたことでしょう。そうじゃなしに中途半端にハリウッド映画っぽい演出にしなくていいのにね。まじで日本でカーチェイスとかしなくていいから。道が狭いんだし絵にならないって。あと、ピエール瀧の関西弁と豊川悦司の演技、どっちも下手じゃね？