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マリウポリの20日間は貴重な戦争記録!ネタバレ感想

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約100分間、嘆き悲しむことを覚悟できる人しか見ちゃいけない映画。いい作品だけど、最後まで見るのは相当苦しかったです。60点

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マリウポリの20日間のあらすじ

2022年、ロシアによる侵攻が始まり、ウクライナの取材チームはロシア軍に包囲された都市マリウポリに閉じ込められる。街では行く当てもなく逃げ遅れた人々が建物の地下や体育館に避難していた。建前上ではロシア軍は一般市民は攻撃しないと言われていたが、全くの嘘だった。ロシア軍は住宅や病院に容赦なくミサイルを落とした。犠牲になるのは市民ばかり。

やがてマリウポリでは病院が機能しなくなり、死体の山が道にできた。その様子を監督のチェルノフが20日間にわたって記録していく。それは命懸けの作業だった。

インターネットが落ちたため、撮影した映像は手で持っていくしかなかった。しかし街はすでにロシア軍に包囲されており、チェルノフは人生最大の危機に見舞われる。

マリウポリの20日間のキャスト

ミスティスラフ・チェルノフ

マリウポリの20日間の感想と評価

ミスティスラフ・チェルノフ監督による、ロシアのウクライナ侵攻開始直後の出来事をつづった記録映画。2024年アカデミー賞ドキュメンタリー部門のノミネート作品です。

敵国に侵略された場所にとどまり、20日の間に起きたことをカメラに収めた究極の戦争映画ともいえる内容になっていて、衝撃的かつ怖くて悲しい話です。

上映時間は97分しかないんですが、すごく長く感じました。それは退屈だからというのではなく、辛くてとても見ていられないからです。特に赤ん坊や子供が被害に遭ったのを見せられるのはなかなか精神に堪えますね。じゃあ大人は死んでもいいかよっていうともちろんそんなことはないんだけど、赤ん坊や小さな子供って平和や罪なき人間の象徴的なところがあるからか、そこを容赦なく攻撃してくるところがいかにも戦争だなあという感じがします。

これはロシア軍に限ったことじゃなく、ガザで起きていることを見ても同じですよね。いざ、始まったらモラルもルールもへったくれもないわけで、特定の土地を奪ったり、民族を浄化することしか考えてないというのが分かりますね。中でも産婦人科病院への攻撃は、悪い意味でロシアの意気込みを感じさせるものがありました。

本作で伝えられているロシア軍のやり口はニュースで流れているのとほぼほぼ同じなので、ある意味、「やっぱりね」という意外性のなさすら感じてしまいます。もともと悪い悪いって言われていた奴が、実際本当に悪かったのだから無理もないでしょう。

かと言って、ニュースの報道だけでウクライナの状況が現実感を持って自分に届いていたかというと、そんなことはなく、やっぱりこうしてありのままの映像を一人称目線で見ると目に焼き付くものがありました。つまりドキュメンタリーの醍醐味がそこにあるんですよ。

印象的だったのは、電気やインターネットが遮断されたマリウポリで人々が自分たちの置かれている状況をよく理解できていなかった点です。戦争が起こったことは知ってても、どれくらいやばい状況なのか、中には誰が攻撃してきてるのか分からず、ウクライナ軍の攻撃じゃないかなどと言ってる人もいましたね。情報を遮断され、孤立させられたら懐疑心が増して、そんな心理にもなるんでしょうね。

生きるか死ぬかという緊張状態の中で人々が店を荒らして、盗みを働く姿も悲しかったです。食料とか生活用品ならまだ分かるんだけど、電化製品とか玩具とか盗んでる奴らまでいて、パニックに便乗してる感がすごかったです。ああいう人間の心理、行動って恐ろしいですよね。「今なら盗んでも大丈夫じゃね? iPhone盗っちゃう?」みたいなノリなんですかね。

店舗のオーナーたちにとってはロシア軍に店を攻撃されただけでなく、ウクライナ人たちからも強奪されるんだから誰を信じたらいいんだよっていう話で、あれはメンタルやられるでしょうね。

いやあ、それにしても戦場ジャーナリストってすごい仕事ですよね。仕事中に戦車から砲口向けられるんだから。もうリスペクトしかないです。なにより生きて帰ってきたのがすごいよ。

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