過去作品のオマージュぐらいしか見所がない、平凡なディズニーアニメ。動画配信サービスで見ればいいです。37点
ウィッシュのあらすじ
マグニフィコ王と彼の妻であるアマヤ王妃は、地中海の島にローザス王国を築きていた。ローザスでは国民たちはそれぞれの願いを魔術が使えるマグニフィコ王に託し、彼に叶えてもらうのが慣習だった。マグニフィコ王は毎月国民の前で一つの願いを選んで叶えるというのを儀式にしていた。国民は今回こそ自分の願いが叶えられると期待しては、自分が選ばれなかったらまた落胆するというのを繰り返していた。
優しい17歳の少女アシャの祖父サビーノもそんな一人だった。サビーノは100歳の誕生日を迎えようとしていたため、今度こそ自分の願いを叶えてもらえると期待を膨らませていた。そんな中、アーシャがマグニフィコ王の弟子となるための面接を受けることになる。彼女はマグニフィコに最初こそ気に入られるが、サビーノの願いを叶えて欲しいなどとお願いしてしまい、マグニフィコ王の気分を害してしまう。
マグニフィコ王はサビーノの願いの曖昧さを自分の権力への潜在的な脅威と見なし、叶えることはでいきないと言った。アーシャはそれなら彼の願いを返して欲しいと頼んだが、それも受け入れてもらえなかった。
アーシャは落胆し、自分の願いを星に訴えかける。すると驚くことに、光の玉となって星が空から降りてきた。アシャはそれを「スター」と名付けた。スターの魔法により、アーシャのペットのヤギであるヴァレンティーノを含む森の動物たちが言葉を話すようになった。それを見てアーシャは星の助けを借りて、サビーノの願いを叶えることにするがそれがマグニフィコ王の逆鱗に触れることになる。
ウィッシュのキャスト
- アリアナ・デボーズ
- クリス・パイン
- アラン・テュディック
- アンジェリーク・カブラル
- ヴィクター・ガーバー
- ナターシャ・ロスウェル
ウィッシュの感想と評価
「アナと雪の女王」のクリス・バックとファウン・ヴィーラスンソーン監督による、悪い王様に立ち向かう勇敢な少女を描いたディズニーアニメ。パッとしないプロットにパッとしないキャラクターたちが繰り広げる、夢とマジックと愛に欠ける物語です。
アイデアがない中、しょうがないから作ったという感じのオリジナル作品で、ディズニーの迷走ぶりが出ていました。今回もマイノリティーに配慮してか「ミラベルと魔法だらけの家」同様ヒロインはヒスパニック系にしてあります。
しかしながら特にヒスパニック系の文化をアピールすることはせず、設定や内容は至って普通の王国の話になっていました。そもそももう王国の王様がどうとか、お姫様がどうとかっていうところから脱出しないとダメな段階に来ていますよね。
魔法もそうだけど、いつもディズニーアニメに出てくる要素が被りまくってるから、新作を見ても昔どこかで見たことがあるっていう感覚がずっと付きまとうんですよ。お約束のお姫様ハッピーエンディングストーリーを提供するのがディズニーっていえばそれまでなんだけど、いい加減ヒロインの名前と人種を変えるだけでは新鮮味がないからね。ただ突然全く別世界の話にすると従来のファンが当然取っつきにくくなるという問題も生じるわけで、なかなか厳しい状況に立たされていますよね。
ミュージカル要素がまず微妙で間延びしましたね。歌い出したらほとんど聞いてなかったもん。ありきたりの歌詞とありきたりのリズム。どこかで聞いたことのあるメロディー。名曲を作曲するまで練り込まないと。
本作はウィッシュというタイトル通り、「願い」がテーマになっていて、人々の願いを叶えられるのは王様だけ、という設定のもと、ストーリーが進んでいきます。しかしまたこの「願い」の定義がとても曖昧で抽象的なのがちょっと気になりましたね。
あるときは「願い」が物のように扱われて、人々が自分の「願い」を王様に授けることで、王様がそれを保管し、毎月一つずつ願いを叶えてあげるというまるでくじ引きみたいな扱いになっているんですよ。
そうかと思ったら、その「願い」を王様が自分の身体に吸収すると、パワーアップするというエネルギーのような役割も持っていて、また「願い」が破壊されると、人々が痛み、苦しみを感じるといった意味合いも持っていたりと、なかなかのご都合主義になっていました。
挙句の果てには「願い」を一度王様に預けると、二度と返してもらえないし、内容を変えられないなどという誰得な状況でも国民たちはなぜか素直に王様を信じてるのが笑えました。
そんな王国では王様ただ一人が悪者で、王様VS国民全員という多勢に無勢にもほどがあるバトルが始まり、後半になってくれるにつれむしろ王様が可哀想に思えてきました。あれだけ国民の願いを食べてパワーアップしたはずなのに、案外あっさりと倒されちゃうのもダメですね。
やっぱりヴィランが輝かないとヒロインが光らないんで、もうちょっとスパイスが欲しかったですよね。せめて王妃や家来も極悪にしないと、国民が恐くてとても逆らえない状況にならないんですよ。恐怖政治が行き届いてないし、あんなに簡単に国民が王様に歯向かえちゃうんだから。
「願い」も曖昧なら、王国に魔法を振りまく星ことスターの存在もなかなか中途半端でしたねえ。可愛いキャラにしたかったんだろうけど、キラキラさせたらいいでしょみたいな安易な感じがして、一体スターが具体的になにができるのかがよく分かりませんでした。なぜかスターの魔法のせいで動物が言葉を話せるようになるっていうね。だから何?みたいな。もうちょっとスターの魔法を明確にしないと、期待もできないし、道筋が想像できないもん。
キャラクターもアーシャが存在感が薄いので、それ以外のサブキャラたちももちろんそれ以下の存在感しか発揮できるはずもなく、視聴者が名前を覚えられたキャラが一体何人いたかと言えばほとんどいないんじゃないのかなあ。
かといって王子様を登場させて恋愛要素を入れたとしても救いようがなかったと思います。アーシャに色気がないからね。
やっぱり全体的にマジックを感じられなかったかなあ。もうだいぶ前からディズニーは魔法を失ってしまいましたよね。そもそも公開前からドキドキがないもんね。絶対見たいって思わせるものがないでしょ。これからどんどん人気落ちると思いますよ。
コメント
僕も観に行きましたが、ヴィランについては共感しかないです。どっちかというとアーシャの方が悪者に思えてしまうシーンも結構ありましたね。言語化してくれてありがとうございます!!
すっきりしてもらえてよかったです
確かに、これで100周年記念作品て
ディズニー大丈夫かって心配になっちゃうレベルでしたね。
ディズニー、この映画に全然力入れてなかったですね