ポンコツたちが目の色を変えて躍起になって英雄ぶる、実際に起こった出来事をベースにしたコント映画。普通に見れるけど、色々と突っ込みたくなりました。55点
ノートルダム炎の大聖堂のあらすじ
フランス、パリにあるノートルダム大聖堂。ゴシック建築を代表する建物でありユネスコの世界遺産にも登録されているこの場所には毎日世界各国から多くの観光客が訪れる。特にキリストのいばらの冠などの聖遺物を一目見ようと遠くから来る観光客が大勢いた。
そんなノートルダム大聖堂で2019年4月15日、新人警備員の男性は初日の勤務を控えていた。上司からは警報器からは一瞬たりとも目を離すなと言われた。ひょんなことから彼はその日、ほかの警備員の代わりに遅くまで残業させられることに。妻に帰りが遅くなることを告げると案の定彼女の機嫌は悪くなった。初日からなにかとついてなかった。
そんな中、警報機が発動する。新人警備員はすぐに上司に連絡。しかし上に様子を見に行った警備員は警報機が示す場所とは別の屋根裏に行ってしまい、通報をただの誤報だと勘違いする。その間にも炎は至る場所に燃え移り、まもなくして大聖堂は煙に包まれてしまうのだった。
ノートルダム炎の大聖堂のキャスト
- サミュエル・ラバルト
- ジャン=ポール・ボーデス
- ミカエル・チリニアン
ノートルダム炎の大聖堂の感想と評価
「愛人ラマン」、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のジャン=ジャック・アノー監督による、ノートルダム大聖堂で起きた大規模火災を基にした災害映画。フランス映画だけど、テンポ良く、エキサイティングに仕上げてあってかなり見やすい映画になっています。
演技は悪くないし、お金はかかってるし、群像劇としてそこそこ面白いです。エンタメ映画としてはいいんじゃないでしょうか。
一方でなにか心に残る映画ではないし、一度消化したら終わりの作品ですね。消防士の活躍を英雄っぽく映す感じはハリウッドっぽく、またドラマチックにするばかりにかなりフィクションに傾いています。これをノンフィクションとか、実話とか言っちゃうのは危険なレベルですね。実際の映像を織り交ぜてるので臨場感はあるし、リアルなんだけどこれが全部本当に起きたことだと信じちゃう奴まさかいないよね?
まず、消防隊員が全員美男美女すぎて突っ込みたくなりましたね。パリの消防署ってあんなかわいい子たちが働いてるのかよ。なんならうちの火もぜひ消しに来てよ。
わざとらしく美女たちのお着換えシーンまであるし、消火活動中にも恋愛しだしそうで、違った意味でハラハラしました。
一番嘘っぽいシーンは女の子が避難中に教会の中に戻って、わざわざキャンドルに火をともすシーンですね。あんな緊急事態で自分の娘の手を簡単に話してしまう母親もアホなら、火が付いた教会の中に戻っていくあの子も相当なアホでしょう。大人たちが逃げ惑う中、子供が一人で危険な場所に行くかよって。そしてあのシーンを伏線にしてラストで回収するのやめろよな。しょうもない。
なんかいい話みたいにしてるけど、実際はフランス人がポンコツっていうだけの話です。電気系統のメンテナンスを怠ったり、修復作業員がタバコを吸いながら仕事をしたり、そもそもスプリンクラーがついてなかったり、起こるべくして起こった火災といえるんじゃないでしょうか。事故じゃなくて人災なんだよね。
いつ火事が起きてもいいような状況にしておいて、いざ火がついたらやれ宗教遺産を守れ、やれ人命第一だ、とかそれっぽいこと格好つけていうのやめようよ。災害大国の日本からしたらふざんけんなよって話だと思うよ。予防もメンテもしてないんだからそりゃあいつかは事故るでしょって。
だから僕は結構終始冷めた目で見ましたね。こいつらアホだなあって。宗教だ、キリストだ、神様だ、神聖な場所だっていっておいてお前らが大事に扱わなかったんだろ。パリ市民も本当に大聖堂のことを大事に思ってるなら消火活動を邪魔しないでとっとと家に帰れよ。なんでずっと動画撮ってんだよ。矛盾の塊じゃん。そのくせみんなで一斉に歌とか歌ってお祈りとか捧げちゃうんだから。フランスのコントもなかなかのレベルですよ。
基本ラテン系の国民って仕事はいい加減で、事故事件は未然に防ぐというより、起こってから腰を上げる的なスタンスで生きてるし、謎にポジティブ思考だからリスク回避能力が極めて低いんですよね。大丈夫、大丈夫、悪いことは起こらないからみたいなノリで。また、学習能力もないから何度も繰り返すでしょ。そのうちまた起こりますよ。そしたらまたこういう映画作ったらいいじゃん。
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