エスターファースト・キルはつまらないし設定雑すぎ！ネタバレ感想

なんでそうなるんだよの連続で、なんのこっちゃ分からない設定とストーリーに戸惑うこと間違いなしの映画。これで恐怖を感じることはまずないでしょう。14点

エスターファースト・キルのあらすじ

子供の身体のまま成長が止まった31歳の女性リーナはある日エストニアの精神病院で警備員たちを殺害し、脱出する。リーナはその日精神病院を訪れていたアートセラピストの車の中に隠れ彼女の家まで行く。そこで彼女も殺し、パスコンを使って行く不明者情報にアクセスする。その中にエスターという名前の自分と似た少女がいることを知り、彼女になりすますことを思いつく。

しばらくするとアメリカのコネティカット州ダリエンに住むオルブライト家のもとにある一報が届く。行方不明になっていた娘のエスターが見つかったというのだ。母親のトリシアはモスクワのアメリカ大使館にまでエスターを迎えに行くもすぐに彼女が本物ではないことに気づく。しかし父親のアレンは娘の帰宅を大歓迎した。しかし偽物の娘を受け入れたことによって家族は後に破滅の道をたどるのだった。

エスターファースト・キルのキャスト

• イザベル・ファーマン
• ジュリア・スタイルズ
• ロッシフ・サザーランド
• マシュー・アーロン・フィンラン
• ヒロ・カナガワ

エスターファースト・キルの感想と評価

「ザ・ボーイ -人形少年の館-」のウィリアム・ブレント・ベル監督によるB級エンタメホラー。「エスター」のプリクエルに当たるシリーズ2作目で、設定が雑すぎて失笑してしまう作品。見所は「エスター」のイザベル・ファーマンが続投しているという点だけです。

物語は、精神病棟にいるエストニア人女性が、行方不明のアメリカ人少女エスターになりすまし、アメリカの家族のもとに帰り、エスターのふりをして生活してみたら家族にバレて家族と殺し合いのバトルになる、というものです。

このあらすじを聞いて「面白そう！」って思う人がいるのかどうかわかりませんが、プロットがいい加減すぎますよね。まず、エストニアで生まれ育って精神病院にいた女性がなんで英語ペラペラなんだよっていうところから始まり、ろくに身元確認もせずに他人になりすましてアメリカ人になれちゃうっていうのが笑えます。亡命し放題かよ。

行方不明者リストから自分と似た女の子を見つけるの早すぎだし、そもそも行方不明者の誰かに成りすまして生きていこうっていうアイデアはどこから湧いてきたんだ。精神病院でずっと温めてたのかな、その考えを。どこが精神病なんだよって。

最初の10分ぐらいで偽エスターは精神病院で散々暴れ倒して人を５，６人殺しまくり、最も狂暴な患者っぷりを見せつけます。なかなかなハイペースだったのでエンタメホラーとしてはいいスタートを切ったんじゃないかと思えたんですが、アメリカに着いた途端にいい子になってしまって、ペースが落ちるのが残念でした。サイコパスっていう設定なはずなのに、上手に抑制できてるのがウケますね。

いざ家族のもとに帰り、正体を偽って暮らしたはいいけど、すぐに母親と息子に偽物であることがバレてしまいます。なぜなら本物のエスターはすでに死んでいて、それを親子が隠蔽していたんだってさ。

そこから物語は急展開を見せ、悪い親子VS偽物のエスターという訳の分からないバトルに突入していきます。それ以降はそれぞれの登場人物の行動が意味不明すぎて、話についていけませんでした。殺したいのか、隠したいのか、逃げたいのか。なにがしたいんだよ、お前らは。そもそも偽エスターにとってあの家で暮らすメリットあるの？

この映画の最大の問題点は、恐キャラを一人以上作ってしまったことでしょう。エスターのシリーズなんだからエスターだけを気味悪いサイコパスにすればいいのに、なぜかエスターを受け入れる家族まで怖キャラにしてるんですよ。そこは優しいキャラにしないとダメだろ。

つまるところフレディvsジェイソン、あるいはエイリアンVSプレデターみたいなことになってしまっていて、もはやそれはホラー映画というより怪獣映画なんですよね。加害者と被害者のコントラストがないから怖くないし、ただ悪い奴ら同士が喧嘩してるだけっていうね。完全なるおバカ映画でした。