単純明快な筋肉至上主義エンタメ韓国映画。ストーリーはバカバカしいものの、アクションで十分に魅せてくれます。55点
犯罪都市THE ROUNDUPのあらすじ
ある日、マ・ソクト刑事は上司ともにベトナムで身柄を確保した強盗犯を引き取りに行くことにする。ところが強盗犯が自ら出頭したことをマ刑事は不審に思って尋問すると、彼が組織から命を狙われていたことを知る。その背後にはベトナムで韓国人ばかりを狙い強盗や誘拐を繰り返していた凶悪犯カン・ヘサンの存在があった。
マ刑事は自国ですらないベトナムの地で強引にも秘密裏に捜査を進め、カンを追い詰めていくがあと一歩のところで彼を逃してしまう。やがてカンが復讐のために韓国に戻ったことを知ると、大規模な一斉捕獲作戦を遂行する。
犯罪都THE ROUNDUPのキャスト
- マ・ドンソク
- ソン・ソック
- チェ・グィファ
- パク・ジファン
- ホ・ドンウォン
- ハジュン
- チョン・ジェグァン
犯罪都市THE ROUNDUPの感想と評価
イ・サンヨン監督による「犯罪都市」の続編にして、ベトナムと韓国を股に掛けた凶悪犯罪者を追いかける肉体派刑事のアクションドラマ。バイオレンスアクションあり、カーチェイスありのプロレス映画です。
一見シリアスそうで怖そうな話ですが、ふたを開けて見ると結構ふざけていて、真面目に見るやつじゃないです。どんな役をやっても結局は同じキャラになることでお馴染みのマ・ドンソク扮する強い刑事が悪者を対峙する、という本当にただそれだけの話で、ただそれだけなのにスカッと爽快な気分にさせるし、テンポが良く飽きさせないし、エンタメ作品としては十分にその役割を果たしているといえるでしょう。
内容や設定はそんなアホな、と言いたくなるハリウッド的大雑把な刑事ドラマになっていて、はっきり言ってリアリティーはないです。韓国警察がベトナムで好き放題やって犯人を捕まえようとしたり、遺体を掘り起こしたり、とやりたい放題で、舞台が韓国に移ると今度は犯人たちがやりたい放題しだし、邪魔な奴なみんな刺しまくります。
ハリウッド映画との違いといえば銃がナイフやナタや斧に置き換えられたことぐらいで、あとはほぼ同じですね。雰囲気はややコメディアクションに近いものがあるんですが、それに不釣り合いなバイオレンスシーンが多々あって特に刃物でぶっ刺すシーンの数々は見ていてこっちまで痛くなります。あのアンバランスなところがいいんですかね。一見、子供も大人も楽しめるかのような緩いアクションのようで、実際はとんでもないグロいことしてくるからね。
エンタメものとして上手いなあ、と思うのはキャラ設定です。マ刑事のキャラの濃さは言うまでもないですが、敵のリーダーのカンと二人組の斧使い、詐欺師の男などみんなキャラが立っていて、戦いにおいても強さのレベルがはっきりしています。
特にマ刑事の安定の最強キャラは笑っちゃうレベルで警察なのに武器は一切使わず、常に素手で戦うっていうアホさが光ってました。そういえば韓国警察は誰も銃を使ってませんでしたね。相手がナイフを持ってるのに警棒で立ち向かったり、突っ込まずにはいられません。
ラストのバスの中での格闘シーンだって、人質はいないし、犯人は完全に包囲されてるんだから銃を向けて降参させればいいだけなのに、わざわざ1対1で決闘させるあたりがバカですねえ。
それぐらい突っ込みどころは多いんだけど、アクションシーンの撮り方も上手だし、バイオレンスに振り切っているせいかそこそこ楽しめちゃうんですよねえ。安っぽい邦画アクションやハリウッドアクションを見るよりはずっとエンタメの質が高いです。
マ・ドンソクはそろそろ韓国映画は卒業してこれからはハリウッドを主戦場でやっていくべきですね。ドウェイン・ジョンソンVSマ・ドンソク、ヴィン・ディーゼルVSマ・ドンソク、デイヴ・バウティスタVSマ・ドンソクとか、国際ドリームマッチを見せてもらいたいです。
コメント
確かに、ドンソクにはハリウッドに行って鮫とか宇宙人とか未来から来た殺人マシーンとかと戦って欲しい。
もう韓国映画のスケールには収まらなくなってますね