特に中身はないけど、バカさ加減と可愛さで丸く収めてしまう破壊力のあるキャラクター映画。まだまだ続くだろうし、続いてもらいたいアニメーションシリーズです。50点
ミニオンズフィーバーのあらすじ
1975年、11歳のグルーはヴィランになることを夢見ていた。そんなときスーパーヴィランのチーム、ヴィシャス・シックスによるヴィランオーディションがあると聞きつけ、さっそく参加するも子供であることを理由に落とされてしまう。
そこで彼らをぎゃふんと言わせるためにグルーは彼らが大事にしているゾディアック・ストーンを盗む。しかしこれによってヴィシャス・シックスの逆鱗に触れ、グルーは誘拐されてしまうのだった。
そこで立ち上がったのがグルーの手下として雇われていたミニオンたち。ケビン、スチュアート、ボブ、オットーらは力を合わせてグルーの救出へと向かった。
ミニオンズフィーバーのキャスト
- スティーヴ・カレル
- ピエール・コフィン
- ジャン=クロード・ヴァン・ダム
- ルーシー・ローレス
- タラジ・P・ヘンソン
- ミシェル・ヨー
ミニオンズフィーバーの感想と評価
「ミニオンズ」のカイル・バルダ監督による、人気シリーズのプリクエル。怪盗グルーの起源を面白可笑しく描いたドタバタコメディです。
シンプルなストーリー、可愛いキャラクター、早いテンポ、1時間半以内に収めた尺など全体のバランスが良く、子供と大人まで楽しめる映画に仕上がっています。今回はミニオンたちの可愛さをはじめ、グルーまで可愛くしてあるのでその点では最強じゃないでしょうか。
ミニオンそのものがふざけ倒しているキャラクターなのでストーリーが「そんなアホな」の連続でも付き合いきれるし、なにを言ってるか分からないけど、なんとなく言いたいことが伝わってくるミニオンたちの会話や顔の表現は世界で通じるものがあって、さすがとしか言えないです。ほんと、いいキャラ作ったよなあ。ミニオンたちにこんな顔されたら反則だよね。
ミニオンのAIロボットとか販売されないのかなあ。絶対売れると思うけど、キャラクターグッズ戦略がいまひとつじゃない?
ストーリーだけを見ると救出劇とヴィラン退治をミックスしただけでかなり平凡です。なにがしたいのか、なんのために存在するのかよく分からないキャラも少なくないです。そのごちゃごちゃぶりをキャラクターのポテンシャルだけで補っているようなところがあるのは否定できないし、これがもし一作目だったら売れなかったかもしれません。
つまりすでにすっかりお馴染みのキャラたちが、お約束のおバカな姿を見せてくれるという伝統芸能、もしくは吉本新喜劇風コント的な要素で成り立っているんですよね。可愛いし、笑えるからまあいっかっていうね。
文句をつけるとしたら、1970年代の感じがほとんどないところでしょうか。映画館でジョーズが上映さえてたり、男女が『サタデー・ナイト・フィーバー』風パンタロンを着ていたり、といった小ネタはあるんだけど、ホログラムの通信機器があったり、オーディションが最近のTV番組そのものだったり、時代錯誤を感じずにはいられませんでした。
サンフランシスコのチャイナタウンで出会ったカンフーマスターのおばちゃんの下りもいらないかなぁ。あれなにがしたかったんだろう。映画一本まるまるミニオンたちがカンフーを習ってカンフーで中国人の敵を倒すっていう話とかだったらまだいいんだけど、突然あそこにカンフーを混ぜ込んできた意図が見えませんでした。サンフランシスコ=世界最大級のチャイナタウン=カンフーでしょみたいな発想なのかなぁ。
中国から盗んできたゾディアック・ストーンというアイテムも同じで、ストーリー上それほど重要じゃないのに対中国戦略のために無理やり入れた要素っぽいですね。ああいうのやめてもらいたいね。それならいっそのこと舞台を中国にするとか振り切ってもらいたいです。
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