ソダーバーグ監督特有の映像美、リズム、ストーリー展開を駆使した先の読めないゾクゾクワクワクのサスペンス劇。ヒロインが妙に色っぽいです。68点(100点満点)
サイド・エフェクトのあらすじ
金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。
診察にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。
シネマトゥディより
サイド・エフェクトのキャスト
- ジュード・ロウ
- ルーニー・マーラ
- キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
- チャニング・テイタム
- ヴィネッサ・ショウ
サイド・エフェクトの感想
「ローガン・ラッキー」、「恋するリベラーチェ」、「マジック・マイク」、「エージェント・マロリー」、「ガールフレンド・エクスペリエンス」などでお馴染みのスティーブン・ソダーバーグ監督によるサスペンスドラマ。
“うつ病”で夫を刺し殺してしまうエミリーを軸に、精神科医バンクスが新薬抗鬱剤の副作用の謎にせまる過程が面白く、十分見ごたえのある一本です。
ただ、いろいろな要素を詰め込みすぎた感は否めなかったです。副作用、株取引、抗鬱剤、裏金、レズなどが物語りの鍵となってきますが、あれだけ複雑な要素が交差しながら上手く事が運ぶのかなぁ、と首を傾げたくもなりますね。
一番、注目したいのは一見癒し系に見える華奢な女エミリーです。この女がまたぶっ飛んだ女で、ここ数年見た映画の登場人物の中で一番恐ろしい女です。
この女を見ているとなぜか日本の「裕木奈江」を思い出します。か弱そうで、実はめちゃくちゃ腹黒いというあの雰囲気は持って生まれたものでしょう。こういうタイプをかわいい、なんて思ってしまったら最後、男はこの映画のマーティンのように奈落の底へと突き落とされます。
それにしてもソダーバーグ監督にしては、とてもすっきりした爽やかなエンディングだったと思います。
これまでのソダーバーグ監督はなんか苦味を残すようなエンディングが多かったんですが、なんか心境の変化でもあったんでしょうか。
結局最後には恋が結ばれ、犯人が捕まるのなら、普通の監督の普通の映画じゃねえかよ、というがっかりが少なからずありましたね。ちょっと丸くなっちゃったのかなあ。
コメント
はじめまして。興味深く読ませていただきました。
私はこのラストはすっきりしませんでした。
エミリーに選択肢はあるものの
医者が健康な人間を病人にする行為は医者としての最大の倫理に欠如します。
仕返しとはいえ普通の人間であった男は深淵に落ちてしまったのでないでしょうか?
これが司法の手に委ねたとしたら普通のラストだったと思います。
ふじさん
コメントありがとうございます。すっきりしたラストというのは、「悪党が捕まる、こらしめられる」ラストという意味で書きました。けど、それが現実的かというと違くて、確かに仰るとおり倫理とか司法を持ち出すとおかしな映画でしたね。
trance, the gift良いと思います。babycall, prisonersはどうですか。すみませんきちんと表示されなかったようです。
たくさんのコメントありがとうございます。次からは映画名を挙げるときはリンクではなくて、映画名を直接お書きください。じゃないとスパム扱いになってしまうので。