サクッと見れちゃうスペインの娯楽映画。スペイン映画にしては分かりやすくて面白いです。50点
ケンタウロスのあらすじ
バイクレーサーのラファはある日、レースでのドライビングスキルを買われ、有名レーシングチームのパイロットになるためのセレクションに招待される。もしメンバーに入れたら彼のうだつの上がらない人生が変わることは目に見えていた。
そんなラファが元妻のナタリアの家に息子を迎えに行くと、強面の男たちがナタリアの家から出てくるのを目撃する。ナタリアは男たちから暴力を受けて、顔に痣を作っていた。事情を聞くとナタリアはお金のためにギャングから麻薬を預かっていたという。そしてその麻薬を盗まれてしまったために命を狙われることになったのだった。
ラファはナタリアにまだ未練があったこともあり、彼女を救おうと、ギャングのリーダーのところに行き、麻薬の代金を返すからナタリアを許してほしいと頼む。するとギャングのリーダーはラファに2か月間バイクで運び屋をするように命じるのだった。
ケンタウロスのキャスト
- アレックス・モネール
- ベゴーニャ・バルガス
- カルロス・バルデム
- エドガル・ビットリーノ
- パトリシア・ビコ
- ペドロ・カサブランク
ケンタウロスの感想と評価
スペイン発ダニエル・カルパルソル監督による、バイクレーサーがひょんなことから麻薬の運び屋をさせられる犯罪ドラマ。ストーリーはいかにも映画的でリアリティーに欠けるものの話がシンプルで見やすく、スピーディーなレースシーン満載のエンタメ映画に仕上がっています。
バイクでハイウェイを猛スピードで駆け抜け麻薬を密輸するというアイデアが面白く、適度なバイオレンスと色気を織り交ぜているので最後まで飽きずに見れました。
ストーリーは全部まるまる読めてしまうといっても過言ではないほどベタで、できすぎで、予定調和なんだけど終始バイクを上手に利用していてバイク好きにはたまらない内容になっています。ちなみに僕はバイクはそこまで好きじゃないです。それでも楽しめました。
物語は、走りの技術は一丁前で中身はポンコツなバイクレーサーが、寄りを戻したくて仕方がない美人元妻の命を守るために麻薬組織の運び屋を買って出る、というものです。
だいたいなんで元妻が麻薬組織とつるんでるんだよって話で、だってお金がないからしょうがないでしょっていう発想がすごいです。
主人公の男もそんな女と関わるのやめろよって話なんだけど、彼はどうしてもピチピチの元妻が忘れられないらしく、彼女のためならもうなんでもしちゃうんだそうです。ただ、もう一度やりたいだけっていう感じもしましたが。
ほかにも突っ込みどころは山ほどあって、バイク自体が麻薬の輸送手段として優れていないところがまずそれです。欧州を股にかけて金儲けをしているような組織がバックパックに麻薬を入れてそれをバイク運転手が担いで運ぶっていう大分コスパの悪い輸送手段を選んでいるのが笑えます。
慎重に仕事をするのが俺たちのポリシーだっていうなら分かるんだけど、運転手はわざわざスピード違反をしてまで急いで運ばないといけないみたいで、またそのせいで必ず警察に追いかけられるんですよ。捕まったら面倒なことになるのになんであんな目立つことするのよ?
でも運転手はプロのバイクレーサーだから警察も簡単に振り切れちゃうんだそうです。一事が万事警察舐めすぎな無茶苦茶な設定になっていて、その辺は大いにバカにしながら見ていいと思います。
途中、ラファは疲れが取れるとか言いながら薬を飲みながらバイクを走らせてたけど、あんなことしたら絶対事故るだろって。
麻薬組織内の衝突や裏切りといった出来事もお約束で、スペインであんなに機関銃をぶっ放したりする事件ってないだろって思ったりもするし、アメリカナイズされまくりなところはちょっと痛いです。
主人公のトラブルの対処の仕方もダメダメだし、最後のオチは「そんなアホな」なんだけど、いかんせんテンポが良くてバイクで走りっぱなしということもあり、あっという間に時間が過ぎていくのがいいです。言うならば飛行機とか新幹線とかあんまり集中できないところでも見れちゃうお手頃な映画ですね。
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