あんまり面白くない実話ベースのサバイバル映画。登場人物たちがやけにのんびりしていて緊張感が十分に伝わりませんでした。42点
モガディシュ脱出までの14日間のあらすじ
ソウル五輪開催から2年後の1990年、韓国政府はアフリカ諸国で国連の加盟を目指してロビーを活動を行っていた。それに対し、北朝鮮は韓国より何年も先にアフリカで現地の要人とコネクションを築いており、ソマリアでは韓国よりも有利な立場にあった。
そんな中、在ソマリア韓国大使のハンは、ソマリアのモハメド・シアド・バーレ大統領と会談し、彼にプレゼントを渡す予定だった。ところが大統領官邸に行く道中、強盗に襲われ、プレゼントを強奪されてしまう。
そのせいでハン大使はバーレ大統領と約束に15分遅れてしまい、会談はキャンセルになってしまう。ところがそのときハン大使は在ソマリア北朝鮮大使のリムの姿を大統領官邸で見かけ、北朝鮮側による妨害があったことに気づく。
こうして両国は熾烈な情報操作や権力争いを繰り広げていくが、そんなときソマリアで内戦が勃発する。
モガディシュ脱出までの14日間のキャスト
- キム・ユンソク
- チョ・インソン
- チョン・マンシク
- ホ・ジュノ
- キム・ソジン
- キム・ジェファ
モガディシュ脱出までの14日間の感想と評価
「ベルリンファイル」、「生き残るための3つの取引」などのリュ・スンワン監督による韓国映画。ソマリアを舞台に内戦に巻き込まれた韓国人と北朝鮮人による友情を描いた脱出劇です。
ソマリアでいがみあっていた韓国と北朝鮮の大使館職員が緊急事態に巻き込まれたことをきっかけにしがらみを捨てて助け合う、というストーリーになっていて、いわゆる政府レベルでは敵対しているけど、一人の人間としてはお互い仲良くできるよね、という両国の絆を映画的に表現したドラマです。韓国では大ヒットしたらしいです。
「シュリ」や「JSA」といった映画が韓国で大ヒットするのは、やはり国民の中に北朝鮮の人たちとも仲良くできたら素敵だなあ、という思いが強いからでしょう。ただ、この辺の気持ちがDNAにあってこそ登場人物の心境を理解のできる映画で、日本人には到底分からないでしょうね。
実話ベースとして売ってますが、どこまで本当かは謎で、いやいや普通死ぬでしょ的なシーンが多いのであまり真剣に見ないほうがいいかもしれません。
また、スケールはそこそこ大きいもののパニック映画のはずなのにどこかコミカルに描かれているような、軽いノリにしてあるふしがあって正直そんなにハラハラドキドキしませんでした。全体的にはいまひとつな出来といえるでしょう。
こういう映画はずっと緊張しっぱなしぐらいがちょうどいいんですよ。でもなぜかところどころ緊張が途切れるシーンが邪魔してきます。いらん会話が多いんですかね。会話を最大限抑えて逃げるだけのストーリーにしてもよかったんじゃないかなあ。
突然韓国人と北朝鮮人でカンフーを始めたり、嘘っぽいカーチェイスシーンになったり、諜報機関の男が終始格好つけてたり、とリアリティーはあまりないですね。そもそもこのタイプの映画に美男美女とかいらないじゃないですか。
特にラストのカーチェイスは、どんだけ撃たれても弾が命中しない奇跡にもほどがあるクライマックスになっていて、そんなアホな、という感想しか抱かなかったです。
それよりなにより車を本でぐるぐる巻きにしたら防弾になるんですか? 厚い本なら大丈夫ってこと? 嘘でしょ。守るという意味でも大して効果なさそうだし、むしろ車が重くなって速く走れなくなって逆効果でしょうよ。なんであんなことするの。
それにしてもアフガニスタン政府が転覆したときもそうだったけど、大使館職員も大変ですよね。安全な国に行けるならまだしも治安が悪く情勢が不安定な場所に派遣されたら最悪死にますね。そういう意味では大使およびご家族の皆様、ご苦労様です、という話でした。
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