いかにも映画的なわざとらしいトラブルを続出させるレストラン物語。見れる映画だし、ちゃんと作ってあるけど、満足度は低いです。50点
ボイリングポイント沸騰のあらすじ
アンディはロンドンにある人気高級レストランのオーナーシェフ。一見、大成功しているようでレストラン内は問題が山積みだった。ホールとキッチンのスタッフは仲が悪く、衝突ばかり。レストランは食の安全と健康の評価で5つ星から3つ星に格下げされていた。プライベートでもアンディは妻子と別居し、精神的に崖っぷちに立たされていたのだ。
そんな中、有名シェフのアリステアがグルメ評論家を連れてアポなしでやってくる。ただでさえ忙しいときに予約もせずグルメ評論家を連れてきたアリステアにアンディは更なる苛立ちを覚え、彼はストレスでいつ爆発してもおかしくなかった。
ボイリングポイント沸騰のキャスト
- スティーヴン・グレアム
- ヴィネット・ロビンソン
- ジェイソン・フレミング
- ハンナ・ウォルターズ
- マラチ・カービー
- イズカ・ホイル
ボイリングポイント沸騰の感想と評価
フィリップ・バランティーニ監督による、慌ただしいレストランのキッチンドラマ。レストラン内で起こる出来事を90分かけてワンカットで撮った作品で、つまらなくはないけど突っ込みどころが多くてちょっとイライラしました。
人気レストランという設定はまだいいんだけど、高級レストランにしてはスタッフのレベルがポンコツすぎてレストランのレベルと従業員のレベルが釣り合っていませんね。
従業員の遅刻は当たり前みたいでホールが一人、厨房が一人遅れてきてもヘラヘラしてその場を済ませ、大して怒られもしないは、首にもならないは、まるでスタッフを厳選している気配がありません。
オーナーシェフ自身が仕事中ずっとペットボトルに入れた酒をチョビチョビやっている始末で、そのうえウェイターやウェイトレスはもちろん、料理を作っている奴らまで延々と無駄話してるんですよ。
休憩中でもないのにたばこ吸いに行ったり、ほかの従業員と喧嘩してトイレに泣きに行ったり、ピーク時のフル回転のレストランでそんなことできるわけねえじゃんっていう出来事が基本的ずっと続くのでスタッフの無能ぶりにヤキモキさせられること間違いなしです。
レストラン経営者が見たらブチギレるんじゃないかなあ。なかでもオーナーシェフのアンディが一番使えないですね。酒を飲むのなんて持ってのほかだけど、なんで仕事中に携帯出るんだよって。それも電話に出ても大したこと話さずに「後でかけなおすから」って言って切るんですよ。だったら出るなよ。
指示は的外れだし、忙しいのに客の席に一緒に座って話し込んだり、オーナーシェフであの無責任ぶりってないでしょ。
アンディを始め、スタッフをポンコツにしているのはそのほうが危なっかしさがあり、ハラハラしてドラマチックにできるからに違いないです。そこがまさにこの映画の評価の分かれ目になりそうですね。その部分を純粋に楽しめる人なら気に入るだろうし、そうじゃない人はまあ腹立つ映画だと思いますよ。
人気の大衆料理店で働いた経験のある人たちが見たら飲食店の忙しさだとかホールとキッチンの衝突だとか、嫌味な客だとか、共感できる部分はあるかもしれません。
ただ、大衆レストランと高級レストランでは圧倒的にサービスの質が違うはずなのにそこをだいぶ大衆よりに描いちゃってるのがダメですね。
評価するとしたらレストランの一日をワンカットで表現した点でしょう。ほかのワンカット映画よりもワンカットで撮る意味があることが分かる仕上がりになっていました。相当リハーサルをやり込んでないと、あのゴチャゴチャ感とスピード間はできないでしょうね。まあでもそれぐらいかなあ。
なぜかこの映画を見ても美味しい料理が食べたくならなかったなあ。それよりもむしろ久しぶりにジャンクフードが食べたくなりました。それだけ食に関してもそそられない映画っていうことなんでしょうね。じゃあ、カップラーメンでも食べようかな。
コメント
全く同意見でしたー!
多々見かけるワンショット撮影の作品にその意味を見いだせなかったのですが、調理は実際でもスピード感が大事なのでこの作品においてはワンショット撮影が活きていたように思いました。
ただ、本当シェフがひどいwwいきなり来た評論家にビビって探り入れてないで、とにかくまずは自分の仕事しなさいよって思いました。
他のスタッフもみんなお喋りしまくりで、まずこの店が人気店なのが信じられなかったですw