前半サクセスストーリー風にしつつ、後半どんどん悲しげな話になっていく好感の持てる作品。なんなら後半部分だけでもいいぐらいです。59点
映画オードリー・ヘプバーンのあらすじ
オードリー・ヘプバーンは幼い頃に両親が離婚し、ナチス占領下のオランダで育った。彼女は戦時中、食事もろくに取れず、家からもほとんど出れなかった。
そんな不自由な生活を経て終戦を迎えたオードリー・ヘプバーンはバレエダンサーになることを夢見てダンスの先生のところに住み込みながら猛練習に励む。しかし始めたのが遅かった彼女のダンスのレベルはほかのダンサーと比べても劣っていた。
仕方なく食べていくために女優業を始めると、少しずつ仕事が舞い込んできた。映画の脇役から始まり、やがてローマの休日で世界的大成功を収めるのだった。
映画オードリー・ヘプバーンのキャスト
- ショーン・ヘプバーン・ファーラー
- エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー
- クレア・ワイト・ケラー
- リチャード・ドレイファス
- レッサンドラ・フェリ
- フランチェスカ・ヘイワード
- キーラ・ムーア
映画オードリー・ヘプバーンの感想と評価
ヘレナ・コーン監督による、永遠のプリンセス、オードリー・ヘップバーンの生涯をつづったドキュメンタリー映画。
映画で大成功し、世界的人気を得たもののプライベートでは自由を失い、愛する家族と幸せに生活することに失敗し、やがて慈善活動に生きがいを見出していく様子を家族、親友、関係者の口から語り聞かせていく記録映画です。
1992年に亡くなったオードリー・ヘップバーンのドキュメンタリーをこの時期にあえて見る人は9割型昔に彼女の代表作を見て、ファンになった人たちでしょう。ただ、そういう人たち向けにしては前半部分は特に見たことのある映像ばっかりだったかあなと思いました。
その一方でプライベートな話に切り込んでいく辺りから、ニコニコキラキラしていた印象の強いオードリー・ヘップバーンの影の部分は見えてきます。実は彼女は男運がなく、結婚にはことごとく失敗し、パパラッチにはプライバシーを奪われ、家族と時間を過ごすために映画の世界から離れたのにも関わらず、平穏な生活を満喫するといった夢すら叶わないのです。
後半はほぼほぼオードリー・ヘップバーンの苦悩にフォーカスしていて世界的のファンから愛された彼女が実は一番身近な夫からは浮気されていたり、ぞんざいに扱われていたというのはなんとも皮肉ですね。
そんな彼女が家族と過ごすために仕事をセーブしていたのを忘れて、ユニセフの親善大使として世界中を飛び回り、再び紛争や飢えに直面し、深く悲しんでいく、というのもどこか運命のいたずらのように思えてきますね。
若くてイケイケの女優時代にキラキラして前向きで愛想がいいのは分かるんですが、様々な修羅場や不幸や悲しみを経験してもオードリー・ヘップバーンは決して卑屈にならず、人々に与えることにフォーカスして生き続けたのはすごいですね。高齢になってもずっと綺麗だし、なにより上品なんだよねえ。
「男たちすぐ浮気するからまじむかつくよー」とか絶対言わなそうだもん。汚い言葉を使ってるのが想像つかないんですよね。ファックとか言うのかなぁ。
両親は離婚しているものの、もともと両方ともいいところの家みたいですね。生まれと育ちはあなどれませんねえ。
オードリー・ヘップバーンが亡くなったとき、日本のテレビは延々と「ローマの休日」の映像を繰り返し流していたのを覚えています。さもオードリー・ヘップバーンが若くして亡くなったかのように彼女の若いときの活動しか伝えないメディアが多くて気持ちの悪さを感じたのを覚えています。むしろ女優として一線を退いた後の人生のほうが長いのになんでそっちをフォーカスしねえんだよっていうのがずっとあったんですよ。
この映画のいいところはちゃんと女優としてだけでなく、人間としてのオードリー・ヘップバーンを取り上げているところで彼女の人間味に触れることでファンだった人たちはますますファンになること間違いないでしょう。ハリウッドで成功したからとか人気女優だからではなく、人として格好いい人だったんだなあ。
コメント
久しぶりに良い映画を観ました
ほぼ、昔の青年男女で満席状態でした
オードリーが男女で踊りながら奥から出てきて、カウンターチェアに座って一周回ってはけていく場面がとても良かったです。この映画のタイトルが知りたいのですが、お教えいただきたいです
パリの恋人 funny face 1957年です。あのダンスよかったですねえ
おーーそうそうにありがとうございます
あの黒い衣装のやつですよね
黒い靴下 白い靴下 問題のやつですね
さっそくDVDと椅子を購入します
有難うございます。
長年のヘプバーンファンです。
いい映画でした。
おっしゃるように、後半部分が特に良かったです。
>高齢になってもずっと綺麗だし、なにより上品なんだよねえ。
本当にそう思います。
こういう人ってなかなかいないと思います。
貴重な存在だなとあらためて感じました。
後半よかったですねえ。上品な人って憧れますねえ。
こんにちは。私も本作を観ました。
本作でスクリーンに映るオードリーは、容姿や立ち振る舞いがとても美しすぎて、終始見惚れました。その美貌は、どの角度から見ても、「美しい」と言われるだけあり、ドレスを着た姿は、まるでディズニープリンセスがスクリーンから飛び出してきたかのようでした。
今でも、好きな世界の女優ランキングでは「トップ」をキープするだけあり、ファッションや髪型を真似する女性が沢山いるのも納得します。
ただ、当時は「個性派女優」としての立ち位置だったのは意外でした。でも、それ故に、目立つ存在となったのかもしれません。
また、彼女のユニセフ親善大使のキャリアについては詳しくなかったので、本作にて知ることとなりました。お年を召しても、チャーミングな笑顔に釘付けになりました。もっと長生きされて、ご活躍を見たかった方でした。
私が観た回も、7割位客席が埋まっていました。やはり、「永遠の女優」の地位は不動なんですね。
女優引退後の活動がさらに彼女の美しさをひきだしていましたね。