生命力の強いおばちゃんが一人で戦場を生き延びていくリアリティーのない話。無駄な会話は多いのに肝心なことは一切言わない腹の立つ作りになっています。3点
ブラック・クラブのあらすじ
ある日、エドは娘のヴァンヤと車を運転中、トンネルの中でテロに遭遇する。エドは娘と車内で身を隠してなんとかテロリストの攻撃から逃れようとする。
それから時間が過ぎ、エドは軍の命令で突然ある小部隊に招集される。そこにはほかにも複数の男たちが呼ばれていた。その頃すでに戦争は激化しており、スウェーデンにとって勝利への望みは薄くなっていた。
そこでエドを含む6人による部隊は氷で覆われたスカンジナビアの大地をアイススケートで渡り、あるカプセルを軍事施設に届けるミッション、ブラック・クラブ作戦を遂行する。これが成功すれば戦況が変わるということだった。エドは娘に会わせるという約束を提示され、これに参加することにする。
ブラック・クラブのキャスト
- ノオミ・ラパス
- アリエッテ・オフェイム
- ダール・サリム
- ヤコブ・オフテブロ
- イリル・ラティフィ
ブラック・クラブの感想と評価
アダム・バーグ監督によるスウェーデンを舞台にした戦争ドラマ。ごまかしてばかりで最後までずっと詳細に触れない雰囲気戦争映画です。
兵士がアイススケートを使って移動する、という以外アイデアがなく、ストーリーもアクションもつまらないです。
グループで移動しては休んで会話、移動してはまた休んで会話、というのの繰り返しで、いちいち話が止まるので戦争映画なのに緊張感に欠けます。
そもそもなんの説明もなく話が始まり、何の説明もなく終わっていくので登場人物たちがどういう状況に立たされているのかがさっぱりで、戦争といっても誰と誰がどんな経緯で戦っているのかも分かりせん。
少数の精鋭隊がウイルス兵器を運ぶように頼まれるところからストーリーは本題に入るんですが、そもそも作戦自体が曖昧でウイルス兵器だけで戦況が180度変わるとも到底思えないです。スーサイドミッションにしても人数少なすぎない?
あのポンコツウイルスをどう使ったら戦争に勝てるのかまず教えて欲しいです。コロナを見てもお分かりの通り、ウイルスだって全員に効果を発揮するわけじゃないし、それに広がるには時間もかかりますよね。
また、なんであのメンバーが選ばれてるのかも謎です。どう見ても使えなさそうな奴らばかりだったし、まさかスケートが滑れるってだけで選ばれてないよね? そんなこといったら雪国のスウェーデンの人々なんて大概みんな滑れるんじゃないの? 特にヒロインのエドなんて冒頭のシーンでは普通のシングルマザーぽかったのに次の瞬間には急に凄腕のソルジャーになってるのが笑えます。
最初から上官の言うこと全然聞かないのに凄腕ソルジャーっていう設定もおかしいんだけどね。命令には背くは、すぐ自己判断で行動するは、あれで戦場でよく生き延びれるなあって感じがしますね。
ずっと娘のことを心配する母親の姿を描いているのに娘が最後まで出てこないっていうのもダメでしょ。最初のテロのときにテロリストたちはみんな無差別に銃殺してたのになんでヒロインと娘だけわざわざ車から降ろされてたのかも意味不明です。なんでヒロインだけあの場で殺されないんですかね。
なにより敵がはっきりしないのが一番ダメですね。敵は白い戦闘服を着ていることぐらいしか情報がなく、どれくらいの勢力なのか、どういった思想の持主なのか、などなにも教えてくれないので、仕方なく登場人物たちがスケートを滑っているところを見るしかないのがつらいです。
氷の地面で起こるハプニングなんてまあ氷が割れて水中に誰かが落ちるぐらいしかないじゃないですか。なんでこんな予想通りの展開にするのかちょっと信じがたいですね。
ラストの終わり方もあれなんなんですかね。あんな終わり方するなら最初から自殺でもしたらいいじゃないですか。なに最後は海の中で娘と再会できましたみたいなシーンは。それで世界はどうなったんだよって。あのおばちゃんのことはむしろどうでもいいんだよ。戦争はどうなったのか語らないと意味ないじゃん。
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