日本のテレビで日本人向けに放映すればいい作品。外国人には全く刺さらないであろうフル日本標準ドラマです。37点
【ドラマ】新聞記者のあらすじ
ある日、国有地を安価で学校法人の栄新学園に売却したとして、官邸や首相夫婦の関与が疑われる。この件を担当することになった新聞記者の松田杏奈は取材を進めていくうちに中部財務局がなにかを隠蔽していることをかぎつける。
一方、中部財務局に異動となった鈴木和也は首相の国会での答弁との整合性を取るために国有地の売買に関する文書の改ざんを命じられ、しぶしぶ引き受けることに。
しかし倫理観の強い鈴木和也はそれが国民の利益に反する行為だということを認識しては悩んでいた。彼は妻にもこのことを話せず、独り強い罪悪感に苦しんでいく。
やがて鈴木和也のもとを記者の松田杏奈が訪れてきては名刺を渡してくる。国中がこの問題で大騒ぎになる中、鈴木和也は事実をリークしてしまおうか迷いに迷うのだった。
【ドラマ】新聞記者のキャスト
- 米倉涼子
- 横浜流星
- 吉岡秀隆
- 寺島しのぶ
- 吹越満
- 田口トモロヲ
- 大倉孝二
- 田中哲司
- 萩原聖人
- 柄本時生
【ドラマ】新聞記者の感想と評価
映画「新聞記者」、「ヤクザと家族 The Family」、「青の帰り道」、「7s」、などで知られる藤井道人監督による、森友学園問題を基にしたネットフリックスドラマシリーズ。見れなくはないけど、エンタメ度が低く、テンポが悪く、世界で売っていくには問題点がありすぎる作品です。
日本中を騒がせた森友学園問題を題材にしているだけあって、日本人には刺さるテーマにはなっています。リアリティーもそこそこあるし、お金もかけていてキャストも豪華だし、演技も悪くないです。
しかしながらあくまでも贅沢な日本ドラマで無駄なエピソードや会話が多く、スリリングなストーリー展開に欠け、3話ぐらいから間延びします。もうとにかく話が全然進まないんですよ。
一番の無駄は横浜流星と小野花梨のパートですね。あれ、いらなくないですか? あの二人の無意味な会話と中途半端な恋愛&就職ドラマを混ぜる意図が全く理解できませんでした。ああいうところを徹底的にそぎ落としたら全4話ぐらいで完結するスピーディーなミニドラマになったのにね。
ある程度ボリュームがないとドラマシリーズとして形にならない、あるいはお金にならないと思ったのか、余計な人間ドラマで溢れている印象を受けます。だから次のエピソードが楽しみにならないんですよ。
ネットフリックスという世界のプラットフォームを使いながらテーマはもちろん、内容も世界中の人々が楽しめる作りにはなっていないです。もっと怖くて気持ち悪い話にしないと視聴者はゾクゾクしないし、お色気シーンも混ぜないと大人たちは当然チャンネルを変えます。エンタメ性を高めるには暴力も必要でしょう。そういう意味ではあくまでも日本人向けでしかなく、これがまさに韓国とのレベルの違いなんです。
ずっと日本市場のことしか考えないで映画を作って来た人たちがずっと同じ感覚でモノづくりをしているから、国際感覚が皆無なんですよね。だから外国人が見たらそもそもなんの話なのか分からないと思いますよ。なんであんなに大騒ぎしているのか、なんで上司に部下が言いなりなのか、なんで部下が自殺するのか、とか文化的なものを外国人はくみ取れないでしょう。ただなんとなく日本社会って嫌だなあ、面倒くさいなあ、というのは伝わるぐらいで。
純粋に楽しめるのは吉岡秀隆の顔芸ぐらいです。彼のひきつった顔を見るためのシリーズといっても過言ではないでしょう。あの目玉ギョロギョロと顔のピクピクがたまりません。終始あんな顔されたら上司も普通は改ざんなんて頼めないけどね、すぐリークしちゃいそうで。
職場では倫理観の強いの彼が家庭ではDV夫だったりしたらもっとよかったんですけどね。仕事のストレスを最大限妻に向けて結局は自殺し、妻は悲しのか嬉しいのか複雑に気持ちに陥るっていうほうが心理的にもっと面白くなっていたでしょう。遺書もすぐ公開しちゃって、メディアにもベラベラ喋る奥さんっていうキャラでもよかったかもしれません。
全体的にあまりにも善悪をはっきりさせすぎで、いい人をとことんいい人に描くのが嫌です。善人の中の悪い部分を、悪人の中の良い部分を引き出したうえで、どのような経緯で登場人物たちが不正に関わったのか、また不正を裁いていくのかを描くべきでした。
米倉涼子扮する記者なんて、ただのいい人じゃないですか。この人だけはほかの記者とは違う、みたいなわざとらしい演出いらないんですよ。あんな記者、本当に日本にいるの?
それにしても米倉涼子は相変わらず泣けてませんでしたね。泣き演技は諦めたんですかね。泣こうとするとすぐにカメラがフェードアウトしていくのが笑えました。そんな配慮いらないから。
コメント