ダイアナ妃が窮屈な王室の中で精神的に苦しんでいる様子を流すだけで、面白さに欠ける映画。もっと大胆に挑戦的に描いてもらいたかったです。34点
スペンサーのあらすじ
1991年、英国の王室はクリスマスホリデーをノーフォークにあるサンドリンガム・ハウスで過ごそうと準備を進めていた。ダイアナ妃もその出席者の一人だった。
その頃にはすっかりチャールズ皇太子との関係は冷え切っていた。彼がカミラ・パーカーと浮気していることも分かっていた。ダイアナ妃は護衛もつけずにサンドリンガム・ハウスまで自分で車を運転していた。すでに遅刻していたにも関わらず、ダイアナはかつて自分が住んでいたパークハウスに魅せられ、心を奪われていた。
まもなくしてサンドリンガム・ハウスに着くと、ダイアナは息子たちや彼女の唯一の友人であるマギーとだけ付き合い、王室のメンバーとの交流を避けた。やがてディナーが始まると、渋々ダイアナは席に着くが、あまりのストレスからチャールズ皇太子からもらったパールのネックレスを引きちぎって食べてしまう。そして彼女は過食嘔吐を繰り返すのだった。
スペンサーのキャスト
- クリステン・スチュワート
- ジャック・ファーシング
- ティモシー・スポール
- ショーン・ハリス
- サリー・ホーキンス
- リチャード・サメル
- エイミー・マンソン
スペンサーの感想と評価
「エマ、愛の罠」のパブロ・ラライン監督による、ダイアナ妃の王室最後のクリスマス休暇を描いた伝記ドラマ。
当時、ダイアナ妃がいかに王室の中で孤独だったか、信用できる人がいなかったか、邪険に扱われていたか、またそれによって精神が不安定な状態だったかをつづっている作品で、ただただ可哀想な話です。
チャールズ皇太子の浮気相手であるカミラに対する嫉妬心やチャールズ皇太子との冷え切った関係、王室内の陰湿ないじめともいえる背景を知らないで見ると、まるでダイアナ妃がわがまま放題をしているように見えてしまう側面もあります。そういう意味では、みんな当然バックストーリーを知ってるでしょ的な説明不足の映画ともいえますね。
基本的にはダイアナ妃を演じたクリステン・スチュワートをまじまじと見る作品で確かにクリステン・スチュワートは目を見張るほどの美人に映っています。ほんとフォトジェニックですねえ。
ゴリゴリのレズビアンになったから、もういわゆるフェミニンなヘテロの役はできないかと思ったけど、全然できるんですねえ。さすが女優ですね。
その点ではダイアナ妃ファンか、クリステン・スチュワートファンなら目の保養として最後まで美しいモデルを見る感覚で楽しめるかもしれません。
一方でクリステン・スチュワートのもの真似芸を延々と見させられているような感覚もあり、ストーリーの退屈さも重なって、かなり眠くなります。よりによってなんでクリスマス休暇をストーリーの舞台に選んだのかも理解に苦しむところですね。
見所といえば過食症のシーンぐらいでしょうか。これでダイアナ妃がメイドの一人や二人を引っぱたいたり、エリザベス女王の髪の毛を引っ張るシーンでもあればまだエキサイティングな王室ドラマになっていたかもしれません。
あるいは不倫相手とのお色気シーンでもあればまだましだったんでしょうが、そういうボーナスシーンは一切なしです。あくまでも格式高いお上品な王室の嫌味な物語という感じですね。
それにしても一挙手一投足を監視され、逐一細かい指摘を受ける生活はしんどそうですね。夕食になんのドレスを着るかでいちいち口出されたり、パパラッチに写真を撮られることを気にしながら生きたり、そりゃあ精神崩壊するよって。
ダイアナ妃はファーストフードを愛し、ごくごく普通の生活を望んでいたなどと言われ、劇中でもそういった描写がありますが、タイトルにもある通り、立派な貴族スペンサー家の娘なんですよね。たとえ貴族で育ったとしても王室はまた別世界なんでしょうね。プライバシーがちゃんと守られているならまだしも全情報が筒抜けの今の時代、王室なんて入っても苦労しかないよね。
本作も含めてダイアナ妃の映画やドラマはいくつかすでに出ていますが、正直どれもいまいちです。すでにメディアに出回った誰もが知っている話をなぞっているだけというのもあるし、王室に切り込んでいるようでいて実はそれほど勝負をかけていないからです。
どうせなら訴訟覚悟で、王室やイギリスの諜報機関MI5がダイアナ妃を暗殺したという前提で進んでいくサスペンス映画にするぐらいじゃないとヒット作品にはならないんじゃないでしょうか。
なんならフィクションとして名前をちょっとだけ変えてやればいいじゃないですか。架空の国のディアナ妃とかにして。それぐらいやらないともう面白くないですよね。
あとダイアナ妃は映画化されても、チャールズ皇太子が主人公の映画は製作されないのも笑えますね。やっぱりみんなおっさんの話よりも美人の悲劇が好きなんだよなあ。
コメント
まだ未見ですが、気になってます。クリステンは仕事も私生活もかなり自分のやりたいようにできている人で、そんな彼女が抑圧されたダイアナの役をやるのは興味深いですね。英国王室もですが日本の皇室とかも絶対に幸せになれなそうな気しかしませんね。
ほぼほぼクリステンの映画って感じでした。
何かメーガンの伝記映画を撮る前の露払いみたいな予感がします。
メーガンの伝記映画売れるんですかねえ。ダイアナほど人気ないような気がするんですけどね。
私はかなり楽しめました。ファッションが好きというので余計に点が甘くなったのかもしれませんが。ダイアナはディオールのイメージが強かったですが、衣装提供がシャネルだったのも面白かったです。
書かれている通り、クリスチャン スチュワートを見る映画だと思います。ルックスにしても演技にしても。たった三日間の話、そう大したことも物語としては起こりません。でも周囲からの圧迫感で、玻璃のように壊れていまいそうなダイアナの心情が、スクリーンから十分に伝わってきました。
またロイヤルファミリーがクリスマスを過ごす別荘が、スペンサー旧邸とそこそこ近い位置にあったということが発見でした。映画を見終わった後、Googleマップで調べてしまいまた。本当でした!!
「アクトレス」ではかなりダブダブなヌードを晒し、「アンダーウォーター」ではマッチョな肉体美、今回はかなり絞ってましたよね。あまり 興味のなかった女優さんでしたが、作品に対する本気度を感じ、この作品でちょっと好きになりました。
飛行機の中で見たんですが、ホントつまらない映画だった・・・途中で辞めたくなる映画というのも珍しい。クリステン演ずるダイアナには全く共感できず。なんか嘘くさすぎ。「演じてます」感が一杯。私的にはクリステンはミスキャストかと。彼女はクールビューティなタイプなので、ダイアナのナイーブさ、暖かさ、エモーショナルな部分が欠けているように感じた。Netflixの『Crown』でダイアナを演じた女優の方が役にあっていたと思う。
物真似みたいな演技でしたね。
映画男さん、お疲れ様です。
ずっと以前ナオミ・ワッツさんもダイアナ妃役を演じられてたので、何かもう手垢がついてしまった様な感じですね。まあクリスティンさんもお上手なんですが。
ダイアナ妃映画やドラマが増えすぎましたね
あまりにも暗くて眠くなりますね。
王家に嫁ぐ苦労は想像に難しくはないですが、私はカミラとの不倫くらいしか知識がなかったので、ただただ奇行を映像化されたように感じ、本物のダイアナ妃が気の毒になりました。
アンブーリンも、いきなりの女性からの告白も必要だったのか、、、?
ただ、おっしゃる通りクリステンはとにかく美しかったですねーモノマネが過ぎましたがw
ずっと物まねでしたね