恋人と見るというより、どちらかというと男が一人でファンタジーに浸るために見るクリスマスラブコメ映画。出てくる登場人物は基本的にみんないい奴です。59点
ラブ・ハードのあらすじ
自分の恋愛失敗談を書いて生計を立てている記者のナタリーはある日、理想の男性ともいえるイケメンのジョシュと出会い系アプリで知り合う。
彼との会話は自然に流れ、ナタリーは自分の素のままでいられた。しばらくメッセージを交換するうちにナタリーはすっかりジョシュに夢中になっていた。
そこでナタリーはクリスマスのタイミングでジョシュにサプライズで会いに行くことにする。しかしジョシュの家で現れた男はプロフィール写真とは程遠い中国系のオタクだった。
ナタリーは騙されたと思って激怒し、すぐに帰ろうとするとひょんなことからジョシュとクリスマスまでの時間を一緒に過ごすことになる。
ラブ・ハードのキャスト
- ニーナ・ドブレフ
- ジミー・O・ヤン
- ダレン・バーネット
- マティ・フィノッキオ
- ジェームズ・サイトウ
- ロックリン・マンロー
- ハリー・シャム・Jr
- ミカエラ・フーバー
ラブ・ハードの感想と評価
エルナン・ヒメネス監督による、日本人を含む世界中のオタクアジア系男子に贈るクリスマス恋愛ドラマ。ベタではあるものの、世界市場を見据え多様性を生かしたネットフリックスらしい多人種ラブストーリーです。
出会い系アプリで理想の男を探すヒロインと外見を偽ってプロフィールを作っていた男が出会ってから様々な出来事を経て恋に落ちるまでを描いていて、予想通りに話が進み、視聴者の期待通りに終わっていく作品です。
特に設定やオチに新しいものはないんですが、ヒロインを可愛い白人、相手役をオタクっぽい中国人男子にしているのがハリウッドにおいては挑戦的といえるでしょう。「ハーフ・オブ・イット・面白いのはこれから」と通じるものがあります。
また監督がプエルトリコ人なんですね。それならそうともう一つ踏み込んでヒロインをヒスパニック系にするか、アフリカ系にしてもよかったですねぇ。それと別にヒロインを可愛い子にしなくてもよかったですね。ヒロインも写真を盛ってて、嘘つきはお互い様だし、性格が合うから付き合おっかっていう流れでもいいよね。オタク女子とオタク男子の恋愛で成立させられたらもっとすごいんだけどね。
おそらくオタク男子たちをターゲットにして彼らが夢を見れるようなクリスマスプレゼント的な作品にしたかったんでしょうね。
いずれにしても長年差別偏見当たり前でやってきたハリウッドからしたらかなり頑張ったほうじゃないでしょうか。実際、一般社会や人々のメンタリティーはまだまだ変わっていないだろうけど、少なくとも映画文化の中でここまで変わって来たのは驚くべき成長といえます。
ストーリーの舞台がクリスマスシーズンにしてあって、今後毎年この時期に見れるようなクリスマス映画にしてあるのがポイントですね。
あなたにとって最高のクリスマス映画はなにかについて言及する場面がいくつかあるんですが、ヒロインの好みは「ダイ・ハード」なんだそうです。
もちろんギャグなんだけど、「ダイ・ハード」をクリスマス映画として見てる人がいたらなかなか面白いですね。
おそらく監督の好きなクリスマス映画は「ラブ・アクチュアリー」なんでしょう。そのため何度も「ラブ・アクチュアリー」ネタが登場するし、ラストもそれで泣かせにきましたね。あの告白の仕方は映画の中であと2,3回使えるんじゃないかなぁ。あれ、ずるいよね。
最後はむしろ男のほうからヒロインの告白を断って、家に帰らせる展開があってもよかったですねぇ。当然男のほうはヒロインに惚れてるでしょ、そんなの当たり前でしょ、っていう前提で話が進んでいくのが、なんか不平等な感じがしないでもないです。
まあ全体的に可愛らしく、微笑ましく、楽しんで見れる内容でした。「もし出会い系アプリで知り合った男が写真を偽っていたら」というプロットは十分にありえる話だし、その後の展開の作り方が上手です。
普通だったら相手がプロフィール写真を盛りすぎてたら、ふざけんなって言って即帰ってるんでしょうが、その後のフォローの仕方がよかったです。
プロフィール写真に使ったイケメンは実は友達で、そいつを紹介するからクリスマスまで家族の前では恋人のフリをしてくれ、という流れは映画的ではあるものの許容範囲じゃないでしょうか。
そしていつ家族に嘘がバレるのか、というのを時限爆弾にして、ハラハラドキドキの展開を作り、ヒロインと相手役を喧嘩させて仲直りさせてラストに結ばれる、という流れはいわば教科書通りでしたね。
そういう意味では意外性やサプライズは全くなかったですね。でも最後まで楽しめるエンタメ映画に仕上がっていました。それで十分だと思います。
コメント
こんにちは。
私もこの作品は比較的に綺麗にまとまっていて強引な展開もなくて楽しめました。
共感できる部分も多くて、出会い系アプリあるあるをうまーく恋に発展した感じでした。
映画では現実を忘れたいので美男美女が多少なり出演してほしい願望があるのでこれぐらいがベストかなって思います。
綺麗にまとまっていましたね。僕も楽しかったです。
相手役の人種が違うバージョンでどこかで見た事あるような作品ですが、テンポも良く安心して見られました。
こういう題材って恋愛映画ではハズレがない、普遍的テーマなんですかね。
最後はちょっとホロってしちゃいました。
ほんと、『ラブ・アクチュアリー』のシーン持ってくんのズルい!
人間、顔じゃ無いとは経験上分かりつつも、マッチングアプリはその特性上、まずそこでマッチングが決まるわけで、、、w
けど、お互いの実際の姿を見てない分メッセージのやり取りは結構ディープな部分まで話せたりして、それが実際会った時にはすぐ打ち解けられる要因になったりする訳で。
男女に関わらず関係を築くって複雑で興味深いなあ。
テンポの良さが大きな要素でしたね