ずっこけるだけの展開が延々と1時間半続く人形アニメ。テレビ画面に流しておいてこどもに見せるのはいいけど、がっつり見る作品じゃないです。42点。
ひつじのショーンUFOフィーバーのあらすじ
モシンガムの街に住む農家のジョンと犬のビンゴは夜中にUFOが地上に着陸しようとしていたところを目撃する。するとUFOの中からエイリアンが降りて来たため、ジョンとビンゴは慌ててその場を去った。
一方ひつじのショーンはある日の朝、自分が前日に注文したピザをこっそり食べていた、ルーラと名乗るエイリアンと遭遇し、仲良くなる。ルーラはどんな音でも再現できる能力を持っていた。
街ではUFOの話題で持ち切りとなり、それを目当てに見物人たちが大勢やってきた。この状況を見て牧場主のビッツァーはファルマゲドンという名のUFOのテーマパークを作る。
一方で政府のエイリアン捕獲局のリーダー、レッドはエイリアンを捕まえることに躍起になっていた。レッドは子供の頃にエイリアンと遭遇したのを誰にも信じてもらえず馬鹿にされたため、それ以来エイリアンに恨みのような感情を抱いていた。
ひつじのショーンUFOフィーバーのキャスト
- ジャスティン・フレッチャー
- アマリア・ヴィターレ
- ジョン・スパークス
- リチャード・ウェバー
- ケイト・ハーバー
- サイモン・グリーナル
ひつじのショーンUFOフィーバーの感想と評価
リチャード・スターザックとウィル・ベッカーの共同監督によるストップモーション・アニメーションによるドタバタコメディ。「ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜」に続く、長編2作目にして、2021年アカデミー賞長編アニメノミネート作品です。
ひつじのショーンを中心に動物たちの目線で物語が展開していく人形劇で、セリフがほとんどないのが特徴です。そのためストーリーが若干分かりにくい、あるいはストーリー性が薄いです。
そんな条件の中で可愛いキャラたちが逃げ回ったり、転んだり、ぶつかったりするのをノリのいいBGMに乗せて面白可笑しく映し出す、といった作りになっています。
普段、会話、脚本重視で映画を見ているせいか、急にこういう無声映画のようなものを見ると、耐性ができていないせいかただ慌ただしく動物たちが動いているのだけが目についちゃって筋書すら全然頭に入ってこないですね。
そもそもエイリアンが犬の顔をしているので、あいつがエイリアンであることにすら大分後になるまで気づきませんでした。ああいうキャラの犬なのかと思っちゃったもん。
セリフなしの人形劇となると、当然ずっこけギャグみたいなネタが中心になります。木にぶつかる、壁にぶつかる、転ぶ、落ちる、壊す、といった具合に世界共通の笑いではあるものの、かなりベタです。
ちょっと笑えたのは、効果音やBGMで「2001年宇宙の旅」や「Xファイル」といったほかのSFもののネタを使ったシーンが度々登場するところですかね。「Xファイル」のテーマ曲でオートロックをあけるのはなかなかの発想でした。子供たちにはああいう小ネタは分からないでしょうが。
話の流れとしては、ひつじがエイリアンと仲良くなる>そのエイリアンを悪者が捕まえようとする>ひつじとエイリアンが力を合わせてピンチを切り抜ける>エイリアンに助っ人が現れ、無事宇宙に帰っていって感動の別れでフィナーレ、といった感じで、王道のET路線の友情物語になっています。いわばETの少年をひつじにして、人形劇にしただけです。
基本ずっとドタバタ劇が続くだけなので大人が集中力を切らさずに最後まで見るのは結構大変でしょう。ひつじたちもたくさんいるので、誰が誰だか分からないという問題もあります。
要するにミニオンズをひつじに変えただけなんだけど、ミニオンズの可愛さとアホさには到底叶わないですよね。
それに対し、子供には逆に絵やキャラクターを追っていくだけのこうした作りのほうが分かりやすいのかもしれませんね。
ひつじのショーンってもともと1話7分程度のショートアニメなんですよね。やっぱり長編はさすがに厳しいなあ、というのが正直なところです。どちらかというとショートストーリーはいくつも見せるタイプの作品だし、ユーチューブ向けですよね。
いずれにしても嫌味はないし、誰も傷つかない、平和で可愛い世界のお話なので、今の世の中には必要な作品なのかもしれません。
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