とても前作と同じ人が監督したとは思えないほどの失敗作。こんなに脈略のない続編は初めてかもしれません。25点
ワンダーウーマン1984のあらすじ
1984年のアメリカ、ダイアナ・プリンスはワンダーウーマンとして悪と戦う一方で博物館で勤務していた。
ダイアナは職場で鉱物学者のバーバラと知り合う。バーバラは変わり者で、自分に自信がなく、ほかの職員たちからも疎ましがられていた。バーバラは次第に美人で、人気があり、溌剌と働くダイアナに憧れを抱くようになっていく。
そんなある日、博物館に密輸業者の盗品が届けられ、バーバラはFBIに調査を依頼される。盗品の中にはラテン語何か書かれた不思議な石があった。
後にその石は、なんでも願いを叶えることのできるドリームストーンであることを知る。それを知らずにダイアナは、かつて彼女が愛し、すでに亡くなったスティーブ・トレバーと再会することを石に願うと、彼女のもとにスティーブが現れた。
一方、バーバラはダイアナのように強く、格好良くなりたいと願い、スーパーパワーを手にする。また、石の秘密を掴んでいた、詐欺石のマックス・ロードはバーバラに近づき、石を盗んでしまう。そして自分自身をドリームストーンになりたいと願い、人の願いをかなえられるパワーを手に入れる。しかしそれが世界を混乱へと巻き込む第一歩となるとはそのとき知る由もなかった。
ワンダーウーマン1984のキャスト
- ガル・ガドット
- クリス・パイン
- クリステン・ウィグ
- ペドロ・パスカル
- ロビン・ライト
ワンダーウーマン1984の感想と評価
「モンスター」や「ワンダーウーマン」で知られるパティ・ジェンキンス監督による、ごちゃごちゃ滅茶苦茶なヒーロー映画。
ドラゴンボールと聖闘士星矢を混ぜたみたいな世界観がひどく、ヒロインのガル・ガドットを全く活かしきれていない駄作です。
物語はいきなり意味不明なシーンから始まります。幼少期のダイアナがほかのアマゾン族の女たちに混ざってSASUKEみたいなアスレティックサバイバルゲームに参加するんですが、次の瞬間舞台は突然1984年にジャンプし、特につながりがないんですよ。
嘘はダメだよ。ずるして勝利しても意味はないよ、みたいな教訓と、その後のどのストーリーにリンクさせたいのかいまいちわかりませんでした。
あれがアマゾン族の「真実」に対するこだわりと、魔法の石を使ってかなえたものは「真実」じゃないみたいな暴論と結びつける手段だとしたら完全に空振りですね。SASUKEのオープニングに10分も費やす必要性ないから。あれならいっそのこと1984年からスタートしたほうがよかったよね。
とはいえ1984年を舞台にした意図も理解に苦しみます。前作の「ワンダーウーマン」は第一次世界大戦が舞台だったので、まだ時代とワンダーウーマンがマッチしていたんだけど、今回はミスマッチにもほどがありますよね。
ワンダーウーマンだけやたら浮いてるし、あのコスチュームがダサく見えるのが不思議でした。同じキャラクターなのに時代設定が違うだけで、ああも変てこに見えるんですね。
サブキャラたちもさえない奴らばかりでした。男たちから全く相手にされない、いけてない女バーバラがどうみても美人でセクシーなのもいただけません。メガネをかけて、精一杯オタクっぽくしてたけど、美人を隠しきれてなくてキャラ設定に無理がありましたね。
また、バーバラが敵キャラへと変貌を遂げていく過程も説得力がないです。ダイアナのように強くて、格好いい女になりたい、と願うのはいいんだけど、それって肉体的な強さじゃないでしょって思うんですよ。
どこのおばちゃんが重いバーベルを持ち上げられるようになりたいなぁ、男たちを簡単にぶっ飛ばせるようになりたいなあ、とか思うよ。その発想がそもそも男性的で、せっかく女性キャラクターを出しても結局のところは女性に男性の代わりをさせてるだけなんですよね。
もう一人無駄なキャラが、帰ってきたダイアナの恋人スティーブ・トレバーじゃないでしょうか。第一次世界大戦を生きた男が、別の男の体に乗り移って、この時代に登場するという無理やりな話に誰がついていけるんでしょうか。
それも肉体は別の男だけど、ダイアナにはスティーブ・トレバーに見えるとか、なにもかもが強引ですね。そしてそのスティーブ・トレバーがなにが起きているかよく分からないけど、とりあえずダイアナについていって悪者たちと戦うというくだりは笑うしかなかったです。
物語は、どんな願いでもかなえてくれる「石」頼りで、人々が石に翻弄されるだけの展開しかありません。それも無制限に願いを叶えてくれるので、世界はカオスに陥り、それと同時にストーリーも収集がつかなくなります。みんなの願いをかなえ放題にしたらそりゃそうなるでしょって考えればわかりそうなものですけどね。
唯一、この映画に出演して得したのは敵キャラを演じたペドロ・パスカルぐらいじゃないでしょうか。ペドロ・パスカルといえば「ナルコス」や「マンダロリアン」で人気を博した俳優ですが、本作でイメージをあえて崩しに行った感がありますね。彼が演じるマックス・ロードはおちゃらけキャラで野心家で、自分勝手で、ちょっとだけ家族思い、というやっぱりよく分からない性格でしたが。
コメント
冒頭のシーン意味不明って貴方の眼は節穴ですか?
今作のテーマを提示してるじゃないですか!
もしかしてメッセージ性の強い作品は苦手なんでしょうか。
こんばんは お疲れ様です。
wowowでやってたので久々に2回目を
見たんですが
現代に蘇った80年代映画って感じで
リチャード・ドナー(グーニーズ、スーパーマン)
の映画が現代に蘇った!って感じで
意外とワクワクしました笑
(製作スピルバーグみたいな笑)
が
80年代の娯楽作にしては
150分はちょいと長めで
確かに…冒頭のSASUKEを無くして
いろいろもうちょい短くまとめた方が
見やすかったかもしれないですね
(超ボリューミー)
でもまぁテンポが速いので
全然150分が長く感じなくて
細かいこと気にせず80年代の映画見る感覚なら、
楽しめます👍(概ね)
やっぱ1作目と違うアプローチなんやろうね
構想14年でもうやりたいこと全部
1作目でやっちゃいましたから😅
あと今作は
ハンス・ジマーの曲目当てでも
見たんですよね
(※なぜか劇中ジョン・マーフィーの曲が使われておりました
ワンダーウーマンが空飛ぶ所で
「Adagio in D Minor」って曲です
まぁあの曲好きだからええけど
https://youtu.be/MGbC730C4BA
ジョン・マーフィーは
ザ・スーサイド・スクワッドで久々に
映画音楽担当してます
この繋がりは個人的に好きなんですよね〜
という話です笑)
僕みたいな
ハンス・ジマー好きな人が観る映画でもあるかなと
曲目当てで見たりするんですねえ。僕はそこまで音楽には注目できてなかったです。
ボッコボコの酷評で笑ってしまいました。
確かに冒頭のSASUKEみたいなシーンとか、スティーブの復活とか不要なプロットが多いですよね。
私はマックス・ロードがキャラ立ちしてて映画的に好きでした。劇場で映画を観たのがTENET以来だから感覚が麻痺してるのかも知れません(笑)
引き続き楽しみにしています。
マックス・ロードだけはキャラが濃くて、良かったですね。でもほかがダメダメでした。
I‐MAXカメラで撮影した冒頭のSASUKEシーンの映像は綺麗なんだけれど、メッセージ性の打ち出し方が無理やり過ぎる。
馬を失ったチビ・ダイアナが頑張って勝利したら、「いやお前、ショートカットしたから失格な…」とか、そんなルールが何処に提示されていたのか?と。
チビが大人に混ざって頑張っていたら、唐突に因縁つけられた風にしか見えない、あのシーンはw
あとスタッフロール見ると、コロナの影響か妙に人数少ないんだけれど、そのせいかCGはショボいし、チーター女とのバトルの際に崩れた柱のハリボテ感が半端ない。
「伝説のゴールデンアーマー」の使いどころも、完全にヒーロー物のツボを外しまくっていてシラけまくった。
ヴィランのチーターの設定も、今時使い古された「獣人」で新味が無いし、ラスボスの詐欺師との決着も、序盤にガキが出て来た時点で、「どうせ最後は息子への愛とかで改心するんだろうな。」とか展開がモロバレな上に、主人公がボコられた挙句に敵の情に訴ええるとかいうカタルシス・ゼロのラスト。
男性ヒーローと違って、「力で敵を制圧しない」とかいうコンセプトらしいけど、序盤から中盤の「強盗」「酔っ払い」「軍隊」は力でボコボコにしているんだから、最後だけそんな事やっても説得力が無い。
全体的に構成がグダグダで、自意識過剰な中学生が週刊少年ジャンプに投稿したイタい自作漫画みたいなプロットだった。
本当にオープニングが無理やりでしたね。あのシーンにメッセージ性とかを感じられる人が逆にすごいなと思いました。
あの「黄金聖衣」には何の意味があったんですか?
特に意味がなかったような気がします。
女性が監督する作品はつまらない
この監督の別作品はなかなかいいですよ。
やっぱだめでしたかーw
イチファンとしてようやく観れて大喜びだったんですが、実際見ながらと見た後なんとなーくモヤモヤとした点が見事に上がってて、あ、やっぱそうだよなってなりましたw。3に期待したいです…。
いつも楽しませてもらってます!ありがとうございます。
楽しんでもらえて嬉しいです。これはダメでしたねー。前作が良かっただけに、今回はがっかりでした。
こういうのは何を目当てで観るべきでしょうかねえ。
主役は美人だが、残念だがエロくもないし、ありえないドタバタがあって最後に勝っておめでとうという、おんなじような話になるので、頑張って作り上げたアクションシーンだけは見て、あとは早送りかな。でも面倒だから全然観なくていいや、エロくもないし。
と否定的であったら、このコメントで、ダメなのが詳しく分かって楽しかったです。
しかし映画男先生はどれだけ映画を観られているのか、ものすごいですね、私からしたら先生ですよ。その幅がすごい。
なんでも観るのは映画への敬意ですよ。私は何かこう、まーず、「誰がそんなの観るんだ、俺は観ねえぞ」と否定から入るし、すごく片寄るので、良くないよな少しと感じますが、しかし変わることはない。
観るのやめようと思ってる作品を観ないと決定するだいたいが、先生の文句ですね。
しかし先生のお薦めの作品は、ジャンルによらず、色々と観てみたいと思ってます。
Pアンダーソンは私は、マグノリアはなんだか分からなくて、ゼアゥィルビーブラッドは最高だったので、自分のセンスも全く信用しませんが、自分が面白けりゃいいわけで、それで良いと一貫している先生の考え方は、これも勉強になります有難うございます。
またコメント寄せる人が物知りで賢い人が多く、先生への賛否が凄まじいものもあるので、先生は世に一つコメントを投げるだけで、なかなかの嵐を起こされるなあ、と関心します。誰も先生に敵わないと思うのは、先生ほど映画を観てる人はいないんじゃないかな、ということです。
ユーモアもお持ちだ、この文句でもサスケなんて秀逸で、これを観てなくても一撃でイメージがつく。
映画は観なければ始まらないので当然に観るわけですが、しかしこの量はすごい。尊敬します楽しい文句をこれからも宜しくお願いします。
さて、そのうち養蜂家の映画を借りて来よう。
バーバラが肉体的な強さを望んだのではなくて、ダイアナの様になりたいと願ったらアマゾン族の強さがくっついてきたのではないでしょうか?
そこに丁度危害を加えてきた男と再会し人間離れした力で復讐することで、加虐性に目覚めてしまったのではないかと受けとりました。
バーバラが男の暴力に恐怖したときにダイアナに助けられているから、より強い腕力に憧れがあっても不思議ではないですし。
冒頭のSASUKEでもダイアナが自分の力を過信し油断した結果、反則負けになっていますが、油断せず前を向いていれば勝ててた流れでした。
つまり、他より秀でた力に溺れてしまうというのも今作のテーマの一つなのかと。