スポンサーリンク

82年生まれ、キム・ジヨンは韓国性差別ドラマ!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

韓国社会のセクハラエピソードを集めた家族ドラマ。女性賛美とも取れるし、男社会批判とも取れる作品です。58点

スポンサーリンク

82年生まれ、キム・ジヨンのあらすじ

キム・ジヨンは1歳の娘と夫のデヒョンとソウルの郊外で暮らしていた。出産後、彼女は仕事復帰を望んでいたが、家族の理解を得られずなかなかできそうにもなかった。いまだ韓国社会では女性は子供を産んだら家を守るべきだ、といった根強い偏見があった。

姑は夫の心配ばかりで、自分のことなど気にかけてくれなかった。夫のデヒョンも本当はキム・ジヨンの仕事復帰を望んでいないのではないかとさえ疑った。

ところが実はキム・ジヨンは産後、鬱気味でときどき別人が乗り移ったような症状を見せることがあったのだ。夫はそのことで彼女の身を心配していた。そして精神科医に通うことを勧めていたが、なかなかキム・ジヨンがその気になってくれなかった。

そんな中、キム・ジヨンはパン屋でパートタイムで働くか、昔の上司の元でフルタイムで働くか模索していく。しかし彼女の体調は彼女が気づかないうちに悪化していく。

82年生まれ、キム・ジヨンのキャスト

  • チョン・ユミ
  • コン・ユ
  • キム・ミギョン
  • コン・ミンジョン
  • パク・ソンヨン
  • イ・ボンリョン

82年生まれ、キム・ジヨンの感想と評価

キム・ドヨン監督の長編デビュー作。同名のベストセラー小説をもとにした、シリアスで重い家族ドラマです。

男尊女卑の韓国社会に一石を投じる内容になっていて、性差別を中心としたエピソードで物語が構成されています。

基本ずっと女性は見下されている、不当な扱いを受けているという被害者視点で描かれるので、それに共感するか、わざとらしいと見るかで評価が変わってきそうな作品です。

まず、最初にポイントとなるのは、新年の家族の集まりでの一コマで、姑は息子の嫁に対して直接ではないものの、無言の圧力をかけて家事、手伝いをさせます。男たちがくつろいでいるのに対し、新年のごちそうを作るのは女の仕事で、そんな風習にもヒロインのキム・ジヨンは疲れ切っている様子でした。

キム・ジヨンの母は学校の教師になる夢を持っていたものの、子ども3人を育てるためにそれを諦め、自分の人生を家族に捧げました。そんな母親を見て育ったキム・ジヨンは必死で勉強し、キャリアを築こうとしますが、就職した職場でも女は基本黙ってろ、といった雰囲気があり、セクハラは日常茶飯事でした。

挙句の果てには職場の女子トイレに隠しカメラを設置されたりと、女性としての尊厳を踏みにじられることの連続でした。そんなキム・ジヨンは出産後、社会復帰を望んで奮闘しますが、女友達は応援してくれるものの、姑に猛反対に遭います。そして韓国社会での生きづらさに絶望を覚え、どんどん病んでいく、というのがストーリーの流れです。

簡単にいえば、結婚して、家庭に入ったヒロインの社会復帰までの奮闘劇で、男尊女卑社会で女として生きることがどういうことかをつづっています。

フェミニスト映画といってしまえばそうだけど、韓国社会ほどじゃなくても、日本社会にも十分に通じる内容です。日本人女性にもヒロインと同様の体験をしてきた女性は少なくないでしょうし、そういう意味では、ヒロインに感情移入するのはさほど難しくないんじゃないかと思います。

夫がヒロインに病気のことを告げたシーンはなかなか感動的だったし、いくつか見ごたえのあるシーンがありました。子育てに疲れ、やつれたヒロインを演じたチョン・ユミもよかったです。

一方であまりにもセクハラ、性差別にフォーカスしすぎていて、話が極端に感じなくもないですね。若い韓国人女性が見たら、今はこんなにひどくないよって思う人もいるだろうし、性別だけじゃなく、世代によっても見方が変わってきそうですね。

ストーリーはさておき、物語の構成においては現在と過去が行ったり来たりするため、わかりにくさが多少あります。あと、産後の鬱によってお母さんやお祖母ちゃんが乗り移ってくるみたいな精神病なんてあるんですかね。一種の統合失調症なのかなぁ。

他人が乗り移ってきたときにできればシャーマンみたいに声を激変させたらよかったんですけどね。あの下りはホラーテイストにしてもよかったんじゃないのかなぁ。ぞっとするような高い声を出しても面白かったんですけどね。セリフだけでは一瞬何を言ってるのか分からなくて状況を理解するのに時間がかかりました。

また、ストーリーの着地点が全然見えてこないなぁ、という印象も受けました。ヒロインの病気が悪化していく過程を描いていくつもりなのか、病気を克服していく様子を描くのかがはっきりせず、エンディングはどこかあやふやなハッピーエンディングになっていて、すっきりしませんでしたね。

そもそもあんな重度の精神疾患が簡単に治るのかよって思ったし、あの流れから言ったら悲劇の流れだったんじゃないかなぁ。

コメント