映画史上に残る、残念なラストが待っている駄作。純粋な生存劇にすればいいのに安っぽい哲学に偏ったことで失敗した戦争ものです。30点
ALONE/アローンのあらすじ
北アフリカでアメリカ軍のスナイパー、マイクはパートナーのトミーと共にテロリストのリーダーを殺害するミッションを遂行しようとしていた。
砂漠のど真ん中でテロリストのリーダーが射程圏内に入り、あとは引き金を引くだけだった。しかしテロリストが結婚式のセレモニーを始めたためマイクは躊躇してしまった。その結果、相手に見つかってしまい、マイクとトミーは退散する。
敵に追いかけられた二人は砂漠を徒歩で越え、近くの村を目指した。土地柄、アメリカ軍がすぐに救援を寄こすことはできなかった。
砂嵐に巻き込まれながらもマイクとトミーは歩き続けた。やがてトミーの水は底をついた。マイクが自分の水をトミーにあげると、トミーは再び元気良く歩きだしたが、あろうことか地雷を踏んでしまう。
トミーの両脚は地雷によって吹き飛ばされてしまった。その瞬間、マイクまで別の地雷を踏んでしまい、身動きが取れなくなってしまう。トミーは無線で仲間に連絡を取るのではなく、自らの頭を銃で撃ち、自決する道を選んだ。
こうしてマイクは地雷を踏んだまま、たった一人砂漠に残されてしまった。果たしてマイクは生き残ることができるのだろうか。
ALONE/アローンのキャスト
- アーミー・ハマー
- アナベル・ウォーリス
- トム・カレン
- クリント・ディアー
- ジェフ・ベル
ALONE/アローンの感想と評価
ファビオ・レスジナーロとファビオ・グアリョーネの共同監督によるシチュエーションスリラー。地雷を踏んだアメリカ軍人が生き延びるために究極の選択に迫られる様子を描いたサバイバル劇です。
主人公の身動きが取れなくなり、一か八かの賭けに出る、という点では「127時間」を彷彿とさせます。エンディングの酷さは「ザ・ウォール」と似てなくもないです。
しかし「127時間」ほど人間の深層心理を描き切れておらず、全体的にかなり浅い内容になっていました。
序盤はそれなりに戦争映画としての体裁を保っているものの、主人公が地雷を踏んでからの展開はアイデアに欠け、安っぽいファンタジーになっていきます。
起こることといえば、砂漠の中で過去を回想したり、幻覚が見えたり、というだけで、主人公の思い出やトラウマを延々と繰り返すだけの退屈なストーリーになっていました。
特に地元民のベルベル人がふらっとやって来ては水をくれたり、哲学的な話をしていく様子は間抜けですね。
地雷を踏んで冷や汗をかいているマイクと、まるで大したことじゃないかのように振舞うベルベル人の男の温度差といったらなく、あの二人のやり取りのせいでこの映画が台無しになったと言っても過言ではないです。
あそこは一人でどうするか決めるから面白いのであって、なんであの状況でメンターが登場するのか分からないんですよ。それもメンター自身、地雷で脚を吹き飛ばされている経験の持ち主で、そんな男がぬくぬく地雷があちこちにある地域を歩いてないでしょ。学習能力ないのかよ。
ハイエナだか、オオカミに襲われる下りも馬鹿ですねぇ。あんなところにそもそもオオカミが生息してるのかどうかも謎ですが、オオカミを殺した後にあった死体もそのうちなくなっちゃうし、あれも幻覚っていうことなんですか? 全部幻覚になっちゃうじゃん。
もとはといえば、マイクがミッションを遂行するときに私情を挟んで、テロリストに同情したりするからパートナーのトミーも死んじゃったわけで、軍人としてマイクはかなりポンコツですよね。
軍の命令に背いて、アメリカ軍が1年以上追いかけてきた男をみすみす逃すなんて、あってはならないことじゃないですか。それも引き金を引いて命中しなかったのならまだしも、ああでもない、こうでもないと言っている間にチャンスを逃し、スナイパーのくせに一発も撃たずしてミッションに失敗するなんてもってのほかですね。
ラストのオチはギャグでしかなかったです。しょうもないのでオチもいっちゃいますね。知りたくない人はこの先は読まないでください。
マイクは決死の覚悟で地雷を踏んだ足を離します。なんでも地雷は時間が立つと、性能が落ち、7%ぐらいは不発に終わるんだそうです。
その少ない可能性にかけてマイクはついに足を外します。ところが結局地雷は爆発しませんでした。不発弾かと思いきや、それは地雷ではなく、ブリキの缶だった、というのがオチなのです。ありえねえ。
それだけならまだしも、そこで自分と向き合ったマイクが最後、恋人に一歩を踏み出してプロポーズするっていうところで終わるんですよ。なにをお前は地雷から一歩踏み出すことと結婚に踏み出すことをかけちゃってるんだよ。
一体、自分は今までなにに付き合わされてきたんだろうって思いましたね。なかなか結婚の決意ができない男が勇気を振り絞る姿とか別に興味ないし。
それも当然相手にプロポーズを受けてもらえることを前提にしているからダメですね。そういう描写はなかったけど、きっとあの後、マイクは恋人に断られますよ。
コメント
脚本が奇をてらいすぎ。
高校生の演劇コンクールで、顧問教師から「独りよがりで分かりづらい」とダメ出しされるレベルかと。
これはダメでしたね。
真剣に物事に向き合い挫折した時の、心のゆらぎを見事に表現していると思いますが。地雷を踏んだシチュエーションを、ハラハラする映画ではないですよ、これは。
心の話なので、最後のラストが効いてくるんです。踏み出せば、必ず結果はついてくると。
文句しか言わんやん
なにこの文章
評論家気取りで記事書くのなんて小学生でもできるんですよね。
しかも救いがないのが「批判しか」していない事ですね。
「やだやだ!私の心に響かなかった!理解もできなかった!駄作!」こんなんじゃあねぇ検索で出てきて不快なのでもっと下の方に仕舞ってくれませんかね?
面白くなかったというだけの感想をここまで丁寧に長文で気持ちよさそうに書かれてるのを見ると十分この映画を楽しめたんじゃないですか?
作品の尺の都合もあると思いますがもっと掘り下げて描かれていればさらに面白いだろうなとは感じました。それでも独特の空気感にメッセージ性は感じました。
プロフィールの特技が文句を言うことって大丈夫ですか?仮にそうだとしても堂々と言うもんじゃないですよ。