日本のアニメ映画を長年引っ張ってきた監督といえば宮崎駿。そんな彼のジブリ映画を中心としたおすすめ作品とそうでない作品をランキング順に紹介します。
9、風立ちぬ
ストーリー、構成、声優、演出のなにもかもがゴチャゴチャでいまだになんの映画か分からない代物。とりあえず戦争に触れてみましたので、さあどうぞお泣きください的な乱暴な作品です。
8、崖の上のポニョ
少年と魚の子の友情を描いたシューリアリズム・ファンタジードラマ。ポニョを可愛いと思うかどうかで、作品の評価の大部分が決まりそうな一本で、ストーリーはいい加減かつ大雑把です。
そもそも魚の子ってなんだよ。それってただの魚じゃねえかよっていうところから疑問が始まり、ストーリーが不親切すぎて最後まで設定や世界観の疑問を一切解消してくれない作品です。
7、千と千尋の神隠し
お父さんとお母さんが豚になってしまったことで、一人になってしまった少女が、嫌々銭湯で働かさせられる、つらくて悲しい物語。
ナチスの強制就労所、あるいは風俗に売られる少女をモチーフにしたとしか思えないストーリーに違和感を覚えるかどうかが鍵で、僕にとっては気味の悪い話にしか思えませんでした。
6、風の谷のナウシカ
とにかく動物にだけは優しいムツゴロウみたいな少女が、ミニスカを履いて空を飛んだり、自己犠牲を払う行き当たりばったり映画。オウム、巨人兵などのキャラクターデザインは優れているものの、美少女ナウシカのピュアなキャラ頼りで、ストーリー性に欠ける作品です。巷では名作と称されるけど、今見たら、それほどじゃないです。
5、天空の城ラピュタ
財宝が眠っているとされている天空の城ラピュタをめぐって海賊、軍隊、そして少年少女が争いを起こす、ファンタジー戦争ドラマ。
序盤はいいものの、中盤から終盤にかけて失速していっては、最後はとにかく破壊に次ぐ破壊でごまかして終わっていく作品です。雰囲気でゴリ押ししてくるので、なんとなく名作っぽく見えますが、実は平凡な映画です。
4、紅の豚
豚のくせに、イケメンぶったキザなパイロットが、未成年の少女を連れまわしては格好つける、男目線のファンタジードラマ。フェミニストが見たら怒り心頭すること間違いないぐらい、男に都合のいい設定のもと成り立っている話です。ただし、ほかの作品と比べると、まだ見れる類の作品です。
3、魔女の宅急便
一人前の魔女になるために、見知らぬ街で一人暮らしを始める少女キキの体験をつづった、成長と自立のドラマ。登場人物が感じのいい人ばかりで、全体的に優しいエピソードに溢れ、見ていて心がほっこりするタイプの映画です。
さらに久石譲のピアノでハートを鷲掴みにされ、ユーミンの曲が哀愁を誘います。なにより魔女の概念を根底から覆しているのがいいですね。
2、もののけ姫
動物と人間の争いを描いた戦争ファンタジー。人間目線、動物目線の両方で物語が語られるのが良く、正義と悪者といったような分け方をせず、両方に感情移入できるような演出が素敵です。
映像が格好良く、戦闘シーンはジブリアニメの枠を超えた、暴力描写まで含まれており、大人が見ても十分に楽しめる名作です。間違いなく宮崎駿監督の集大成。
1、トトロ
都会から田舎に引っ越してきた幸せな家族の日常を、トトロという癒しキャラの存在を使って、見事な非日常に昇華させた普及の名作。宮崎駿作品の中でも最も日本を感じさせる内容になっていて、日本らしさを上手く引き出している作品でもあります。
子供から大人まで楽しめるのはもちろんのこと、日本人だけじゃなく、世界中の人々に愛される映画です。
その他
ルパン三世 カリオストロの城
カジノ強盗を終えたルパンが、偶然何者かに命を狙われている美女と遭遇し、彼女を巨悪な組織から救出するまでを描いたドタバタ劇。アクションシーンやストーリーが「天空の城ラピュタ」とかなり似ていて、おそらくこの映画が一部モチーフになってるんでしょう。
物語には辻褄や必然性がなく、ルパンが無関係な女を理由もなく助け出す様子をダラダラ映すだけの駄作です。
未来少年コナン 巨大機ギガントの復活
兵器ギガントを復活させ、世界征服を狙う反逆者グループと、それを阻止しようとするコナンたちによるSF戦争ドラマ。ジブリ作品とはまた一風違った、ディストピア感たっぷりな世界観がいいんですが、本作はあくまでもテレビアニメシリーズのダイジェスト版で、映画としてはかなり中途半端です。
コメント
宮崎駿はテレビアニメの総集編映画には否定的で、コナンの映画版2作にも直接は関わっていませんね。
無理やり一本にまとめるのではなく、ガンダムの映画版みたいに3部作にするのが理想的だったかもしれませんが。
無理やりまとめた感ありますね。
演出家であってストーリーテラーではないってことなんでしょうね。
ジブリだったら高畑勲の「となりの山田くん」が一番好きです。賛否あると思うんですけど、映画男さんのレビューを読んでみたいです笑
機会があったら見てみまーす。
映画男さんが一番好みそうな宮崎作品は「ジブリ映画」じゃなくて、エコロ爺こと宮崎の御大が描かれた「風の谷のナウシカ」の原作漫画だと思いますよ。
あれ読むと、この人の映画は全部本来の自分を抑制して「ファミリー層向け」にしたカフェオレならぬ「宮崎オレ」だと感じますよ。
もうキャリアも晩年なんだから、ジブリは下の連中に放り投げて本来のブラック宮崎な作品を作って欲しいです。
そんなに原作は違うんですね。機会があったら読んでみます。
そもそも映画においてストーリーなんて大した価値ないんだから、批評はストーリーなどではなく、「映画」を語るべきだし、その「映画」を語るに足り得る教養を身に付けるべき。
つまり、そういった教養が基盤としてあって初めて”批評”になるのであって、こんなブログの、その場で思った事をただただ垂れ流してるだけの駄文は読む価値無し。
話は変わるけど、言葉遣いが松本人志の映画批評本の「シネマ坊主」に似てるね。なんか影響でも受けたの?
あれも中々酷い本だったけど、ユーモアのある文章だったので許せた。
「映画においてストーリーなんて大した価値ない」っていう人間の「教養」とやらに吹いたw
僕も吹きました。
映画男さん、吹いてる場合じゃないですよ!
ゴダーさんは超重要なこと言ってますよ。
僕も映画男さんの文句はすごく表面的にストーリーをなぞってるだけだなぁと思ってました。
それだけならWikipediaでストーリーを読むだけでも書けるじゃないですか。(逆に映画男さんのブログの場合はそっちの方が納得ですが)
映画は総合芸術ですので、ストーリー以外にも音楽・カメラ・演出・俳優、その他にも作られた時代背景ですとか、制作に関わった人の他の作品との関連ですとか「文脈」を踏まえなければ、そもそもその作品を理解すら出来ないじゃないですか。
「観たままで感じればええんやでぇ」みたいな物言いをされる映画男さんのファンの方もいらっしゃいますけど、それは完全に思考停止じゃないですかね。犬とか猫じゃないんですから。意味を考えましょうよ。
それを探り当てるのに必要なのが、ゴダーさんのおっしゃってる「教養」かと思うのですが。。。
まあ映画男さんにしてみれば「また映画通気取りが、なんか細かい事言ってらぁ、ププー」って感じなんでしょうけど。。。
因みに「シネマ坊主」は大嫌いです。あれは「批評」ではなく「感想文」です。
映画男さんこんにちは。ジブリ作品は定期的に観ますが、「ハウル〜」以降の後半作品は「全体のバランスの悪さ(特に脚本の引っかかりや崩れ)」が隠しきれていないところは否めないですね。※世界観の良さや主張に納得・理解はできるものもありますが。
恐らく、有名になるにつれて、良くも悪くも「ダメ出し」できる人が居なくなってしまったのかなと思います。元々、邦画アニメは、監督名が有名になるが故にワンマン体制になりやすいこと、また「議論が苦手」な民族性故に、話し合いや修正作業がしづらいことが挙げられると思います。上記の方も仰っていますが、やはり「演出家とストーリーテラーは違う」のでしょうね。「餅は餅屋」ではないですが、その部分が苦手なら、その道のプロに頼むこともできると思うのですが。
ちなみに、宮崎吾朗監督作品はご覧になっていますか?正直言って、クオリティはどれもイマイチなので、映画男さんが間違いなく「文句を仰る」ことは見えていますが…
宮崎吾朗監督作品完全にスルーしていました。今度機会があったら見てみます。
お返事ありがとうございます。彼の作品は3本あり、最新作「アーヤと魔女」は先日日本で公開されました。彼の処女作は「ゲド戦記」(原作は有名児童文学)で、2本目は「コクリコ坂から」です。