娯楽性に溢れるはちゃめちゃアクション西部劇。前半は面白いけど、後半にダレルのが惜しいです。47点(100点満点)
ジャンゴ 繋がれざる者のあらすじ
1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって自由の身となる。やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。
その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを突き止め……。
シネマトゥディより
ジャンゴ 繋がれざる者の感想
「イングロリアス・バスターズ」、「パルプ・フィクション」、「ヘイトフル・エイト」、「デス・プルーフ+in+グラインドハウス」、などでお馴染みのクエンティン・タランティーノのアカデミー賞ノミネート作品。
「キル・ビル」の世界を西部劇にもってきたような単純明快な分かりやすい映画で黒人のカウボーイを主人公にした数少ない映画でもあり、アイデアが面白く、娯楽性十分です。
ただ、上映時間が長すぎてもうちょっとカットして欲しかったです。 最近は上映時間の長いものが多くて困ります。人間の集中力なんてそんなに続くはずもなく、僕なんかの場合、1時間半を超えると次の日に続きを観たりすることもあります。とにかく眠くなるのなんのって。
「リンカーン」にしろ、この映画にしろ奴隷ものを観ると、果たして黒人の人たちは今でもこの手の話に心を痛めるのだろうか、とふと考えるときがあります。
それとも映画は映画、歴史は歴史としてちゃんと割り切れるのでしょうか。特にこの映画のような娯楽映画に奴隷の話が混入してくると、一部の黒人の人たちからしたら「娯楽」になりえないんじゃないかと心配したりもします。
もしくは逆に奴隷などシリアスな問題をブラックジョークにできる社会の雰囲気のほうが健全な状態なのでしょうか。うーん、難しいな。
さて、今回も俳優陣は豪華でしたね。クリストフ・ヴァルツやジェイミー・フォックスより、サミュエル・L・ジャクソンやレオナルド・ディカプリオの演技が普通にすごかったです。
サミュエル・L・ジャクソンはキャラ作りが相変わらず絶妙でレオナルド・ディカプリオは会話の中で緊張感を作り、銃撃戦が始まるか始まらないかの心理戦を見事に構築していました。
しかし、どれだけいい俳優を使ってもタランティーノの映画は見た後に何も残らないのが悲しいですね。胸に響くセリフもなければ、もう一度見返そうというシーンもありません。
最後はとにかく登場人物を皆殺しにしてしまえ、というのも投げやりな感じがします。それなりに面白いし、最後まで観られるけど、なぜか終わった後にふと今までの時間はなんだったろうかと自問したくなってくるのです。
本で言うところの椎名誠のエッセイに似ていますね。おそらくエッセイを書くようなノリでタランティーノは映画を作ってるんじゃないかな。
コメント
私もコレ、全くダメダメだったのでおっしゃることに凄く共感できました。
絶賛しまくりの周囲なので(笑)
onscreenさん
コメントありがとうございます。そうですか、これを絶賛してる人がいますか。「タランティーノ」というのがすでにひとつのブランドになってる気配がありますね。絶賛している人はおそらくブランド好きの人だと思います。
ブランドなんかに捉われず、本当にいいものを探し続ける人々でも、この映画を好きな人はたくさんいます。
最後のシーンをカタルシスと捉えることができないような凡愚には何をいっても無駄だろうけどね。
この映画を好きな人をブランド好き=ミーハーと言いかねないような人間は映画批評を書く資格無し。くたばれ。
しかもこの映画アカデミー脚本賞を受賞。
クリストフ・ヴァルツは助演男優賞を受賞だぞ。
見る目がないのは明らかですね。
何が特技は文句を言う事(笑)だ。見る目のない盲目的なクズが発する文句は肥溜めに等しい。もう一度言う。くたばれ。
この映画を好きな人を愚弄しかねない発言をする人間が映画批評などをするな。
あんたは集中力がないみたいだから一生短い高尚(笑)な映画を見続けてろ。どれだけの映画を見ようともあんたの人生は糞だ。
この映画の素晴らしさは開拓時代の歴史検証をしっかり行われた上での黒人がガンマンになると言う大胆なアレンジだと思います
あの時代の建物や小道具、衣装はもちろんの事、主役から脇役までの登場人物の動きや思考などが
しっかり反映されていて、俳優や影で支えるスタッフの努力を垣間見ることが出来ます
正直真っ当なマカロニウエスタンを撮影してもかなりのレベルの映画を作ることが可能でしょう
そこで敢えて黒人をガンマンにして主役にすると言う大胆なアレンジで、観る上での面白さが際立っていると思うのです
確かにこの映画を一言で表すなら「黒人がガンマンになって大暴れ」で済みます
これをザックスナイダーやマイケルベイ辺りが監督したら爆発とスローモーがこれでもかと
散見するゴリゴリのアクション系ポップコーンムービーになっていると思うんです
(これはこれで観てみたいですけどww)
けどこれをタランティーノが監督したからこそあそこまでの映画を作れたんだと思います
時代考証をしっかり行われた西武時代とマカロニ映画に対する愛を溢れんばかりに詰め込まれた
映画全体のテンポと雰囲気はタランティーノだからこそですね
昔の西部劇を何本か観た後にまたこの映画を観ると印象が変わると思いますのでもし宜しければと思います…まぁ逆を言うと西部劇好きへの偏向が強いからそっちは別に…と言う人には物足りないかも知れませんがwww
タランティーノ=ブランドと言うのにも否定はしませんがやはり実力あってのブランドだと言うのも事実かと
昔に比べるとだいぶライト層向けになってますよ〜レザボアとかパルプは繰り返し見て面白さが増すクセのある映画でしたしねww
映画男さんの「絶賛している人はおそらくブランド好きの人だと思います。」に対して
「賞をとってるんだぞ」を盾に反論したら、ある意味ブランド好きと言われても仕方無いかも~
文句を言うのが特技の映画男さんだからネ、まるで文句を言うな!と返すのは何だか可笑しな話で♪
ここは「映画男さんの文句」を聞きたい人にとっては大事なんです。
人生、好きな映画を悪く言われる事もあるんですよね。
だから反論するならセンスを…「ネガティブコメントにはユーモアを」だそうです。m(_ _)m
「ジャンゴ」見ました。良かったです。
でも映画男さんの見解にはナルホド~と為になります。
お疲れ様です。
本作は、映画男さんが仰られているような「娯楽映画に奴隷の話が混入してくる」のではなく奴隷制度自体がテーマの娯楽映画なのではないでしょうか。
映画男さんが杞憂されている黒人観客への配慮も、公開当時、僕の友人がL.A.の劇場で鑑賞した際には、ジェイミー・フォックスが白人奴隷主を鞭打つシーンで主に黒人観客から拍手喝采が起こったそうです。
「イングロリアス・バスターズ」に次いで、歴史上の弱者の強者に対する映画の中だけでものペイバックを描くタランティーノの心意気ですよね。(スパイク・リーはその件でブーブー言ったらしいですけど、「肌の色以外は黒人」を自称するタランティーノですので、意見の分かれる所でしょう)
それにしても
この作品から滲み出るファンクネスが映画男さんにはわかりませんかねぇ。。。
「文句(ブログ)」を半笑いでヘラヘラ書いてるのか知りませんが、自分と異なる意見はことごとく無視して、挙句に「絶賛してる人はブランド好きだと思います」ですって。
劇中で優生学を語るディカプリオよろしく、浅はかですねぇ。