最後に主人公が死ぬだけで、残りのエピソードは全部おまけの恋愛映画。そのくせ死んだ後もダラダラ話が続く質の悪い駄作。7点
殺さない彼と死なない彼女のあらすじ
小坂れいは高校生活に飽き飽きしていた。彼は口が悪く、死ね、とか、殺すが口癖だった。
一方、鹿野ななは学校ではメンヘラとして知られ、リストカットを繰り返し、ほかの生徒たちからは気味悪がられていた。
ある日、鹿野なながゴミ箱に入っていた蜂の死骸を土に埋めようとしているのを見て、小坂れいは強烈な興味を抱いた。
鹿野ななは自殺願望があり、死にたい、が口癖だった。小坂れいはそんな彼女に容赦なく、死ね、といって突き放すものの、やがて二人は心開き距離を縮めていく。
撫子は八千代にぞっこんで、毎日のように告白していた。八千代は撫子の告白をまともに受け取られなかった。特に真剣に考えずに告白される度になんとなく断っていた。
しかし撫子は振られてもお構いなしだった。彼女は自分が好きだという気持ちを伝えられればそれでよかった。そうこうしているうちに八千代は撫子の告白を待つようになっていた。そんな二人はやがて映画館にデートに行くことにする。
殺さない彼と死なない彼女のキャスト
- 間宮祥太朗
- 桜井日奈子
- 恒松祐里
- 堀田真由
- 箭内夢菜
殺さない彼と死なない彼女の感想と評価
小林啓一監督による、高校生たちによる青春恋愛群像劇。ツイッターで話題になった同名四コマ漫画の映画化です。
中身と会話が空っぽすぎて、いつになったら面白くなるのかなあと待っているうちに、何事もなく終わっていく映画。こんな駄作にどこに泣くポイントがあるよっていう安っぽい感動ポルノです。
やたらと評価が高かったので、ちょっと期待してたんですが、期待外れにもほどがありますね。上映時間は2時間ほどなのに、体感では5時間くらいに感じる超長尺作品で見終わった後、日付変わったんじゃないかなって思いました。
そもそも基本的なストーリーテリングができていないです。複数の男女の物語を平行して見せているわりには、お互いの物語が絶妙に交るわけでもなければ、しっかり独立しているわけでもなく、時間稼ぎみたいな会話が延々と続いていきます。
オチをつけているのは「死ね」が口癖の小坂れいと「死にたい」が口癖の鹿野ななのエピソードだけで、ほかの登場人物たちは、なんとなく時間が来たから終わりです、みたいにフェードアウトしていきます。
それぞれのキャラクターの背景も大したことなく、やれリストカットだ、やれシングルマザーに育てられただ、お馴染みの不幸の押し売りキャラたちが突拍子もなく泣いたり、笑ったりするだけで、高校生の男女の特徴をろくに捉えていません。会話もストーリーも脈絡が全くないです。
それでもなんとなくエモい雰囲気でセンチメンタルに描けば、無邪気な視聴者は泣いてしまうんでしょうか。
結局、ストーリーも演出も大したことがないから視聴者を感動させるとしたら、主人公を殺すことぐらいしかできないんですよね。
それにしても邦画の高校生ってよく死ぬなぁ。交通事故、不治の病、殺人、自殺って下間違いなく死亡率はコロナより高いですよね。邦画見てると日本の高校生って二人に一人は死んでるのかなって印象受けるもん。
この映画の場合、終盤に突然サイコパスが登場して主人公を刺し殺してしまうというありえない展開になっていて、とりあえず理由はなんでもいいから、恋愛中の主人公を殺したいだけなのが笑えます。
また、劇中に死亡する主人公にはいつも恋人がいるっていうのもお馴染みのパターンですよね。じゃあ恋人なしのキャラで泣かせてみろよって言ったらできないんでしょ? つまりその程度の薄っぺらいストーリーなんですよ。
キャストはとりあえず演技力よりも、顔優先でキャスティングを決めましたといわんばかりの面子で、個性がないからみんな同じ顔に見えます。
そもそも男子高校生がもれなく眉毛いじったり、化粧している時点でダメですね。いかにもプロのヘアスタイリストとメイクさんがやりましたって感じの雰囲気出しちゃってるんですよ。
高校生の垢ぬけていない感じとか全然表現できてないし、どう見ても間宮祥太朗なんて高校生に見えないからね。いい加減、20歳過ぎたいい大人に高校生役やらせるのやめろや。
コメント
始めまして。初めてコメントをさせて頂きます。
今日この映画を勧められてラストで確実に泣く!と言われて見たのですが、本当に一文字一句この記事の感想のまんまの意見でした。
どうしてこんな映画が評価されているのか全く理解できませんでしたし、私は涙腺が脆く、感情移入もしやすくすぐ泣いてしまうのですが一ミリもこの映画では泣けませんでした。どのレビューを見ても素晴らしい!の嵐で疑問だったのでこの記事に出会えてよかったです。有難う御座いました。
コメントありがとうございます。あまりにも印象に残ってなくて、こんな映画自分でも見た記憶がないほどでした。
辛い過去を抱えているけど、それでも他人や周りに誠実な女の子と
付き合った経験がある男子であれば刺さる映画だと思います
ぼくは恋愛において自分が雑になったり、間違ったことをしそうになった時、原作の漫画や映画を見直して、相手を大切にすることを思い起こしています
観る人のこれまでの恋愛経験が、評価を左右する映画かと思います