港町の女はもれなくやんちゃである、という前提のもとに話が進んでいく、なんてことのないサスペンス劇。色んな事件が起こるのに、何も解決しない殺人ドラマです。50点
ブロー・ザ・マン・ダウン・女たちの協定のあらすじ
漁師の港町、イースター・コーヴで暮らすメアリー・ベスとプリシラは母親を亡くし、悲しみに暮れていた。
母親は娘たちに財産を残すどころか家を担保にし、魚屋の営業のために借金をしていた。そのせいで家を失うのも時間の問題だった。
メアリー・ベスは人伝えにそれを聞いてプリシラに激怒した。小さい港町のため噂は筒抜けだった。メアリー・ベスはもうこんな町にいたくないとさえ思った。
自暴自棄になったメアリー・ベスはその晩、酒を飲み、酔っ払った勢いでバーで知り合った男ゴースキーに付いていってしまう。
ゴースキーは麻薬中毒で車に銃を隠し持っていた。トランクの中はなぜか血だらけだった。危険を感じたメアリー・ベスは逃げようとするが、ゴースキーが襲い掛かかってきたために過剰に抵抗し、彼を殺してしまう。
どうしていいか分からなくなったメアリー・ベスは姉のプリシラに助けを求めると、プリシラは警察に通報するのではなく、遺体を隠すことを選ぶ。そしてこの時の二人の決断によって事態は取り返しのつかないことになっていく。
ブロー・ザ・マン・ダウン・女たちの協定のキャスト
- モーガン・セイラー
- ソフィー・ロウ
- マーゴ・マーティンデイル
- ジューン・スキッブ
- アネット・オトゥール
- エボン・モス=バクラック
ブロー・ザ・マン・ダウン・女たちの協定の感想と評価
アマゾン・スタジオ製作、ダニエル・クルーディとブリジット・サヴェージ・コールの共同監督による、閉鎖的な港町を舞台に女たちが繰り広げるドロドロの殺人ドラマ。
麻薬中毒の男を殺してしまった女が姉と協力して証拠隠滅を図り、泥沼にはまっていく様子を描いたサスペンススリラーです。
姉妹が完全犯罪をやり抜けるのか、それとも警察に見つかるのか、というせめぎ合いをメインに描きつつ、売春宿を経営する女将と売春宿の経営に反対する地元のおばちゃんたちの対立、そして別の殺人事件の真相などから港町イースター・コーヴが抱える闇を浮き彫りにしていきます。
いわば女たちの思惑とエゴのぶつかり合いが物語の焦点となっていて、港町の女は怖い、とでもいいたげなラストで締めくくる内容になっています。
誰も幸せにならない点においてはダークといえるかもしれないけど、バイオレンスにしても、スリラーにしても、ドロドロ感にしても強烈なものは何一つないです。複数の人が死ぬけど、残酷なシーンも冒頭のシーンのみ。こういう映画はこれでもかっていうほど、気味悪くしてくれないと。
売春宿を取り上げるんだったらもっとセクシーなシーンを交えてもいいのに色気もありません。警官とプリシラを恋仲にするのかと思いきや不発に終わったし、登場人物たちを活かしきれてないですよね。
また犯人捜しストーリーじゃないので、真犯人は誰か、のような謎解きの快感もなく、最後まで見れる映画ではあるものの、今一つ楽しみと見ごたえに欠けました。
一番いらないなぁ、と思ったのは途中途中で入ってくるおっさんたちによるアカペラですね。あれ、うるさいよ。一応ラストへの伏線になってるけど、耳障りでしょうがなかったです。あれがもっとかっこいい歌だったら雰囲気変わってたと思うよ。
計画通りに行かない殺人劇という点においては、「ファーゴ」を彷彿させるようなところもありました。
ただ、複数のハプニングが連鎖していく様子にそれほど興奮がないのと、基本男たちがみんなアホに描かれていて、特に警察官がポンコツだからこそ成り立つ話ですね。あいつら真面目に捜査する気ないもんね。
もちろん誰が一番ポンコツかといえばメアリー・ベスとプリシラ姉妹でしょう。正当防衛なんだし、警察に通報したら終わる話だからね。
唯一の褒められる箇所は、ラストのサプライズじゃないでしょうか。おばあちゃんまで怖い町、それがイースター・コーヴなんだそうです。
あの終わり方にぞっとするのか。それともにやけるのか。いずれにしてもなんかうまくまとめてやった感出しましたね。だめだよ、ラストだけじゃ。
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