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コリーニ事件はオチとラストがダメ!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

ドイツを舞台にした裁判ものではお馴染みのオチが待っている意外性に欠ける映画。大ヒットの理由がよく分かりませんでした。47点

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コリーニ事件のあらすじ

ある日、イタリア人のファブリッツィオ・コリーニはドイツ、ベルリンのホテルにて大物実業家のハンス・メイヤーを銃で殺害する。

そこでコリーニの国選弁護人に選ばれたのが新米弁護士カスパー・ライネンだった。カスパーは同件を引き受けたとき被害者がかつての自分の恩人で、親友の祖父であることを知らなかった。

それでも引き受けた限り、コリーニを弁護しなくてはならない。それが弁護士としての使命だからだ。

しかしコリーニは、殺人に関しては一切口を割らず、ただ黙秘を続けた。弁護人のカスパーに対しても何一つ事件について話そうとしなかった。

このままなら殺人罪に問われ、無期懲役は免れない。カスパーはどうしても真実が知りたかった。コリーニがなぜハンス・メイヤーのような人格者を殺したのか。

コリーニから何も情報が得られないと思ったカスパーは独自に捜査を始め、やがて衝撃の事実を知ることになる。

コリーニ事件のキャスト

  • エリアス・ムバレク
  • アレクサンドラ・マリア・ララ
  • ハイナー・ラウターバッハ
  • ヤニス・ニーブナー
  • ライナー・ボック
  • カトリン・シュトリーベック
  • フランコ・ネロ

コリーニ事件の感想と評価

マルコ・クロイツパイントナー監督による、ベストセラー小説の映画化。ドイツで大ヒットしたらしい裁判ドラマです。

決して自分がやった殺人について話そうとしない被告人にしびれを切らした正義感の強い弁護士が殺人の動機を調べていくうちにドイツの不都合な歴史にたどり着く、というサスペンス仕立てのストーリーになっていて、なんだかものすごいオチが待ってそうな雰囲気をかもす映画です。

ただ、殺人犯のコリーニが事件について喋らないにしても喋らなすぎで、いかにも小説風の物語だなぁ、という印象をまず受けました。

黙秘するのはいいんですよ。でも別に挨拶ぐらいできるじゃないですか。それもしないんですよ。

自分を弁護しようという弁護士に対しても、あそこまで沈黙を付き通すなら最後まで黙れよって話ですよね。

コリーニが黙っている間はストーリーに動きがなく、登場人物たちはコリーニをただの悪者として見つめます。

ところがいざコリーニの動機が判明すると、今度はコリーニがたちまち被害者になり、立場が逆転してしまう演出になっていました。

この映画や同名の小説がドイツで人気なのだとしたら、その理由はあの突然のポジションチェンジにあるでしょう。同じ殺人でも動機が分かると、やけに納得させられてしまうのが不思議ですね。

しかしながらこの映画の最大の問題点は犯人の動機=オチになっているところで、物語の中盤でいざ殺人の動機が明らかになると、それ以降のエピソードはおまけでしかなくなっていきます。

つまり1時間を超えた辺りでもう最大のオチを使い切った感があるんですよ。そのせいで後半は特にダレましたね。

また、最後の見せ場となるはずの判決のシーンも、悪か、善か。あるいは有罪か、無罪か。無期懲役か、減刑かといった一つの答えを提示せずに完全逃げましたよね。

現代の裁判官があの事件をどう解釈するのかは社会的にも、歴史的にも大きなテーマだろうし、あそこは絶対に逃げちゃダメなんですよ。

たとえ理不尽な結果に終わったとしても、なにかしらの判決を下すのが裁判官の仕事なんだから。それをあやふやにしたら裁判ドラマの意味がないよね。意味ないじゃんって言いたくなるあのラストは嫌いだわー。

コリーニ事件のネタバレ

物語の中盤で明らかになる犯人の動機をネタバレすると、被害者の男ハンス・メイヤーは実は第二次世界大戦中にナチスの将校だった過去があり、彼によって父親を殺されたのが殺人犯のコリーニだったのです。つまり事件は長い月日を経た復讐だった、というのがオチです。

殺人事件も、こうした背景があると、「それならしょうがないわ」みたいな気持ちにさせられるから不思議ですね。そして痛いところをつつかれたドイツ人たちは、加害者であるはずのコリーニを前にして、何も言えなくなっちゃいます。

ハンス・メイヤーは戦時中、多くの虐殺を命じただけでなく、戦後も一切罪に問われることなく、当時の理不尽な法の力を利用して無罪放免になっていた事実がありました。

そんな中、コリーニは自分の手で裁きを下したのです。さて、こんなときは裁判官の判決にどう影響するのか、というのが当然見せ場になってきますよね。

いくら父親を殺されたからといって、現代社会で法治国家において人を殺したら、それは通常通り裁かれるべきなのかあるいは情状酌量の余地があるのか、といった気になるところでしたが、あろうことかコリーニは判決の前に自殺してしまい、裁判はそのままクローズされてしまうのです。

そんな終わり方、あんまりだよね。まるで「それでもボクはやってない」の主人公が判決の直前に、「実は痴漢しました」と告白するぐらい、今までのは一体なんだったんだよ、と言いたくなる結末でした。

自殺する気があるんだったら、あんなにダラダラ裁判しないで、ハンス・メイヤーを殺した時点で自決すればよくない? あるいは判決を聞いてから、世の中の不条理に絶望を覚えて自殺するとかじゃないと辻褄合わないよね。

コメント

  1. まな より:

    自殺じゃなくて殺されたんだと思いますよ
    前例作るの大変ですからね