スポンサーリンク

黒い司法0%からの奇跡は感動の冤罪ドラマ!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約5 分で読めます。

思わず目頭が熱くなる裁判もの。演技よし、脚本よし、演出よしのバランスの取れた作品です。70点

スポンサーリンク

黒い司法0%からの奇跡のあらすじ

法学部の学生だったブライアン・スティーブンソンはハーバード大学に在学中、死刑執行を控えた囚人たちを訪問し、話を聞くインターンをスタートした。

そこで彼はアメリカでも特に黒人差別のひどい南部のアラバマ州では多くの黒人がまともな弁護士を付けてもらっていないことを知る。

そんな人々を救おうと卒業後ブライアンは故郷を離れてアラバマ州に拠点を移す。彼に手を貸してくれたのは白人女性のエヴァだった。

ブライアンとエヴァは、イコール・ジャスティス基金を立ち上げ、死刑囚を訪問することにした。するとその多くは不当な裁判を受け、とても平等とはいえない扱いの下で判決を受けたことを知る。

特にジョニーDとして知られるウォルター・マクミリアンをめぐる殺人事件の捜査や裁判は、あまりにもずさんだった。

ウォルターは物的証拠もないまま、ある囚人からの疑わしい自白だけを基に有罪判決が下されていたのだ。

ウォルターの無実を確信したブライアンは、彼が無実である証拠を集め、裁判のやり直しを訴えるために動き出すも、それを良しとしない警察、検察、地元の住人たちから執拗な嫌がらせや脅しをかけられることになる。

黒い司法0%からの奇跡のキャスト

  • マイケル・B・ジョーダン
  • ジェイミー・フォックス
  • ブリー・ラーソン
  • ロブ・モーガン
  • ティム・ブレイク・ネルソン
  • レイフ・スポール

黒い司法0%からの奇跡の感想と評価

デスティン・ダニエル・クレットン監督による、実在する人物の冤罪事件を基にした司法ドラマ。ノンフィクション「黒い司法 死刑大国アメリカの冤罪」の実写化です。

白人女性を殺したとして不当に逮捕され、死刑判決まで受けた黒人男性ウォルター・マクミリアンを黒人弁護士が救い出す感動の物語です。

1986年11月1日、アラバマ州モンロービルで18歳の白人女性ロンダ・モリソンが何者かによって殺害される事件が起きました。

大半の人口を白人が占め、黒人差別の根強いモンロービルでは、未成年の白人の女の子が無残にも殺されたことに衝撃が走り、市民の怒りは行き場を失います。

そんなとき腐敗しきった地元の警察と司法機関は、黒人のウォルター・マクミリアンを犯人に仕立て上げ、事を収めようとしたのです。

事件当時ウォルター・マクミリアンにはアリバイがあり、証人も大勢いました。にも関わらず、裁判で彼の証人は召喚されず、その一方で殺人現場で彼を見たという嘘の証言をする男ラルフ・マイヤーズが現れます。

ラルフ・マイヤーズ自身別の事件で起訴されており、減刑を受けるために嘘の自白をしていたのでした。

当然、嘘で固めた自白なので矛盾点だらけで、それを見破った弁護士のブライアンが、ウォルター・マクミリアンの無実を証明するために奔走する、というのが話の流れです。

アラバマ州モンロービルで法に関わる白人たちがクズすぎて、怒りを通りこして絶望を覚えるレベルのストーリーでした。

どんなに真っ当な法律やシステムが存在したとしても、それを扱う人間たちが偏見と差別の塊だったら、法も司法も機能しようがない、という最もな例ですね。

警察がアホばかりというところから全てが始まり、検察は正義よりも自分たちの面子ばかりを気にし、挙句の果てには裁判所まで冷静にジャッジできていないなんて信じられないです。

それなのにそれぞれが正義の味方面してるから余計にタチが悪いですね。ああいうポンコツたちのせいで今もロンダ・モリソンを殺した犯人はどこかにいるってことだからね。

物語は、国による一般市民に対する壮絶ないじめを描いている、と言っていいかもしれません。

白人の警察や検察が非常に分かりやすい悪者になっていて、やることなすこと幼稚でねちっこいです。まさにいじめっ子そのもので、彼らからどんなに脅しや嫌がらせを受けても、決して諦めずに不平等と戦っていくブライアンの姿が最大の見どころになっていました。

ブライアンをマイケル・B・ジョーダン、そして殺人犯に仕立て上げられた男をジェイミー・フォックスが演じていますが、どちらもいい演技しています。

特にマイケル・B・ジョーダンは理不尽な出来事にも毅然とした態度で臨む弁護士役がはまっていて、またスーツ姿が格好良かったです。スーツが一番似合う人種って間違いなく黒人だよね。

それにしてもあんなにまともな演技ができるのに、なんで「ブラックパンサー」とか「クリード」とかしょうもない映画に出てるんですかね。

その点でいうと、エヴァ役のブリー・ラーソンも「キャプテン・アメリカ」に出てるけど、アメリカ人俳優ってヒーロー願望が強いんですかね。

それぞれの役者がいいパフォーマンスをしていましたが、特に強いインパクトを与えていたのは、嘘の証言をしたラルフ・マイヤーズを演じたティム・ブレイク・ネルソンでしょう。

見た? あの特徴ある話し方と口の曲がり方。短い登場時間で、よくもまああれだけの強い印象を残せたなぁ、とちょっと衝撃的でした。

さらに衝撃的だったのはラストでしょうか。ラストは実話ベースの映画にありがちな、テロップでのその後の解説と、実際の人物の画像、映像で終わっていましたね。

そのうち本編にも登場したアンソニー・ヒントンが30年ぶりに無実を証明して刑務所から出てくる瞬間を捉えた実際の映像は涙なしでは見られませんでした。

そのときに流れるテロップがショッキングすぎました。

「アメリカでは死刑執行される9人のうち1人は無実が証明され、釈放されている」

この数字が本当だとしたら、ありえねえな。

コメント