ちょこちょこ笑えるけど、その分大いに滑ってくるコメディーアニメ。決して映画館で見るほどの作品じゃないです。43点(100点満点)
ミッシング・リンクのあらすじ
冒険家のライオネル・フロストは神話上の動物を見つけ出し、名前を売ることとで自分を認めてもらい、貴族のソサエティに入会することを夢見ていた。
ある日、ライオネル・フロストに幻の生き物ビッグフットの存在を伝える手紙が届く。しかしソサエティにそれを伝えに行くと、誰もまともに受け合ってはくれなかった。
特にピゴット・ダンスビーはビッグフットの存在を全否定し、もし本当に存在することを証明できるならライオネル・フロストをソサエティに入会させてやると口を滑らせてしまう。
これに挑発されたライオネル・フロストは、北西太平洋地域の森の中へと入っていき、ビッグフットと遭遇する。
ところがビッグフットは人間の言葉を普通に話せる知能の高い動物で、ライオネル・フロストに手紙を書いたのもビッグフット自身であったことが判明する。ビッグフットはヒマラヤにいるであろう自分の種族のイエティたちと会いたいがためにライオネル・フロストに助けを求めたのだった。
ライオネル・フロストはビッグフットをミスターリンクと名付け、彼をヒマラヤまで連れていってあげることにする。
ミッシング・リンクのキャスト
- ザック・ガリフィアナキス
- ヒュー・ジャックマン
- ゾーイ・サルダナ
- スティーヴン・フライ
- ティモシー・オリファント
- エマ・トンプソン
ミッシング・リンクの感想と評価
「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の脚本家として知られるクリス・バトラーが監督した冒険アニメーションドラマ。2020年アカデミー賞長編アニメーション賞ノミネート作品です。
世間に自分のことを認めてもらうために、未確認生物を見つけることを生きがいとしている男がビッグフットと出会ったことをきっかけに冒険の旅へと出て行く物語です。
ユーモアを含んだ人間とビッグフットの友情ドラマに仕上げていて、そこそこ見れる映画ではあるものの、絵やキャラやストーリーが今一つな点は否めないです。
まず、肝心な絵は人形劇ストップモーション風のアニメーションになっていて、それなりに個性はあるんですが、残念ながらメインキャラクターであるビッグフットのミスター・リンクことスーザンのデザインがダサいですよね。
もうちょっと愛らしい、可愛いキャラにすれば子供たちに受けそうなもんなのにいかんせん可愛くないんですよ。このぬいぐるみ欲しいってならないでしょ?
ミスター・リンクのキャラ設定も、言葉だけは流ちょうに喋れるのに、言われたことはちゃんとできないアホキャラみたいな感じになっていて、知能が高いのか低いのか、運動神経がいいのか悪いのか、どっちつかずのところがありました。
そのせいか感情移入が難しいし、ミスター・リンクに心を動かされることはなかったです。ましてやそんなキャラがちょくちょく笑いを狙ってきては、ドン滑りを繰り返すので、ただの寒い奴みたいになっていましたね。
ミスター・リンクに関してはもっとはっきりした弱点と特技などがあればキャラとして分かりやすくなったんじゃないかなぁ。
対する主人公のライオネル・フロストは、自分の名前を売りたい、貴族社会に認めてもらいたい承認欲求の強い冒険家キャラになっていて、ミスターリンクと旅をしていくうちに野心よりも友情のほうが大切だよね的な「心の成長」が描かれています。
がしかしライオネル・フロストとミスターリンクの旅を終えて、振り返ってみると、結局お前たちは何しにヒマラヤに行ったの? なんのための旅だったの?と言わざるを得ないオチになっているんですよね。ヒマラヤの無駄遣いにもほどがあります。
ものすごく遠くまで行ったのに目的達成感が全然ないっていうのがダメですね。頂上を目指して登山したのに曇って景色が見えなかったみたいなオチじゃないですか。あれで最後しっくり来た人いるのかなぁ。
登場キャラクターの中で唯一、キャラ立ちしているのが、ヒスパニック系の情熱女アデリーナじゃないでしょうか。気が強く、ダメな男たちを引っ張っていく性格で、一番笑えたのも彼女でした。「なんで私はいつもぶら下がってるの?」っていう下りとかちょっと笑っちゃいました。
いずれにしろても全体的なクオリティーがいまひとつという映画でしたね。「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」もそうだったけど、脚本がいまいちなんだよね。
ストーリーは分かりやすいし、最後まで見れるのになにも残らないっていう、この感覚なんなんだろう。「ああ、面白かった」とも「ああ、つまんなかった」ともならないニュートラルなフィーリング。
その点、ディズニーは面白くてもつまらなくても、視聴者を巻き込んで、議論を呼ぶところまでしっかり仕掛けてあるから、やっぱりほかのアニメ制作会社と比べると一枚も二枚も上手なんだなぁと改めて気づきますね。今後、どれだけこの差が縮まっていくのかに注目です。むしろ広がる傾向にあるのかもしれないけど。
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