家族、親子と一緒に見るのに最適なファミリードラマ。誰もが知ってるサンタクロースの話を膨らませて、上手く一本の映画にまとめていました。57点(100点満点)
映画クロースのあらすじ
郵便局長の息子ジェスパーは、金持ちの家に生まれた典型的な怠け者のバカ息子だった。
生まれたときからなんでも与えられてきたジェスパーは、郵便局員としての訓練を受けても真面目に働こうとはしなかった。
それどころか郵便局長の息子という立場を利用して、毎日贅沢三昧の日々を送っていた。
そんなダメ息子を見かねて父親はある日、ジェスパーを配達人として離島のスミレンズブルグへと送ることにする。
そこは昔からクラム族とエリングボー族が敵対し、住民同士争いばかりしている地域だった。そのせいか街は暗く、覇気がなかった。
ジェスパーは仕方なく、そんなスミレンズブルグで手紙を配達することにする。ノルマを達成しなければ家に帰れないことになっていた。
あるときジェスパーは人里離れた島の外れに一軒家があることを知る。そこに行くと、クロースと呼ばれる髭もじゃの老人が住んでいた。彼の家はおもちゃで溢れていた。
クロースは大柄で不気味で恐ろしかった。ジェスパーは彼に襲われると思って恐怖を抱いた。
クロースは偶然ジェスパーが持っていた子供の手紙を見ると半ば強引にジェスパーを連れ、二人して子供の家におもちゃを届けに行った。
このことがきっかけで、クロースに手紙を送ると、おもちゃがもらえるという噂が街中に広まった。そしてジェスパーとクロースの二人は真夜中に子供たちにプレゼントを渡すためにせっせと働くことになるのだった。
映画クロースのキャスト
- ジェイソン・シュワルツマン
- J・K・シモンズ
- ラシダ・ジョーンズ
- ウィル・サッソ
- ノーム・マクドナルド
- ジョーン・キューザック
映画クロースの感想と評価
「怪盗グルーシリーズ」や「ミニオンズ」でキャラクターデザインを担当したセルヒオ・パブロ監督によるサンタクロースの起源を独自の解釈でファンタジックに描いたクリスマスアニメ。2020年アカデミー賞長編アニメーション賞のノミネート作品です。
子供から大人までそこそこ楽しめるちょっといい話で、クリスマスシーズンに見るべきハートウォーミングな映画ですね。
サンタクロースの起源って本当はこんな感じだったんじゃないの?といった、オリジナルのサンタ誕生秘話ともいうべき物語で、ファンタジックでありながら普通のおじさんが子供たちにプレゼントを配るようになった経緯を、現実っぽい話に寄せて描いたような気配があります。
その裏には実は子供たちの幸せのために働いた郵便配達人の存在があったという設定もなかなかいいし、住民同士がいがみ合っている最中、おもちゃのプレゼントを通じて、子供たちを皮切りに街中に善行が広がっていく様子が微笑ましかったです。
ベタなクリスマスストーリーといえばそうなんだけど、いい子にしていないとクリスマスプレゼントはもらえない、といった言い伝えを物語の中でさらに膨らませて、上手く辻褄を合わせているところは上手ですね。
全く知らない話というわけじゃないから子供でもすんなり見れるし、新しいエピソードが加わっているから大人が見ても退屈しない仕掛けになっていました。
また、よく見るとキャラクターたちがミニオンズの登場人物っぽいし、絵にも馴染みやすさがあります。主題歌も良さげな曲を使っているし、多方面で手を抜いていませんね。
若干、前半部分がスローでエンジンがかかるのに時間を要するところはマイナスです。ただ、スローな時間帯さえ抜ければまあまあいい話になっていくし、教訓も含まれているので、ファミリームービーとしては合格点なんじゃないでしょうか。
ちょっと嫌だったのは、ジェスパーが家に早く帰りたかったために手紙を配達していたことを知ると、恋人のアルバが逆上して、「私たちを騙していたのね」と手の平を反す下りですかね。
目的がなんであれ、ジェスパーが街のために貢献したのは変わらないのに、あんな態度取ることないよね。ああやって本質を見ずして、すぐ感情論に走る奴いるよなぁ。怒る前に感謝しろよ。ジェスパーのおかげで、また子供たちに教える喜びを取り戻せたんだろうが。
それもアルバだって街を出たがってたくせにジェスパーが同じこと考えてたら「あなた最低!」ってなるんだから、言ってること滅茶苦茶だろ。
ジェスパーはあんな女と結婚しなかったほうが良かったんじゃないかなぁ。むしろサーミ族の中から相手を選んだほうが幸せになれたと思うよ。まあ、言葉は通じないけどね。
コメント