美人姉妹たちが喚くだけの面白味に欠ける駄作。ただただこういう映画、嫌いです。30点(100点満点)
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のあらすじ
1868年、マーチ家の次女ジョーはニューヨークで、出版社の編集者に自分の書いたストーリーを読んでもらっていた。編集者はところどころ批判をしつつもジョーの作品を気に入ったらしく、その場で買ってくれた。
その頃、三女のエイミーはマーチ叔母さんとパリにいた。するとたまたま道で幼馴染のローリーと遭遇し、彼をパーティーに招待する。エイミーは昔からローリーに恋心を抱いていた。
長女メグは結婚し、子供を授かり、幸せな生活を送っているかに思えたが、四女のベスのことが気がかりだった。ベスは重病にかかっていたのだ。
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のキャスト
- シアーシャ・ローナン
- ティモシー・シャラメ
- フローレンス・ピュー
- エマ・ワトソン
- エリザ・スカンレン
- メリル・ストリープ
- ローラ・ダーン
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の感想と評価
「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督による、美人四姉妹の半生を描いた恋愛家族ドラマ。2020年アカデミー賞作品賞ノミネート作品です。
原作は小説『若草物語』で、本作の実写化はこれで7作品目らしいです。
いかにも文学的なストーリーで、小説好きの女子にはいいかもしれないけど、男の僕には結構きつい映画でした。
というのも終始四姉妹がキャッキャ言いながら、恋愛や結婚について語るだけで、大したドラマも見せ場もないからです。
姉妹たちがまた優柔不断で、私はあの人と結婚するだの、いややっぱりあの人が好きだの、いや女の幸せは結婚じゃないだの、優柔不断なことばかり言うのもうざいですね。女心は変わりやすいのを表現してるかもしれないけど、僕の目にはただの面倒くさい女にしか映らなかったです。
なによりフェミニスト臭で充満しているのが嫌ですね。フェミニスト度でいうと、「天才作家の妻40年目の真実」と匹敵するものがあります。
女にとって恋愛とは。女にとって結婚とは。女にとって幸せとは、みたいな話を延々と聞かされるのははっきり言ってきついです。知らねえよって話なんですよ。
だってそうでしょ。逆に男たちが、「いいか、男の幸せっていうのはなあ、ビジネスで成功して、金を稼いで、結婚して子供を作って、愛人を囲むことなんだよ」とか熱く語ってたらうるさいじゃないですか。それと同じですよ。
現在と過去を交代交代に見せているストーリー構成にも抵抗を覚えました。現在も過去も大したエピソードがないんだったら普通に時系列で見せればいいじゃん。交互に見せても最後まで一本の線でつながっていかないっていうね。平行線ってこのこと言うんだな。
冒頭の10分で7年前に戻るって、それなら最初から7年前の時点からスタートしようよ。まだこっちは誰が誰で、それぞれがどんなキャラクターかも掴めていないのに、突然過去を回想し始めても置いてけぼりされるからね。
一番嫌いなキャラクターがほかでもないジョーですね。四姉妹の中でも最も自己陶酔がひどく、「私は一生結婚しない」と発言することに悦に浸るタイプです。
私は普通の女とは違うの。だから普通の幸せなんて求めないの。結婚が女の幸せじゃないのっていってる女がラストで走って男を追いかけていき、必死で引き留めようとする無様さといったらないです。
それも相手はずっと好きだった男とかでもなく、たまたま再会した昔の友達って。
いやいや、同じ男に自分の作品を批判されたら逆切れしてたじゃん。なんで急に実は昔から彼のことが好きだったみたいな話にすり替わっちゃってるのよ。
ジョーはローリーに告白されたときも、一度は断っておきながら、もう一度言われたらOKするって言ったたり、何がしたいのか最後まで謎でした。ただ寂しいだけだろ。
たまにああいう奴、本当にいるからね。寂しいだけなのに終始強がっていて、でも方向性や自分の考えが定まってないから、コロコロ言うことが変わる奴。ローリーもローリーでジョーに惚れるとか趣味が悪すぎて、意味不明ですね。
あの四姉妹の中だったら、ダントツでエイミーが一番じゃないですか。これについてはほかの意見は受け付けませんよ。
あの性格の分かりやすさといい、体のむっちり感といい、色っぽさといい、ほかに選択肢なんてないでしょ。え、メグ? 幸が薄いだろ、どう見ても。どっちにしたってジョーに惚れる要素なんてないから。
結局、恋愛エピソードは総じてボロボロでしたね。まだ四姉妹が激しい姉妹喧嘩をおっぱじめるとかのほうがよかったんじゃないかなぁ。小説を燃やすなんて甘っちょろいでしょ。家にあったピアノ投げないと。
コメント
シアーシャ・ローナンやティモシー・シャラメが出ているし、グレタ・ガーウィグ監督新作だしで勇んで見に行きました。私の住むカナダでは、年配白人女性からの支持すごいですよ(笑)
今までにない若草物語の解釈というかで、新鮮さはあったと思います。
個人的な感想と言えば、こういった名作の数度の映画化だから何かしら新しい試みをしないと
映像化する必要もないだろうから、そう言う意味では成功だったんじゃないでしょうか。
でも、私にはウィノナ・ライダーが出ていた1994年版の若草物語の印象がつよくて、
新しい試みもいいけど、こういった不朽の名作はやっぱりスタンダードがいいかなぁと思ってしまいました。あくまで個人的な感想です。映画の出来云々ではなくて。
今作のべスの印象が薄すぎなのが残念でした。
やっぱり女性受けはするんですね。それにしてもベスの扱いひどかったですよね。ベスを一番かわいくない女優にしていたのも意図的だろうし。
何というか、通俗的なフェミ臭・リベラル臭が、NHKの朝ドラっぽい。つーか、物語のレベルは同程度だと思う。
↑の意見で「カナダの年配女性には人気ある」とか書かれていたのにも納得。
NHKの朝ドラもメイン視聴者はオバはんばっかだし。
やっぱりフェミニスト臭はしますね。
フェミ映画の良否を見分けるのって、男女のキャラを頭の中で逆転させてみるのが良いと思います。
それでクソみたいな話になるのなら、要するに「普遍性」なんか無いということで。
この映画の女子を男子に変えたら、まず話が成り立たないでしょうね。
私は女性ですが大人になればなるほど若草物語が嫌いになりました。
なんと言っても1番嫌いなのがマーチ夫人です。マーチ夫人が善人で正義で理想というのがこの物語の基礎にあるので、根本的に私はその考えに賛同出来ません。
まず原作では
貧乏婚したけど双子の男子を産み夫に愛されるメグと
玉の輿だけど、病弱な女子を産み夫にはほどほどに愛されているエイミー
ほらやっぱりお金より愛ですよ というお説教が姉妹の対比からも発信されています。
そして、自由と自立と新しい女性像の象徴であるジョーも、結局は お母さんになるんです。女はみんな子供を産みたい というステレオタイプからは逃れられていない。
それから、最初に申し上げたマーチ夫人ですが、はっきり言って綺麗事ばかりの方です。物語の中で 気難しく友達のいない ローレンス氏や、マーチ家の叔母さまなど 性格に難ありとされるお金持ちの二人は悪役ないしは、マーチ家に温かさや愛を教わる役として設定されてますが、ローレンス氏がいなければベスは医者に診てもらえず死んでいたかも。
マーチ叔母は煙たがられながらも、メグの結婚の世話を申し出たり(マーチ夫人にバッサリ切られましたし、めぐの社交界デビューの件もバッサリ、されてます)、エイミーの婚活も手伝ってくれましたし、ジョーには屋敷を相続させました。
マーチ夫人はというと、家系が火の車なのに、慈善活動に熱中し、女の婚活のサポートせず(娘は適齢期におしゃれもできない)専業主婦なのに、なぜか家政婦のハンナとかいうお婆さんを雇ってました。これも慈善のつもりかもしれません。お金がないからメグを家庭教師として働かせ、ジョーやエイミーは叔母さまのとこでバイト(朗読)
これって単なるカッコつけじゃないの?と思います。
四姉妹で、早くに死んだベス以外はみんな世間からの評価やお母様を盲信していて本当には自由じゃないしそれぞれにお母様の虚栄心(清貧が最も高貴であるという価値観)に振り回されたり罪悪感感じたりしてるように見えました。