実在する人を登場させてるくせに脚色しすぎてフィクションを通り越してファンタジーになってしまった、ひどい話。馬鹿馬鹿しいとはこのことです。20点(100点満点)
イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたり
1862年のロンドン。気象学者のジェームズ・グレーシャーとパイロットのアメリア・レンは熱気球で空の世界へと旅立とうとしていた。かつてアメリカ・レンは気球の事故で夫を亡くしていた。
当時はほかの科学者たちはまともに受け取らなかったが、ジェームズ・グレーシャーだけは天気は予測できると考えていた。それを証明するためにも気球を使ってまだ誰も到達したことのない上空へと行く必要があった。
しかしそれは命がけの危険な旅だった。ジェームズ・グレーシャーとアメリア・レンはやがて激しい嵐に襲われ、二人を乗せた気球は飛ばされてしまう。
イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたりのキャスト
- フェリシティ・ジョーンズ
- エディ・レッドメインー
- フィービー・フォックス
- ヒメーシュ・パテル
- ヴァンサン・ペレーズ
イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたりの感想と評価
トム・ハーパー監督による、実話をもとにした嘘っぽい話。実在する気象学者のジェームズ・グレーシャーと別の気球パイロットの話をミックスして作ったフィクション丸出しの映画です。
物語はジェームズ・グレーシャーとアメリア・レンがまだ誰も行ったのことのない高さへと気球で飛んでいくことでそれまでの科学の常識をぶち壊そうといったストーリーになっています。
二人の決意は素晴らしいんですが、いかんせんやることなすことが全て無計画で、本当に学者とパイロットかよっていうぐらいただの命知らずの男女なんですよね。
例えば上空3万6000フィートといった高さのところでロープをつたって気球の天井にまで行くとかありえないじゃん。それもこんなところで気を失ったりしてるし。
蝶々の大群と空で遭遇する下りも、いくらなんでも蝶々多すぎだし、嘘を付くな、嘘を、と言いたくなるシーンの連続でしたね。
挙句の果てには最後気球の土台を切り落して、ハングライダーみたいに着陸してたし、大人をバカにするのもいい加減にしてもらいたいです。絶対落ちるだろ。
これ下手したら事実と重なるのは上空は寒かったっていう点と酸素が薄いっていう描写ぐらいじゃないかな。あと全部嘘でしょ。
ドラマチックにするために登場人物に危険なことばかりさせていてリアリティーが全然ないんですよ。
フィクションならフィクションでいいんですが、それなら物語の中で「この話は実話がベースになっています」とかテロップを出さないでもらいたいです。
そもそもヒロインのアメリア・レンのキャラクターは完全にフィクションだそうじゃないですか。
一応モデルはいるみたいだけど、ジェームズ・グレーシャーとは全く無関係の人らしいですね。実験が行われた舞台もロンドンじゃないし、本当は男二人の旅だったみたいですね。おっさん二人の気球の旅は絵的に汚いってこと?
よりによっておっさんを未亡人の女に置き換えてるところが下手なAVの設定みたいだし、それならいっそのこと気球でのラブシーンぐらい用意しておけよって思いましたね。どうせありえないフィクションをぶち込んで来るなら二人とも気球ではずっと裸でいいよ。
ヒロインが未亡人じゃなければいけない理由あります? それも旦那はヒロインを守るために気球から飛び降りたって。嘘くせー。
また、構成が気球の中での出来事と過去の回想シーンの繰り返しになっていて、どのエピソードも大したドラマがありません。
それならそうと、ただのんびり気球で旅する話でもよかったのにね。それで二人の会話を中心にもっと気象学の深さとか空や宇宙の神秘についてでも語ってくれたほうがましでした。
あれ、気球の中でトイレ行きたくなったらどうするんですかね。実際、ジェームズ・グレーシャーはどうしてたんでしょうか。立小便をするにしてもバランス崩したら落ちちゃいそうだし、大便だったらウンコを空から投げるんですかね。
結局そういう素朴な疑問に何も答えてくれないんだもん。脚本がひどいし、大した見せ場も作れないから、ありもしない出来事をでっちあげるしかなかったんでしょうね。
だとしたら事故みたいな危険なハプニングか破天荒な行動に頼るしかなくなりますよね。だからパラシュートをつけた犬を気球から落としたり、意味もなく高いところに座りだしたり、気球から落下しそうになった相手を手で受け止めて救出するなどというシーンが多かったんでしょう。
これ実際に普段気球に乗っている人からしたら気球を舐めんなってなるんじゃないかな。僕でもなりましたもん。気球乗ったことないけど。
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