フランス式ゆるゆるロードムービー。少年たちが自由と興奮を探して、無免許で車で旅する、そんなバカなと言いたくなるファンタジーです。45点(100点満点)
グッバイサマーのあらすじ
ダニエルは、女の子とよく間違えられるほど、小さくて華奢な男の子。ある日、彼のクラスに目立ちたがり屋で風変りなテオが転向してくると、二人はたちまち仲良くなる。
学校ではダニエルはチビと呼ばれて馬鹿にされるのに対し、テオも同様に学校ではガソリン臭いとほかの生徒たちからいじられるキャラだった。二人ともどこか浮いていた。
お互い学校でも家でもうだつの上がらない生活を送り、どこかに行ってしまいたい気持ちで一杯だった。
そんなときうんざりする日々から脱出するために二人はガラクタを集めてキャンピングカーを作り、夏休みにフランスの田舎をめぐる旅に出ることにする。家族には内緒で、二人は手作りの車で無謀な冒険へと出発するが、、、、
グッバイサマーのキャスト
- アンジュ・ダルジャン
- テオフィル・バケ
- オドレイ・トトゥ
- ディアーヌ・ベニエ
グッバイサマーの感想と評価
読者のブルージャスミンさんのリクエストです。ありがとうございます。
「エターナル・サンシャイン 」や「TOKYO! 」で知られるミシェル・ゴンドリー監督による青春ドラマ。
フランス版「スタンド・バイ・ミー」ともいえるロードムービーで、家族でも学校でも上手く行っていないうざつの上がらない少年二人が刺激を求めて、自作の車で田舎を横断する話です。
スクラップを集めてキャンピングカーを自作して旅する、という部分は空想ですが、それ以外の体験などは監督自身の幼年時代が基になっているそうです。ちなみにチビ呼ばわりされているダニエルのほうが監督本人だそうです。
旅の道中、少年たちは、子供が家を出て行って寂しくしている夫婦と出会い、お世話になったり、床屋という名の風俗でお金を巻き上げられたり、不良たちに追いかけられたり、といったハプニングに見舞われます。
それぞれのエピソードに関してはかなりベタで、青春ロードムービーにありがちなことしか起こりません。多少の微笑ましいシーンはあるものの、大笑いできるほどのユーモアはないのがいまひとつですね。
特に変わり者のテオが滑りまくってるのがいけませんね。転校初日に目立とうとして滑るってかなり痛いじゃないですか。
僕の中学時代、中学生のくせにいつも私服でスーツを着る奴がいたんだけど、あいつに似た寒さを感じました。あいつ、今何してんだろう。
でもフランス人の場合、滑るっていう感覚がそもそもないだろうから、誰からもいじっても、突っ込んでももらえないし、クラスのみんなからフル無視されてる感じが可哀想でしたね。
一方のダニエルは同級生の女の子に恋心を抱きつつ、旅の間にどうにか変わろうと髪の毛を坊主にしようとしては失敗します。あそこも笑うところなんだろうけど、逆モヒカンみたいな髪型にされてもダニエルが特に恥ずかしそうにしてないから、あんまり笑えないんですよね。
緊張感と羞恥心がそんなにないので滑ってもボケても笑えないことが多いですね。「やっべえ、こんなことになっちゃったよ、どうしよう」っていうのが伝わってこないもん。
そんな中でも二人に可愛らしさを感じられるか、あるいは自分の幼年時代をと重ね合わせることができるかどうかが、この作品を楽しむ鍵となってきそうです。のんびりでほのぼのしたロードムービーが見たい人にはいいのかなぁ。
それに対して、エキサイティングな旅や冒険を求めてしまうと、物足りなさが残りますね。「スタンド・バイ・ミー」のように心地よいテーマソングがあるわけじゃないし、フランス映画特有のテンポの悪さも目立ちます。
ラストもハッピーエンドとはいかず、寂しくもあり、悲しくもある終わり方にしていましたね。テオのお父さんの冷たさが半端なく、余計に悲しさが増していました。淡い青春といった終わり方とも違って、なんともフランス映画っぽかったです。
それにしてもミシェル・ゴンドリー監督ってすごいたくさん映画を撮っているのかと思いきや、そうでもないんですね。
そんなにヒット作があるわけでもないのに、なぜか大御所のようなイメージを与えるのはどうしてなんでしょうか。名前の響きがいいからなのかなぁ?
コメント
フランス映画にしては馬鹿馬鹿しいユーモアが効いていたなあと。ミシェルゴンドリーってエターナルサンシャインが有名ですけど私全然話を覚えてないんです。それよりブロックパーティって言うブルックリンの黒人アーティスト達のライブを撮ったドキュメンタリーが大好きで、おススメです!
確かに馬鹿馬鹿しかったですねぇ。エターナルサンシャインは僕もそんなに記憶に残りませんでした。