9つのショートストーリーで構成されている人間ドラマで、9つのうちの半分以上が合格点を付けられる、見ごたえ十分の一本。68点(100点満点)
映画美しい人のあらすじ
妊娠中の主婦ダイアナ(ロビン・ライト・ペン)は、夜のスーパーマーケットで昔の恋人ダミアン(ジェイソン・アイザックス)に「今でも君を愛している」と 彼から告げられ動揺する。そのダミアンは妻のリサ(モリー・パーカー)とともに、毒舌家の友人とその妻ソニア(ホリー・ハンター)を新居に招くが……。
シネマトゥディより
映画美しい人の感想
「彼女を見ればわかること」、「愛する人」のロドリゴ・ガルシア監督による大人のちょっといいオムニバス映画。製作総指揮は「バベル」のアレハンドロ・イニャリトゥです。
ひとつひとつの話が短すぎて、情報が少なすぎるため、登場人物の背景が分からずにあまり入っていけない話もありますが一方で視聴者が少ない手がかりの中から想像力を働かせ、登場人物の表情やセリフのひとつひとつを読み取り、それぞれの解釈をして楽しめる映画でもありますね。
そういう意味では映画見るときぐらい何も考えたくない、という人には不向きな作品かもしれません。
それに対しワンシーン、ワンシーン、じっくり考えたい、という人には贅沢な映画ですね。
さも馬鹿は観なくていいからな、とロドリゴ・ガルシア監督に挑発されているような感じもします。
一番の見どころは「あらすじ」でも紹介されているダイアナの話でしょう。あの二人だけで2時間の映画ができそうな、熱くそして儚いストーリーでした。
お互い大切な二人だけれど一緒にはなれず、今はそれぞれ結婚して家庭を持っている。昔を思い出すだけで思わず涙が出てくるような切っても切れない二人の絆。会えて嬉しいけど、会わなきゃよかった、と思えるような重さが画面越しに伝わってきました。
ダイアナを演じたロビン・ライト・ペンの演技がたまらなかったです。あの短い時間にあれだけの表情、心境の変化を表現していたところに脱帽しました。彼女が出ている他の映画もチェックしてみようと思わせる怪演でした。
他にも乳癌の手術前のカミール、車椅子の父を持つ少女サマンサなど心温まる優しい話が続きます。
元旦那の奥さんの葬式に出席するローナの話も良かったんですが、時間的なものなのか、ベッドシーンまで大分急いで、短縮して撮ったみたいで、あまりにも男が早くイキ果てるのにはびっくりしました。
いくら性欲旺盛かつ早漏の男だってあんなに早く勃たせて、あんなに早くイケないって。ローナが男の頭をなでなでして、オデコにチュ、チュってキスをするところなんかはなかなか優しかったですけどね。
とにかく全体的に話を詰めすぎた感は否めなかったです。9つじゃなくて、7つとか6つぐらいで良かったんじゃないかなと思います。サンドラとホリーの話はカットでいいんじゃないかぁ。
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